さて、ゴールデンウィークも関係なく仕事をしていたジブンでございますが、昨年の知床旅行から早くも1年が経ち再び旅行欲が沸き上がっています。


旅先で迎えるホテルの朝、まだ宿泊客が眠っている静かな館内に聞こえるスタッフ方が動き始める音、それを尻目に向かう大浴場で堪能する温泉、朝食会場に漂うコーヒーの香り。そんなささやかな非日常感が好きなのです。


近場にでも出掛けてみたいと思うものの同伴者(妻です)の仕事の都合もあり、実現はいつになることやら…。
ではTLVニューモデルのレビューの後編です。


後編で紹介するのは
LV-N312a 日産キャラバン キャンピングカー 1973年式 (白/水色)
LVN 日産GT-R50 byイタルデザイン (グレー) (濃緑)
LVN フェラーリ412 (白)
LVN 大都会01 日産キャラバン救急車 (渋谷病院)
の5品です。

 

 



高嶺の花のGT-R50 byイタルデザインとフェラーリ412。馴染みがある車種のキャラバンもその仕様に驚きが隠せない、ユニークなニューモデルたちです。

 

 


ひとつめはキャラバン。
トヨタのハイエースと対をなす日産のワンボックスワゴン/バン。トラックの派生車ではなくワンボックスタイプに特化した設計であることが特徴です。
多くの車種が統合または廃止に追い込まれている現在も5代目が現役のキャラバンですが、TLV化されたのは1973年にデビューした初代E20型の前期型でロングボディ標準ルーフ。
しかもノーマルなバンではなく、メーカー謹製のキャンピングカーと刑事ドラマ「大都会」シリーズの劇中車を題材にした救急車というのがTLVらしいと言えます。

 

 



驚愕リリースのE20型キャラバン。シャシーにNISSAN CARAVAN / HOMYと刻印されていて、今後のバリエーション展開を暗示しているようです

 

 


初出の車種なので完全新規製作ですがメーカーとしては過去にカーコレ80シリーズ、チョロQ zeroとQSで同型車をモデル化したこともあり、実車の特徴を的確に捉えた見事なプロポーションです。
またボンゴブローニイの時と同様、スライドドアとリアゲートの開閉が可能なダブルアクション付きになっています。
このボディを基に、キャンピングカーには寝台部分を納めるためにかさ上げされたルーフ、救急車には警光灯と換気扇、ステップ付きリアバンパーなどを装着した構成です。


内装についても、対面シートやシンクがついたキャンピングカー用とストレッチャー固定部や横向きシートが備わった救急車用が作られ、用途ごとに異なる特装部分が見比べられるのが楽しいです。


カラーリングはキャンピングカーが白と青のツートーンボディに白を基調にした内装、救急車が赤ストライプが入った白ボディに緑の内装。どちらも標準的なものと言えます。


まだ市場が成熟していない時期に登場したメーカー仕様のキャンピングカーをモデル化したのは絶賛に値するでしょうし、「大都会」の劇中車が純正の救急車だったことが功を奏して、キャラバン救急車のモデルとしても不満のないクオリティに仕上がった点も特筆案件です。

 

 


 

ルーフ上にクーラーユニットを設置した東京消防庁向け救急車と、実車カタログに掲載された救急車で側面にモールがないタイプ。こんなのも欲しいかも。

 

 


同じ路線でのバリエーション展開として、「自動車ガイドブック」でよく見た浅草武シートが手掛けた武キャンパーとか、ルーフ上のクーラーユニットと後面の点滅式警光灯が特徴の東京消防庁向け救急車とかもイケそうに思います。
いろいろなバリエーションが望める車種なので、今後の展開に期待大のモデルです。


ふたつめはGT-Rです。
イタリアンスピリットを身にまとった、GT-RではないGT-Rといった存在のGT-R50 byイタルデザイン。アクの強いスタイリングは賛否両論ですが、ミニカーの題材としてはうってつけのようです。
モデルのリリースは他ブランド品に先を越されたものの、各部の作り込みではTLVが断トツ優位に立っています。そんなGT-R50 byイタルデザインにニューカラーが登場です。

 

 



今まで出ていなかったのが不思議と言えるふたつのカラー。特に緑のモデルはブランドによって色調差が大きく、他社製品と見比べるのも楽しそうです。

 


過去品はテストカー仕様が白と薄緑の2種類出ましたが今回は市販車仕様になりました。カラーリング変更のみでディテール違いはありません。
ボディカラーはチョロQzeroで既出の、濃い緑にゴールドのストライプが入ったものと、グレーメタリックにカッパーのストライプが入ったものの2種類。ともに内装は黒です。


ストライプのデザインを含め単なる色違いの2モデルですが、グレーのモデルは細部がストライプと同色に仕上げられていて、見た目の印象が違って感じます。


ラストはフェラーリ。
365GT4をベースに作られたサルーン2+2の発展版として1985年にデビューしたのが412です。フェラーリの名から連想するスポーツカーのイメージとは趣を異にしながらも、V型12気筒エンジンを搭載するなどハイパフォーマンス性も失っていません。
青メタリックと黒の2種類のボディカラーが既にリリースされているTLVに、新たなカラーバリエーションが追加されました。

 

 

 

サルーン系が好きな自分にとって、412はまったくフェラーリらしさがない(イイ意味で)スタイリングで結構お気に入りの存在だったりしています。

 

 


今回のボディカラーは白で内装はベージュのシートを備えた黒。オーソドックスなサルーンのフォルムに似合うカラーリングです。
ボンネット開閉のアクションを含め、ディテールに変更はありません。


以前のレビュー時にも書きましたが、エンジンルーム、車室、トランクルームの各パートが伸びやかに形作られた、412の端正な3ボックススタイルは大きな魅力です。


最近はどの車種も側面から見ると、車室に比べてボンネットとトランクが極端に短く「走るバターロール」と形容したくなるものばかりに感じます。
懐古主義とか老害とか言われそうですが、見て乗って満足感を抱けるカッコイイボディデザインは昭和にあり、というジブンなのです。


TLVはさまざまな切り口でラインナップを広げるのが魅力ですが、キャラバンのような車種を取り上げるのはTLVこそが為せる技であることに間違いありません。
ましてありきたりではないタイプにスポットライトを当てるというのはなおさらです。


そのキャラバン救急車でスタートした「大都会」シリーズは、今後どのようなモデルが出るのでしょうか。多くの劇中車が後継の「西部警察」に移行したことから、既出品と重複せずにシリーズを充実させるのは殊の外難しいのではないかと思います。
記憶にあるのは、130型セドリックの反転式赤色灯を備えた覆面パトカーとか、同じく130型セドリックの散光式警光灯付きの白黒パトカーとか。

 

 


「大都会」の劇中車のうち、個人的に印象に残っている130型セドリック2態。これなら「西部警察」と差別化が図れること間違いなしです。

 

 

 

劇中車が特徴的な1970~1980年代の刑事ドラマで残されているのは「特別機動捜査隊」と「ゴリラ・警視庁捜査第8班」くらいでしょうか。

とは言え、後者は三菱車が主体である関係で、既存のTLVではギャランしか流用できるモデルがないんですよね…。

 

 

では今回はこの辺で…。