魔のゴールデンウィークが終わり、5月も中旬になりました。
何が魔なのかって、ジブンは職種柄シフト制の勤務なので、カレンダーに関係なく絶賛仕事モードでして…。
しかも勤務をしていても実務は閑散で、終業時刻まで消化試合状態というのは結構しんどかったりするのが本音です。


全社一斉休業というワケに行かない職種でもあり、勤務時間の流れの遅さを憂いながらのゴールデンウィークでした(盆休み後に同じこと言うんだろうな)。
さてさてTLVニューモデルレビュー、前後編の2部構成でございます。まずは前編です。


前編で紹介するのは
LV-42c,d 三菱デボネア 1964年式 (茶) (緑)
LV-N137c トヨタクレスタ スーパールーセント ツインカム24 1986年式 (ベージュ)
LV-N156c トヨタクレスタ エクシード 1985年式 (白)
LV-N194c 日産スカイライン 4ドアスポーツセダン GTS-t TypeM オプション装着車 1992年式 (黒)
LV-N194d 日産スカイライン 4ドアスポーツセダン GXi TypeX 1992年式 (白)
の6品です。

 

 



国内3メーカーのセダンが揃い踏み。現行車種をメインにしている昨今のトイミニカーでは実現不可能であろうラインナップです。

 

 


ではデボネアから。
三菱自動車が中型車市場に参入すべく、アメリカ人デザイナーのブレッツナー氏にボディデザインを依頼するなど、満を持して送り出した車種。
ところがセドリック、グロリア、クラウンが築き上げた牙城を崩すには至らず、晩年は22年のモデルサイクルを揶揄する「走るシーラカンス」論のみが独り歩きしました。
その初代デボネアは2007年に1964年式と1965年式がTLV化され、後に1964年式にバリエーションが追加されています。
今回は再び1964年式に新たなカラーバリエーションのリリースです。




1963年の東京モーターショーにコルトデボネアの名で出品され、その際に配布されたパンフレットにこんなカラーのデボネアが掲載されてました。

 

 

 

ディテールはナンバープレートが付けられた2011年版と同一となり、カラーリングはブロンズローズポリーと名付けられた茶メタリックボディにアイボリー/ブラウン内装と、セージポリーなる薄めの緑メタリックボディにブルー/グレー内装の2種類。
初期型特有の13インチホイールカバーに着色されたボディカラーも、いいアクセントになっていてGOODな色遣いだと言えます。


今回も1964年式のみのリリースで、初版で1965年式が出た以外には年式やグレードを変更した仕様はお目にかかっていません。
細かいディテール違いを明確に再現して複数の仕様を作り分けるという、TLVの特色を活かして中期型や後期型も作れそうですがね。
この点が実現しないのは生産工場の事情があるのかも知れませんが、なぜ他の車種で定番の手法がデボネアには取り入れられないのか疑問に思います。


次はクレスタです。
マークⅡ3兄弟の中で最後発だったクレスタは、マークⅡほどアダルトではなくチェイサーほどスポーティにも振らないキャラクターが、ユーザーに絶大な支持を受けました。
さらに日産ローレルと同様に、純粋なオーナーカー像を求めるためタクシー仕様を設定しないことも人気の要因でした。
その人気に火がついたのが2代目の#X7#型で、TLVでは前期型のGTツインターボとスーパールーセントツインカム24、後期型のスーパールーセントツインカム24が既出です。
今回リリースされたのは、後期型1986年式スーパールーセントツインカム24のカラーバリエーションモデルと、新仕様の前期型1985年式エクシードになります。

 

 



年式やグレードを明確に作り分けるのがTLVの信条。アオシマ製グラチャンコレクションの同型クレスタが改造車を口実に前後期混合なのとは対照的です。

 

 


過去品と同じグレードということもあり後期型スーパールーセントツインカム24は、ほとんどディテールに変化がありません。
最大の違いは実車でオプションの14インチアルミホイールを装着している点。TLV的には前期型スーパールーセントツインカム24に付いていたもので、後期型に初めて装着されました。
前期型エクシードは簡単に言うと、過去品の前期型スーパールーセントツインカム24にGTツインターボのホイールを装着した(またはGTツインターボにスーパールーセントツインカム24の内装を組み合わせた)成り立ちです。


ボディカラーはスーパールーセントツインカム24がベージュメタリック、スーパールーセントエクシードがスーパーホワイトⅡで、両車とも内装はブラウンですがそれぞれ色調が変えられています。
実車のエクシードには特別装備としてベージュのカラードアルミホイールが採用されていますが、こちらについてもしっかり再現されているのは、1/64スケールのミニカーの常識を凌駕していると言えるでしょう。


その昔、白ボディの上級車がもてはやされていた当時、白地に銀または金文字のホワイトエンブレム、黒地に金文字のゴールドエンブレムなどというものが出回っていました。
今やエンブレムで個性をアピールするなど考えられないですが、当時はトランクの片隅にさりげなくディテールアップするのがお洒落だったのです。
ジブンは「成金趣味」「ケバい」と否定的でしたが、今となっては懐かしのパーツとしても話題に挙がらないコレを思い出してしまうのは生粋の天の邪鬼かも知れません。


ラストはスカイライン。
1月にニスモ400R、3月にR33型スカイラインGT-Rと立て続けに登場したTLV。ただでさえ星の数ほどあるスカイライン系のミニカーのリリースは、他ブランドモデルを含めて正直お腹いっぱい…。
なのですが、まさにTLVは別腹と断言できる個性派モデルが出ました。リリースされたのはR32型スカイライン4ドアスポーツセダン、過去品のバリエーションモデルになります。
今回取り上げられたのは後期型GTS-t TypeM オプション装着車と、同じく後期型GXi TypeXの2種類です。

 

 



スポーティなGTS-t TypeMとベーシックなGXi TypeXの対比が楽しい2台のR32。メタリック感がなくソリッドの黒に見えてしまう塗装が玉にキズです。

 

 


どちらも初登場の仕様であるだけでなく、GTS-t TypeMには ディーラーオプションのエアロフォルムバンパーを装着したり、GXi TypeXには14インチフルホイールカバーを新たに作ったりと、過去品とは似て非なるモデルに仕上がっています。
ボディカラーはGTS-t TypeM オプション装着車が黒、GXi TypeXがクリスタルホワイト。内装は実車に即したグレーです。
ただしソリッドの黒色は実車では設定されていないカラーなので、ここは良心的にブラックパールメタリックと解釈する必要があります。



せっかくの後期型GTS-t TypeMなので標準バンパー仕様の方がよかったとか、GXiは独特なホイールカバーを装着する前期型の方が見映えするとかさらなる注文が出そうになりますが、過去品のパーツとコンバートして簡単に製品化できるのでその時を待つことにしましょう。


最後に最近の1/64スケールミニカーについて思うこと。
今回のクレスタとスカイラインに限らず、複数のタイプを作り分けその構成パーツを融通しあってバリエーションの幅をさらに拡げるというのは、他ブランドでは見られないTLVならではの強みと言えます。
そしてこのTLVの傾向を独自に発展させたのが、香港のBMクリエイションズではないかとジブンは考えるのです。


BMクリエイションズのモデルは同一車種で、左ハンドルと右ハンドル双方の製品が用意されています。
また近年のモデルではカスタムタイプのホイールやバンパーなどが付属し、コレクターの好みで交換できるのが新しい点です。
古くからのコレクターには、ミニカーはメーカー出荷時の状態(いわゆるミントコンディション)がベストだという概念が根強く、BMクリエイションズのような変幻自在に姿を変えることができるモデルはどう受け止められているのか気になります。


ちなみにジブンは日本車モデルの一部を購入していますが、基本的に国内仕様とディテールが変わらないものは右ハンドル、海外仕様のディテールになっているものは左ハンドルを選んでいます。
またTLVと並べて楽しみたいので付属のカスタムパーツへの換装はせず、ノーマル仕様のままでディスプレイするのがマイルールです。
いずれにしても趣向を凝らした1/64スケールホビーミニカーが続々出てきているのは嬉しいことであると同時に、ついこれら他ブランドモデルをつまみ食いした時の出費は激痛モノでして…。


では今回はこの辺で…。