猛暑続きの日々がやっと落ち着きを見せ始め、夜もエアコンを付けずに寝られるようになって来たこの頃です。
そうなると曼珠沙華とキンモクセイが見られるのが楽しみ、なのですが…。
通年であれば近所の土手で見られる曼珠沙華が、護岸工事の影響でざっくり掘り返されてしまいその姿はありません。


それならばと、見頃を迎えたと聞いた埼玉県日高市にある巾着田に出向き、一面を赤く彩る曼珠沙華を堪能して来ました。
その後は高麗神社に立ち寄ったりしましたが、周辺道路の渋滞を避けて電車と徒歩での移動で実に健康的な一日でした。
さてTLVニューモデルのレビューです。


今回紹介するのは
LV-N226c ホンダNSX 1990年式 (黒)
LV-N295a 日産セドリック 4ドアHT Fタイプ 2000SGL-Eエクストラ 1978年式 (カッパーブラウン)
LV-N296a 日産グロリア 4ドアHT Fタイプ 2800ブロアム 1978年式 (黒)
LV-N298a 日野プロフィア トラクタヘッド (緑)
LV-N299a,b トヨタマークⅡ 2.5ツアラーV 1998年式 (白)(濃緑/グレー)
LV-N ランボルギーニカウンタック 25thアニバーサリー (黒)
ジオコレ64 #カースナップ21a カフェテラス
の8品です。

 

 



新規モデルあり、バリエーション品あり、セット物ありと、バラエティに富んだニューモデルあれこれ。パッケージを開封する瞬間が楽しみです。

 

 


ではNSXから。
日本の乗用車中で最高峰のパフォーマンスを携えてデビューした、ホンダのミッドシップ2シーター車。その初代をモデル化したTLVに新バリエーションが追加されました。
これまでシートやマフラーカッターの形状を変えて複数の年式とタイプを出して来ましたが、今回は1990年式と1997年式の2種類。
両モデルともグレード名が付かない最も標準的なタイプで、1997年式の標準グレードは初登場です。

 

 



他ブランドではまず再現しないであろうボディカラーを見せてくれるのがTLV流。エストリルターコイズパールもそのひとつだと言えます。

 


通常品としてリリースされたのは1990年式で、カラーリング以外は既出の同年式同グレードと変わりありません。
片やカースナップ同梱品は1997年式となり、ディテールは過去品のパトロールカー仕様をノーマル化した構成です。
毎度お馴染みではありますが、アルミホイールのデザインで年式の違いを識別できる点にTLVの考証の正確さを実感します。


カラーリングは1990年式が実車のベルリナブラックに相当するソリッドの黒ボディ白白の内装、1997年式がエストリルターコイズパールと思しき青に黒ルーフのボディに黒の内装です。


外装の特徴別にTLV化されていない初代NSXを挙げると、固定式ヘッドライトを持つ後期型とそのホモロゲーションモデルのタイプR GTでしょうか。
このふたつのTLVも見たいと思う反面、前期型に特化して細かい年式やタイプを追求する姿勢も失くさないで欲しいとも思います。


次はセドリック/グロリアです。
1975年に登場した330型セドリック/グロリアは、大胆な抑揚を描いたボディラインが特徴でした。
TLVの330型セドリック/グロリアは、#S5#型クラウンと並んで3種類のボディタイプがラインナップされている厚待遇振りです。
今回のモデルは4ドアハードトップで、後期型の最高級車2800ブロアムとその外内装を取り入れた2000SGL-Eエクストラになります。

 

 



実車では後発組のエクストラとブロアム。リアウィンドウに入れられた「53年度排出ガス適合車」の文字が最後期の332型であることを表しています。

 

 


セドリックがエクストラ、グロリアがブロアムとなり、過去品の2ドアハードトップのフロントマスクと新規に作ったテール周りのパーツを組み合わせています。
TLVの常で、セドリック/グロリア、前期/後期、5ナンバー/3ナンバー、ハードトップ/セダンといったディテールの混同もなくも正確です。


細かいところまでツボを押さえた仕上がりですが、過去品の内装パーツを流用したために実車で特徴のボタン締めルースクッションシートが再現されていないのはちょっと…。


カラーリングは、セドリックがカタログカラーのカッパーブラウンメタリックボディにベージュ内装、グロリアが4ドアハードトップではあまり見かけなかった黒のボディにグレーの内装という実車同様のもの。


330型セドリック/グロリアが新車だった頃、ジブンが小学生の頃のことです。
大人気のスーパーカーだけでなくあらゆる車種に詳しい自動車好きの同級生がいました。


彼はひとつの車種の中にあるグレードという、ジブンには未知の知識を持った人物でした。
ある日たまたま330型セドリック/グロリア(当時は型式など知らず、ミニカーと同じくニューセドリックと呼んでいた)の話題になった折に、ニューセドリックの中でどれが好きか尋ねられたのです。


グレードの概念がないジブンはミニカーの知識をもとに「2800SGLかな」と答えたのですが、彼はそれに対し「オレはエクストラだな。だってブロアムとほとんど同じでブロアムより安いんだもん」と。
車種はおろかグレードまで熟知している彼がオトナに見えた瞬間なのでした。


続いてプロフィア。
先月、驚愕のクオリティと価格でリリースされた日野プロフィアの海上コンテナトレーラーですが、早くもトラクタが単品で登場しました。
ディテール変更のないカラーバリエーションモデルです。

 

 



プラ製の部分が多く手に持った時の重量感が乏しいのが残念。とは言えプラならではの緻密なディテールが効を奏し、重量感たっぷりな写真写りです。

 

 


今回のカラーリングは緑メタリックに白のストライプを配したキャビンに赤いシャシー。
前回黒だった同梱のサイドミラーパーツがメッキタイプになりました。


TLVではすっかり定番になったトラクターの単品モデル、海上コンテナトレーラーだけでなく過去品のカートランスポーター、パネルバンなどを連結して、最近のトレーラーの姿を楽しめるのが魅力です。


幼少の頃持っていたトレーラーのミニカーは、煩雑に扱っているうちにトラクターとトレーラーのどちらかを失くしてしまったり、製品状態の組み合わせがわからなくなってしまうことがよくありました。
とりあえず手近にあるトラクターとトレーラーを繋げると、そのカラーリングの組み合わせに新鮮さを抱いたり…。
そんなことを思い出させるTLVです。


まだまだ続きます。マークⅡです。
コロナの派生車種として誕生し、代を追うごとにクラウンに迫るハイオーナーカーに成長したマークⅡ。その後年の世代である#X10#型がTLV化されました。
1998年式の後期型で、グレードは2.5リッターのツアラーVです。

 

 



チェイサーだけでは飽き足らずにマークⅡまでモデル化してしまったTLV。意味不明な執着心には思わずため息がこぼれてしまいます(褒め言葉)。

 

 


過去に同世代のチェイサーを出していることもあり、無理なくミスなく破綻なくのプロポーション。
マークⅡ独自のデザインを持つ、フロントおよびリア周りのディテールもシャープな出来映えです。


過去品のチェイサーと並べて意地悪目線で見比べてみても、実車で共通のドアパネルのプレスやクォーターピラーの傾斜といった部分もまったく同じ造形になっています。
ここに違いがあると、同じ形状を同じ縮尺でモデル化していながら違っているのは何故?ということになってしまいますからね。


ボディカラーはお決まりのスーパーホワイトⅡ、そして緑とグレーのフォレストナイトトーニングの2種類で、両車とも黒の内装です。


既出の#X7#型ではマークⅡとクレスタ、#X8#型はマークⅡのみ、#X10#型ではマークⅡとチェイサーと、3兄弟すべてが揃う世代はありません。
早くもグレード違いとしてグランデが出ることが告知されていますが、同世代3兄弟勢揃いというのも叶えて欲しいところです。


ラストはカウンタック。
今も昔もフェラーリと対をなしている自動車メーカーと言えばランボルギーニが真っ先に挙げられます。
それはTLVでも同様で両メーカーの複数モデルが、品番を持たない特別シリーズとしてラインナップされているのは周知の通りです。

その中で初期のLP400と末期の25thアニバーサリーの2タイプがモデル化されているカウンタックですが、今回は25thアニバーサリーの新しいカラーバリエーションが登場しました。LP400と並んで3色目のバリエーションモデルです。
 

 



トイミニカーのように架空のボディカラーに走らないのがTLVの良いところ。フトコロの負担も何のその、やっぱり購入してしまいます。


変更点はカラーリングのみで、ディテールやアクションは赤ボディ、白ボディの過去品と変わりありません。
今回は黒のボディにタンの内装という、プレミアムカーらしいカラーリングです。

 

 



LP○○の呼称はカウンタック以外にこんなところにもありました。桃屋のCMのワンシーンでは、壁に謎の名車「LP300 SUPER」のポスターが…。

 

 


実車のランボルギーニに触れる機会がないジブンにとってカウンタックは、スーパーカーブーム終焉とともに過去のものという認識でした。
ところがブームから10年近く経った頃、まだ生産が続いていることを知り、決して過去の栄光ではないのだと実感した覚えがあります。


今月もニッチなバリエーション展開であれやこれや楽しませてくれたTLV。
旧来のミニカーの常識だった「あのカラーだったらよかったのに」「あのグレードが欲しかったのに」というコレクターの欲求不満を見事に打破してくれました。
これならお気に入りのカラーや愛車と同じグレードを選んで購入でき、これまでミニカーに縁のなかったユーザー層の獲得にも繋がっているようです。


ただ車種によってバリエーションの充実度に差があるのも事実で、この点については「あの仕様が欲しい」の声が聞こえるのも否めないのではないかと思います。
例えば、ルーチェレガートとC33型ローレルで既出ながら#X7#型クレスタやR32型スカイラインでは展開されていない教習車仕様、同メーカーの他シリーズではモデル化されている#S5#型クラウンピックアップ、430型セドリックスタンダードといったボディタイプ違いやグレード違いですかね。
ジブンを含め、これらのTLV化を妄想しているコレクターが少なからずいるのではないでしょうか。
では今回はこの辺で…。