このところ、日差しが暖かく感じる日があったと思えば雪が降る日があったりと、気候の変化が激しい関東地方です。
そんな中、漫画家の鳥山明さんと声優兼ミュージシャンのTARAKOさんの訃報を続けて知り驚きました。


ジブン的には「DRAGON BALL」より「Dr.スランプ」、楽曲よりまる子の声の方が印象に残っているお二方ですが、改めて時の流れを痛感しているところです。
メガネ女子推しのジブンが、アラレちゃんの人気振りに狂喜乱舞したのもウン十年前のいい思い出…。
そんなこんなではありますが、TLVニューモデルのレビューを前後編に分けてお届けします。


前編で紹介するのは
LV-N106e トヨタスープラ 3.0GTターボ 1986年式 (白)
LV-N106f トヨタスープラ 2.0ツインターボ 1988年式 (紺)
LV-N245g いすゞエルガ (小田急バス)
LV-N281c,d スバルインプレッサピュアスポーツワゴンWRX STi Ver.V 1998年式 (銀)(黒)
の5品です。

 

 



キャラクターはまったく異なるものの、ターボという共通点があるスープラ、エルガ、インプレッサ。TURBOは昭和男子にとって特別な存在でした。

 

 


まずはスープラから。
セリカに6気筒エンジンを搭載したXXを起源とする車種。1986年のフルモデルチェンジを機に、海外向けと同じスープラの名前になった#A7#型です。
TLVでは既に3.0GT、2.0GT、2.0GTツインターボをはじめ、パトロールカーやペースカー、「太陽にほえろ」の劇中車とバラエティに富んだモデルが出ていて、今回は久しぶりのバリエーションモデルのリリースになりました。
今回取り上げられたのは初登場の1986年式3.0GTターボと、ニューカラーの1988年式2.0GTツインターボの2種類。過去品と同じく前期型です。




モデルとしては同じものですが、細部の仕上げを変えることで、別のグレードに仕上げられたスープラ。TLVならではの本領がうかがえる商品企画です。

 

 

 

#A7#型スープラの前期型は、3.0GTターボリミテッド以外の3リッター車がフェンダーの張り出したワイドボディではなく、2リッター車と共通の標準ボディでした。
そのためTLVとしては2車種とも過去品のノーマル車とディテールは同じで、エンブレムなど細部を変えてグレードの違いを表しています。


カラーリングは3.0GTターボが白ボディに赤の内装、2.0GTツインターボが青ボディに青の内装。
それぞれ実車のスーパーホワイトⅡとブルーマイカに相当すると思われるボディカラーです。


現在でもトヨタのラインナップに存在するスープラですが、現行型はBMWとの共同開発車になりキャラクターがすっかり変わってしまいました。
20世紀の多種多様な国産各車のような、飛び抜けて速いわけでも低燃費なわけでもないのに、なぜかユーザーのアイデンティティを投影できる。現在ではそんな車種が皆無なのが残念です。


次はエルガ。
毎度お馴染み、膨大なバリエーションを誇るエルガ/ブルーリボンの新仕様が堂々リリースされました。今回は東京および神奈川エリアを走る小田急バスで、品番LV-N245のLEDヘッドライトを装着したタイプです。

 

 

 

ボディカラーの白は忠実と清潔を、赤は情熱と誠心を表し、赤の中にある3本の白線は情熱のうちに秘めた理性を意味しているのだそうです。

 

 

 

各部ディテールは、前後丸型ベンチレーター、左側給油口、リアナンバープレート中央、ラックなし内装のオーソドックスなものになっています。


カラーリングは、古くから使われている白と赤の小田急バスカラーのボディに青の内装。
かなり昔の小田急バスのボディサイドには犬のレリーフが取り付けられていましたが、いつの頃からかなくなってしまい現行型エルガにも付いていません。
そのため細部に目を瞑ればグループ会社の立川バスだけでなく、秋田県の羽後交通や北海道のてんてつバス(2社とも小田急グループではない)のTLVとも解釈できるのは嬉しい誤算です。


今回の小田急バスが出たことで、東京都内を運行する大手事業者の一般路線バスがすべてTLVのエルガ/ブルーリボンで揃いました。
あとは広島や愛知など既出の地域を充実させるのか、それとも今までミニカー化されたことのない事業者を取り上げるのか。実に興味深いところです。


続いてインプレッサです。
ステーションワゴンの一大ブームを巻き起こした、レガシィの弟分といえる車種。1.5リッタークラスのファミリーセダンでありながら、2リッターターボのハイスペックグレードも用意されました。
WRXはセダンだけでなくワゴンにも設定され、2022年にこちらがTLV化されたのは記憶に新しいところです。
今回リリースされたのは昨年出た、1998年式ピュアスポーツワゴンWRX STi Ver.Vのカラーバリエーションモデルになります。

 

 



インプレッサの定番カラーといえるシルバーとブラックをまとったTLV。特にシルバーボディのものは、ディテールや彩色が映えてリアルさ3割増しです。

 

 


追加されたのは実車のアークティックシルバーメタリックらしき銀ボディとブラックマイカと思しき黒ボディの2車種で、内装は両車ともショルダー部が赤いシートを装着した黒です。


一方TLV化が最も早かった1999年式についてはまだバリエーション展開が見られず、こちらの今後も期待したいところです。
ただし1999年式ワゴンのボディカラーで1998年式と重複していないのは、カシミヤイエローとグランブルーマイカの2色のみ。
しかも前者はTLVで既出、後者はSTiではないWRXに設定のボディカラーなので、モデル化についてはどうしたものかというところです。


さて、TLVが誕生した20年前はまさに1/64スケールホビーミニカーの黎明期でした。
それまで主流だった京商のCVNシリーズやコナミの絶版名車コレクション/CAR OF THE 80sなどを凌ぐ、TLVの精密なディテールと独自の商品展開に少なからず衝撃を受けたものです。
3車種6種類でスタートしたTLVも現在ではTLVシリーズが200、TLVネオシリーズが300を超える品番。特別シリーズなどの派生モデルを含めると膨大なラインナップになっています。


レギュラートミカが20周年を迎えた頃は、ミニカーコレクションの一般化と初期モデルの現存数の少なさに起因して絶版価格が高騰しました。
その点、今のところTLVで高額の絶版価格が付くモデルや入手が難しいモデルはそれほど多くはありません。


ということで今から過去のモデルを揃えることも、トミカ関連の書物に記された言葉を借りれば「今ならまだ間に合う」と言いましょうか。
もし最近のモデルを買ってみてTLVが気に入ったというのであれば、ぜひフルコレクションを視野に入れていただきたいです。
ミニカーとしてのバリエーションの楽しさはもちろん、実車のグレードや年式の作り分けが堪能できるモデルは他にはありませんからね。


では今回はこの辺で…。後編に続く(キートン山田氏風)。