釜の鉄の共蓋

 

掻き立て鐶

釜の蓋は通常は唐銅の蓋は唐銅や南鐐の摘みがついています。

釜と同じ鉄の蓋の場合共蓋といいます。

その場合、釜蓋の摘みに鐶(鉄の輪)がついているものを掻き立て鐶といいます。

釜蓋の上に鐶付があり、鐶が通されていて、その鐶の輪先が曲がり、蓋にあたるようになっています。

そのことによって、直接環が蓋に接しないようになり、鐶自体には熱が伝わり難くなります。

 

使い方は、鉄の輪の突起を下にして、つまり、釜の蓋に突起を当てた状態にしておきます。

 

蓋の取り方

蓋の取り方は男子も共蓋の場合は帛紗を使って蓋を取ります。

帛紗を横にしてツマミの上にかぶせ、右手親指を帛紗の手前の下から輪の中に掛け、
蓋のツマミ向こうを帛紗の上から中指を中心として押さえて、
釜の蓋を手前に引いて、蓋の露を切って、蓋を取る。

注)

環の突起を左に少し寄せておくと親指を環の下に入れ易くなります。

 

釜の蓋をするとき

環だけを持つと蓋がぶらぶらするので、

環と鐶付を同時に持つようにすると、蓋が固定され釜に蓋がしやすくなります。

 

帛紗の扱い

共蓋の釜の蓋の場合等に、男子も服紗を使って蓋を取る。
茶入(又は茶器)を帛紗で清め、次に茶杓も清めた後、

左手に帛紗を持ったまま、右手で柄杓を取り、左手の帛紗の上に柄杓を載せ、左指で柄杓と帛紗いっしょにを押えながら、右手は柄杓の下を持ち構える形をとる。

右手で左手の下側を柄杓と帛紗を持ち、
次に左人差し指を、柄杓の節下の柄に直接触る部分迄進めて、
親指も同様に節下柄に直接触る部分迄進めて、柄杓を動かない様にして、
右手にとった帛紗を柄杓の柄に添って切り止め近くまで下げる。
左手は柄杓の節下をしっかり持つ。
右手に帛紗を持ちながら柄杓を構える。


右手に帛紗を持って、釜の蓋のツマミの上に帛紗を載せて、釜の蓋を取る。

 

掻き立て鐶の場合の蓋の扱い

掻き立て環は、釜の蓋をしめてあるときは、かんのつめを下にして手前にし、蓋置の上にとったときは、向こう側に倒して、つめが上に向くようにする。

茶の湯表千家 202P 主婦の友社