今月はTLVが世に出てからちょうど20周年となる月です。
レギュラートミカ誕生以前の車種をモデル化するという触れ込みの、TLV第1弾モデルが店頭に並んだのは20年前の2004年1月。
製品を手に取って、レギュラートミカとは異なるクオリティに驚愕したことを思い出します。


そのラインナップにちょうどジブンがメインでコレクションしていた、セドリックとグロリアがあったので即購入。
少し遅れてどうせなら全種類揃えようと、クラウンも購入したのがTLVコレクションの始まりと言うか運の尽きと言うか…。
それ以来コレクションの対象を、車種別コレクションからTLV全般に路線変更して現在に至っています。
それではTLVニューモデルレビュー、後編です。


後編で紹介するのは
LV-N306a 日産セドリックバン 道路パトロールカー (黄)
LV-N307a 日産セドリックワゴン 東京無線タクシー (緑)
LV ランボルギーニミウラS (金)
LV-N フェラーリBB512i (黄)
の4品です。




今もって華やかかりし頃の千両役者ぶりが語り継がれている往年の人気車。日産セドリックワゴン/バン、ランボルギーニミウラS、フェラーリBB512i。

 

 

 

ひとつめはセドリックです。
メインの車型がモデルチェンジを受け新型に移行して行く中、頑なに継続生産されていたY30型セドリック/グロリアのワゴン/バン。風格があると映るか古臭く感じるかは人それぞれだと思いますが、根強い人気があったことは事実です。

 

 



ノーマル車もはたらく車もカスタム仕様もサマになるY30ワゴン/バン。次に出るのは消防指揮車か、それとも現金輸送車か。

 

 


過去品ではセドリックワゴンでノーマル仕様のSGLリミテッド、セドリックとグロリアのワゴンで社外ホイールを履いたカスタム仕様のGL、セドリックバンで陸上自衛隊業務車、グロリアバンでパトロールカーが出ました。
今回ははたらく車のニューフェイスとして、バンの道路パトロールカー仕様とワゴンのタクシー仕様が仲間入りです。


今回のTLVは2モデルともセドリックなので、フロントマスクやテールランプに違いはありません。
そのかわり(?)ホイールのデザインを変えて、1987年~1995年頃のタイプになっています。


道路パトロールカーはV型6気筒エンジン搭載のV20Eデラックスとし、規制情報を表示する標識装置をルーフ上に取り付けたもの。
この標識装置は可動できるようにしてあり、起立状態と格納状態を楽しめるのがポイントです。
欲を言えば、同社から出ているキーチェーン方向幕のように表示内容を変えられれば魅力倍増ですが、さすがにこれはスケール的に無理ですよね。


また前後バンパーについてなのですが、実車ではデラックス用バンパーのラバー部を赤/白に塗ったものと、スタンダード用バンパーのスチール部を赤/白に塗ったものがありました。
TLVでは後者を再現するためにバンパーパーツをわざわざ作ってあるのは、見落としがちながらもこだわりを感じる点です。


タクシー仕様はルーフ上に社名灯と「WAGON TAXI」表示灯のふたつを装着したうえ、こちらもグレードをV20Eデラックスに改めてあります。
標識装置を新規に作った道路パトロールカーに比べると、変化に乏しいのは仕方ないところです。


ただしワゴンタクシーの特徴である荷室内のスペアタイヤが再現されているのは見事の一言に尽きます。
これはワゴン/バンをLPG車に改造する際、燃料タンクを装着するにあたって行き場のなくなったスペアタイヤを移設したディテールなのです。


逆に気になったのは、荷室のサイドウィンドウ部に保護棒がタンポ印刷されているところですかね。
荷崩れによるウィンドウ破損防止のためバンに当時装着が義務付けられていたもので、ワゴンには装着されていませんでした。


カラーリングは道路パトロールカーが黄色に白ストライプボディに茶色の内装、タクシーが緑の東京無線カラーボディに青内装です。
両モデルとも特定の事業者名は入っていませんが、逆にこの装いが工場から販売店に陸送されたままのスッピンの姿とも受け取れます。


ふたつめはミウラ。
P400、S、SVと、実車の進化に沿った各タイプが出ているTLVのミウラのうち、Sのカラーバリエーションが出ました。
ディテール変更のない純粋な色違いモデルです。

 

 



大きく開く前後のカウルがスーパーカー少年を驚愕させたミウラ。その開閉アクションを採用したTLVは元スーパーカー少年たちのものに違いありません。

 

 


今回のモデルは金色のボディに黒の内装を組み合わせています。
前回出たP400の明るい赤にロッカーパネルが金色というボディカラーがケバケバしい印象を受けたのに対し、今回のSは彩度をいくぶん落とした色調のためかキツく感じることはありません。


スーパーカーブーム全盛期の少年達には、車種ごとの細かいタイプ違いを熟知している者、車種名だけで区別している者(ジブンはこれでした)、スーパーカーにまったく興味がない者、の3タイプがいました。


21世紀になって改めて各タイプのディテール違いを認識することができたのは、間違いなくTLVのおかげです。
もし小学生時代のクラス会があったら「ミウラSVはここがこうなってるのがP400との違いなんだぜ~」なんて自慢できるワケですが、さて何人の元クラスメイトが同調してくれるのか。


みっつめはBBです。
輸入車に疎い人はトヨタのbBを思い浮かべるかも知れませんが、ここで紹介するのはブラックボックス(bB)ではなくベルリネッタボクサー(BB)の方です。
365GT4BB、BB512、512BBiの3タイプが既出のTLVですが、512BBiの新たなバリエーションが追加されました。

 



ベルリネッタの名称をベルリーナと混同して認識していた小学生の頃のジブン。そのせいで今でもBBと聞くとダイハツコンパーノを連想してしまいます。

 

 


過去品からの変更はカラーリングのみで、ディテール違いはありません。
黄色のボディに黒の内装で、単色のボディカラーがBBiが持つ1980年代らしさを際立たせています。


ランボルギーニカウンタックにも言えることですがTLVではスーパーカーブーム時に見慣れていた定番のタイプだけでなく、ブームが過ぎ少年達がスーパーカーから離れた後に誕生した、25thアニバーサリーや512BBiといったタイプまでリリースしてくれているのはありがたいです。
新旧の対比を楽しんだり、時代の流れを実感したりできますからね。


冒頭にも書いた通り、今月TLVは誕生20周年を迎えました。
ところがそれを記念した特別モデルの販売とか、キャンペーンの類いに関する告知は今のところありません。


せめてものアニバーサリー企画というワケではないのでしょうが、今月のニューモデルからパッケージのデザインが変わりました。
これまで共通だったのがそれぞれのパッケージデザインになり、TLVがオレンジ系、TLVネオがブルー系の彩色が入れられています。


同時ににレギュラートミカで以前使われていた「tomica」ロゴがパッケージ表面に入るなど、トミカプレミアム同様にメインターゲットになるユーザー層を、より明確にしたと思われます。
そう言えばレギュラートミカも誕生14年目に、旧来の黒いパッケージから現在も使われている通称赤箱に変わったんでしたっけ。


現在では国内外でTLVと同じコンセプトのミニカーが増えていることからも、20年前にTLVが示した方向性に間違いがなかったことは明らかです。
今後とも、ジブン達コレクターを大いに楽しませてくれるモデルのリリースに期待しています。
では今回はこの辺で…。