おととい 貞松・浜田バレエ団の創作リサイタル22 「冬の旅」(全曲) 演出・振付: 森優貴 音楽:シューベルト(ツェンダーによる創造的編曲の試み)をみてきました。 ひとりの若者の心象風景が四人の旅人役と二人の影法師役の、計六人のダンサーが中心となって描き進められていく、「生」と「死」のテーマが中心の、かなり重い内容の作品でしたが、素晴らしい作品だったと思います。

有限の身である人間は、だれしもがつねに「生」と「死」を意識し、その狭間で葛藤し(シェークスピアの作品、「ハムレット」の中で、主人公がつぶやく?"to be,


or not to be" (生きるべきか死ぬべきか・・・)のひとことはあまりにも有名ですね)毎日を送っていると思います。
自分の人生、これで良かったのだろうか?もし、あの時違う道を歩んでいたら。。。。とか、幸せ!ただもう幸せ!この幸せが未来永劫(みらいえいごう)どうか、ずっと続いてくれますように。。。など、泣いたり笑ったりの繰り返しです。
でも、有限の身だからこそ、「死」があるからこそ、人は「生」を意識するのだと思います。
この世に「生」を受けたことに畏敬の念を感じるからこそ「死」への意識が生まれてくるのだと思うので、「生か死か・・・」ととらえるのではなく「生も死も・・・」と、いいことも悪いことも全てを受容できるようなそんな考え方ができたらどんなに素晴らしいことだろうか・・・と思います。←実際は、なかなか難しいですけれどね^^💦

そう!to be, and not to be!!


作品の中で人間の「死」を象徴する雨が、最後、すべてを洗い流す象徴でもある雪に変わっていたのが私にはすごく印象的でした。我が身に降りかかる雪を思いっきりはらいのける若者・・・。そして、新しい一歩へ。 一人の人間が己の「生」と「死」を受け止め、葛藤の中、次に進もうとする、まさにその瞬間を目撃した気がしました。

今回のこの「冬の旅」は 日本初演とのこと。この作品をみることができたことに感謝するとともに、鋭い感性の持ち主であられる森優貴さんと、堤 悠輔さんをはじめとするバレエ団の皆様にあらためて拍手を送りたいと思います。

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