2月です。季節の行事である節分に歳の数の恵方巻を食べる(←んなワケない)こともなく、バレンタインデーに会社の女子からチョコレートをもらうこともなく、何も変わらない日常を過ごしています。


それよりもいろいろな生活物資の価格高騰の方が気にることが多いんですよね。
ビールのアテに買うコンビニのホットスナック類が20~30円値上げされているのが、地味にショックだったりするのです。
まあ今までの価格破壊が異常であって現状が適正価格なのだとポジティブに考えるのが、精神衛生上クリーンでいられる秘訣かも知れません。
ではTLVニューモデルのレビューに参りましょう。


今回紹介するのは
LV-N234c ユニシアジェックススカイライン (93年仕様)
LV-N279a トヨタランドクルーザー60 Gパッケージ (白)
LV-N279b トヨタランドクルーザー60 スタンダード グレードアップバン仕様 (赤)
LV-N荻窪魂Vol.10 日産スカイライン 2000GT-E Lタイプ エクストラ仕様 (茶)
LV-N西部警察Vol.25 日産スカイライン 2000GT パトロールカー
の5品です。

 

 



今月は3車種5点と、最近にしては少なめのニューモデルリリース。フトコロに優しいのはありがたい限りです。

 

 


ひとつめはユニシアジェックススカイラインです。
グループA仕様のR32型スカイラインGT-Rで、通常品のカルソニック、日産オンラインショップ限定品のタイサンに続く新仕様がリリースされました。

 

 



レギュラートミカ40番で見慣れた装いのユニシアジェックススカイライン。まさにトミカの流れを継承したTLVと言うことができそうです。

 

 


ホイールを変え、ボディを白と朱赤のユニシアジェックスカラーにしたことで、カルソニックともタイサンとも違った雰囲気に仕上がっています。
レギュラートミカでも出ていたカラーリングのため見慣れたミニカーにも思えますが、モデル名に93年仕様と謳われていることから今後別の参戦年仕様も出るのかも知れません。


グループAレースで連戦連勝だったR32型スカイラインですから、実に多彩なカラーリングの参戦車両が思い出されます。
TLV化されたものの他にもリーボックやAXIAなどが思い浮かびますが、これらのカラーリングのTLVも望みたいところです。


ふたつめはランドクルーザー。
過去品は左ハンドルの北米仕様でリリースされましたが、今回は馴染みのあるごく普通の国内仕様です。
タイプは初期のスタンダードグレードのGパッケージ装着車と、1984年の一部変更後のスタンダードでグレードアップバン仕様の2種類になります。

 

 



他ブランドモデルで見逃されている、リアバンパーのステップ有無まで作り分けられたTLVのランドクルーザー。その考証力はさすがのひとことです。

 

 


過去品からの変更点は、フロントマスクを後期型の角型4灯ヘッドライトタイプから前中期型の丸型2灯ヘッドライトに変えたこと、上下開きのリアゲートを観音開きにしたこと、ホイールをシンプルな小径タイプにしたことです。
国内仕様ですから、ダッシュボードを右ハンドル仕様に改めてあるのは言うまでもありません。


ボディカラーはGパッケージが白、グレードアップバン仕様が赤で、両モデルともブラウンの内装が組み合わされています。
またGパッケージの装備品であるメッキバンパー&グリルとホワイトディスクホイール、グレードアップバン仕様の装備品のメッキバンパー&グリルまで再現するほどのイヤらしさ全開です。


そんな2台のTLVを並べると、単なるカラーバリエーションモデルに思えるかも知れません。
特にホイールについてはミニカー的にカラーを変えていると解釈しそうですが、これはグレードアップバン仕様の装備内容にホワイトディスクホイールが含まれていないという事実に則って、標準色のグレーになっているワケなのです。


今回のランドクルーザーに限らずTLVの複数グレード展開では、徹底的に実車の考証を行っているようです。
それが奏功し「全体的には当該車種に間違いないのだがグレードの特定ができない」という、ミニカーにありがちな曖昧さは見られません。


具体的かつ詳細なタイプが付されるモデル名からも、企画担当者氏のTLVに対する真摯な姿勢が窺われます。
ただひとつ思うのは、今回のランドクルーザーの「グレードアップバン仕様」と過去品セドリック/グロリアワゴンの「カスタム仕様」のうち、どちらが実車メーカーの公式呼称でどちらがTLVのみの通称名なのか、瞬時に区別できるコレクターはどれくらいいるのだろうかということです。


最後はスカイライン2000GTです。
ケンメリの名で親しまれた4代目のC110型で、昨年ミニカーとしては少数派の4ドアセダンがTLV化されました。
今回は荻窪魂シリーズで1975年のマイナーチェンジ後の後期型と、西部警察シリーズで劇中車のパトロールカー仕様のリリースです。

 

 



ありそうでなかったC110型スカイラインの新たなふたつのバリエーション。そもそも4ドアセダンのミニカーというのが珍しい存在です。

 

 


後期型はフロントグリルとリアフィニッシャーの意匠を改めた他、ホイールを純正アルミに変更。
カラーリングはカッパーメタリックのボディにブラウンの内装で、これはエクストラ仕様のカタログカラーでもあります。
パトロールカー仕様はルーフ上に警光灯とスピーカー、足元には社外アルミホイールという西部警察のお決まりの姿。
本物のパトロールカーにも存在した車種なので、目を細めて見れば違和感はなさそうな佇まいです。


1970年代のミニカーは、モデル化した車種がマイナーチェンジをしても対応しないのがほとんどでした。
C110型スカイラインにおいてはレギュラートミカとダイヤペットの2大ブランドとも、フロントグリルはGTのままボディをGT-R風のオーバーフェンダー付きに改修という、安直で俗っぽい変化に目が点になったものです。
結局後期型のミニカーは平成になってからリリースされた、1/43スケールのアドバンスピリットの2ドアハードトップとTLVのバンのみなので、今回のモデルはある意味とても存在意義があると言えます。


パトロールカーについてもミニカーでは2ドアハードトップ偏重だったこともあり、正しいディテールのモデルは皆無なのが現状です。
4気筒車用のフロントグリルを装着した正調パトロールカーが出ることをひそかに期待しています。
そうそう、西部警察の地方ロケの回に出てきた改造車上がりと思しき、角型2灯ヘッドライトのC110型スカイラインパトロールカー。これもTLV化されたら面白いですよね。


今月リリースされたスカイラインとランドクルーザー。奇しくも60年以上の歴史を持つ車種が並びました。
現在では国内外で人気のランドクルーザーに対し、スカイラインは辛うじてラインナップに加わっているという感じが残念でなりません。


車種ごとのキャラクターが明確で愛車にすることにステータスを抱けたのも、遠い昭和の自家用車観なのでしょうね。
そんな時代に生まれ育ったジブン達オジサン世代にとっては、TLVこそミニカーコレクションの主役だと思えてしまうのです。
では今回はこの辺で…。