5月です。毎年のことですがカレンダーに無関係な職種のジブンは、ゴールデンウィークも通常と変わらない日々でした。
ただし今年はゴールデンウィークの混雑期を避けて休みを取って、妻と旅行に行って来ました。
行き先は北海道の知床。4泊5日の日程で知床半島各地を巡ったりご当地の料理を味わったりと、久しぶりに非日常を満喫できましたよ。
旅行に行くのはGo Toトラベルキャンペーンが実施されていた時に1泊2日で箱根に行った以来です。
そんなワケで旅行とTLV発売日が重なってしまい、今月はモデルを手にするのが遅れてしまいました。
ニューモデルが多い月はレビューを前後編に分けたいところですが、今月は発売日が一週間遅かったこともあり全品を一気に紹介しようと思います。
今回紹介するのは
LV-199c ホンダS600 オープントップ (黒)
LV-199d ホンダSM600 オープントップ (メタリックブルー)
LV-N59c,d トヨタカリーナ 1600GT-R 1984年式 (赤)(グレー)
LV-N281a,b スバルインプレッサピュアスポーツワゴン WRX STiバージョンV 1998年式 (白)(グレー)
LV-N282a 日産スカイライン4ドアHT GTパサージュツインカム24V 1986年式 (白/ベージュ)
LV-N282b 日産スカイライン4ドアHT GTSツインカム24V 1986年式 (黒/銀)
LV-N あぶない刑事Vol.10 日産スカイライン 4ドアHT GTパサージュツインカム24V (港305号)
LV-N 日産GT-R50 byイタルデザイン テストカー (薄緑)
の10品です。
今月リリースされたのは10品。しかもオール乗用車という、シリーズ誕生当時を思い出させるTLVたちです。
まずひとつめはS600。
言わずと知れた往年のホンダ製ライトウェイトスポーツカーで、オープンタイプとクーペ仕様が用意されていました。
TLVでも後継車種のS800とともにその両方が既出ですが、今回新仕様のリリースです。
赤、白、黄が見慣れたホンダSの中で記憶の彼方に追いやられてしまった感が強い、スモークブラックとアルペンブルーのボディカラーは新鮮に映ります。
今回リリースされたのはオープンタイプ。製品名をオープントップと称する、屋根を開放した状態でフロントウィンドウ上部に整流板が付いたタイプです。過去品と同じS600に加えて、SM600が取り上げられたのも注目すべきポイントでしょう。
SM600は標準車のS600にオプションのラジオやヒーターなどの上級装備を追加したものなので、TLV的には実質S600のカラーバリエーションということになります。
カラーリングはS600が全塗装を思わせながら実は希少な純正色のスモークブラックのボディに赤の内装、SM600がアルペンブルーメタリックと呼ばれる緑がかった青メタリックのボディに黒の内装です。
TLVのS600はリアパネルにオプション装備品の後退灯がモールドされていて、標準装備のSM600との差別化が薄らいでしまっています。
S600が後退灯なし、SM600がありと作り分けてくれれば魅力3割増しだったのですが…。
今後、この点を踏まえてS500もぜひTLV化を望みます。
ふたつめはカリーナです。
基本コンポーネンツをセリカと共有し「足のいいやつ」のキャッチコピーが有名なスポーティサルーン。
2011年にTLV化された4代目#A6#型に、久しぶりの新バリエーションが展開されました。
過去品では通常品で後期型1600GT-Rと前期型1500SGロードランナーⅡ、日本車の時代シリーズの「1980年代のターボ車4MODELS」セットで前期型1600GT-Rが出ていますが、今回のモデルは後期型1600GT-R。ディテールの変更のないカラーバリエーションモデルです。
#T14#型コロナや#A6#型セリカと共通のアルミホイールが特徴的な#A6#型カリーナ1600GT-R。1980年代のトヨタ車を象徴するルックスです。
ボディカラーは赤と濃いめのグレーメタリックの2種類。
赤のモデルは日本車の時代シリーズのセット品と同系色ながらも、バンパーのカラード化とアルミホイールの変更によって、前期型とはまったく異なる装いに仕上がっています。
13年振りのバリエーション追加が嬉しいモデルではあったものの、TLVのカリーナはフロントグリル周りのディテールが実車と印象が異なるのが惜しまれます。
車幅方向が幾分寸詰まりなのか、N12型リベルタビラに見えなくもないんですよね。
みっつめはインプレッサ。
三菱のランサーと並んでモータースポーツを席巻し、国内外に多くの愛好家を持つ人気車です。
昨年ワゴンタイプがTLV化されその車種選択に驚かされましたが、早くもバリエーションモデルがリリースになりました。
前回は1999年式のWRX STiバージョンⅥリミテッドとWRX STiバージョンⅥの2本立てでしたが、今回は1998年式でグレードはWRX STiバージョンVです。
年式が異なるということで、新たにアルミホイールが起こされている以外は過去品とディテールは変わりありません。
スポーティなイメージのピュアホワイトとちょっとラグジュアリーなクールグレーメタリック。どちらもインプレッサの端正なデザインに似合っています。
ボディカラーは実車で言うピュアホワイトとクールグレーメタリックの2種類で、ショルダー部が赤いシートを付けた黒い内装が組み合わされています。
青メタリックが定番過ぎるせいかちょっと陰に隠れたように思えるカラーですが、なかなかどうして端正なスタイルを引き立てているのではないでしょうか。
人気の高い車種だけあって、初代インプレッサの1/64スケールミニカーは多くのブランドからリリースされています。
ジブンはTLVのワゴンと並べてみたくて、BMクリエイションズの2ドアWRXタイプRを購入しちゃいました。
4ドアセダンも揃えたいところですが、こちらは初期の年式のモデルしかないなのでどうしようかと思案中…。
余談ですが、BMクリエイションズのタイプRはボディカラーがドルフィングレーと表記されています。
ところがこの年式にドルフィングレーの設定はないので、クールグレーと解釈するのが正解でしょう。
よっつめはスカイラインです。
国内の新旧ミニカーブランドのシリーズ中、必ずと言っていいほどラインナップされて来たスカイライン。
TLVでもあらゆる世代が出ていますが、何故かポツンと空白になっていた7thスカイラインこと7代目R31型がやっと登場しました。
モデル化されたのは他ブランドミニカーに見られる2ドアスポーツクーペではなく、歴代スカイラインで唯一の4ドアハードトップなのがTLVらしいところです。
誕生当初は4ドアハードトップの登場と2ドア車の不在で不評過多だったR31型スカイライン。今となってはむしろ好きなスカイラインだったりします。
モデルは金型を完全新規に作った上に、前期型と後期型の両方をリリースさせる好待遇振り。
見逃されそうなボンネットのプレスもしっかり作り分けられています。
通常品が前期型のGTパサージュツインカム24VとGTSツインカム24V、あぶない刑事シリーズが後期型GTパサージュツインカム24Vになっていて、それぞれホイールの形状も変える念の入りようです。
この作り込みは内装にも及んでいて、前期型のGTパサージュツインカム24Vにはニュークラシックセレクション内装のボタン締めシートが再現されています。
実車ではそのスカイラインらしからぬ高級サルーンゆずりのシートは不評でしたが、これが再現されたTLVはスカイラインにも当時流行のハイソカーに寄った時代があったことを示す生き証人にもなり得そうです。
カラーリングは前期型GTパサージュが白とベージュのホワイトトーニングツートンボディに赤の内装、GTSが黒とシルバーのブラックトーニングツートンボディにグレーの内装。後期型GTパサージュは劇中車を再現したダークグレーメタリックのボディにグレーの内装のコンビネーションです。
1/64スケールミニカーでR31型スカイラインの4ドアハードトップというと、アオシマの「1/64あぶない刑事コレクション」シリーズの港305号がありました。
今回のTLVとまったく同じ題材ですが、アオシマのモデルは目新しさや意外性を狙ったのではなく、劇中車に合わせた結果たまたま4ドアハードトップになったワケなんですよね。
そのため後期型のみのリリースに留まり、前期型はTLVが初であり唯一の存在です。
今後のバリエーション展開として、おそらく「特捜最前線」の劇中車も視野に入れているでしょうし、角型テールランプが魅力の1800エクセルなんかも出たら面白いかと。
そしてラストはGT-R。
4月に出たGT-Rイタルデザインのカラーバリエーションモデルです。今回は白ボディのものと並んで知名度のある薄緑のテストカーになります。
奇しくもホンダSM600と同時リリースになった青緑色のTLV。ぶつけたら補修で同じ色が出せるのか?と思ってしまうジブンは確実に庶民です。
ディテールの変更はなく、わずかにナンバープレートが黒い無地のパネルで、ナンバープレート取り付け部のベースを表現している点程度です。
過去品に見られた可動アクション付きのリアスポイラーも変更ありません。
ボディカラーは先述した通りの薄い緑にリア上面とバンパーが黒。緑とも青ともつかない絶妙な加減の色味が実車のイメージそのものです。
とは言ってもジブンは実車を見たことがないので、写真から受けた印象と相違ないというレベルなのですが…。
GT-R50 byイタルデザインは完全オーダーメイドで生産されるということで、日本やイギリスなどの左側通行国向けに右ハンドル車も存在するようです。
市販車仕様が出る際にはそんな違いも楽しめると、同型車のミニカーの中での存在意義も高まると思います。
さて。従来小スケールミニカーは、コレクター自身が決めた守備範囲をフルコンプリートするまでの過程を楽しむのが定説とされていました。
これはスケール的にディテールの省略やデフォルメの制約が多く、他スケールミニカーのように個々のモデルの再現度やリアルさを鑑賞するのには向かないことによります。
レギュラートミカにおいてもディテールの省略だけでなく、細かい違いには目をつぶった他グレード仕様やハードトップのパトロールカーなど、スカイライン、クラウンといった車名が最大公約数的に解釈されるのが常習でした。
その点TLVは前期と後期、標準車と特別仕様車といった緻密なバリエーションを正確なディテールで展開してくれ、言うなれば最小公倍数的発想なのではないかと思います。
そんなところが理由のひとつとして、TLVから離れられないジブンなんですよね。
では今回はこの辺で…。