はい、1年の締めくくりの12月です。毎年のことながら、年賀状作成やら部屋に散在しているTLVの収納やら、やるべきことがてんこ盛りのまま新年は目前に迫っています。


TLV収納場所確保のために未製作のプラモデルを仕上げるという計画も、今ひとつ進捗度が上がっていません。
まあ、あれも作ろうこれも作ろうと妄想が膨らみ、新たに買ってしまうのがいけないのですが。
それではTLVニューモデルのレビューです。


今回紹介するのは
LV-27c スバルサンバー ライトバン (ブリヂストン)
LV-201a スバルサンバー ライトバン ホットドッグ屋 (黄/黒) フィギュア付き
LV-N228c ホンダNSX タイプS 1997年式 (青)
LV-N235c,d 日産180SX タイプⅡ スペシャルセレクション装着車 1991年式(イエロイッシュシルバー) (紺)
LV-N247b ホンダNSX タイプR 1995年式 (白)
LV-N275a,b ランチアテーマ 8.32 フェーズⅡ (グレー) (紺)
LV-N トミカスカイライン スーパーシルエット (1982年仕様)
の9品です。

 

 



今月は大きめのパッケージのモデルが多く大きな梱包で届きました。もちろん妻の勤務日を指定してこっそりと受け取ることが必須です。

 

 

 

それではサンバーから。
リアエンジンリアドライブの駆動方式と卓越した動力性能から、農道のポルシェの異名を持つスバルの軽トラック/ワンボックス。現在ではダイハツハイゼットのOEM車になってしまいましたが、サンバーの名は消えることなく存在し続けています。
今回リリースされたのは初代のバンタイプで、2006年に出たモデルの仕様替え品となります。

 

 



比較的TLV初期にリリースされた製品のサンバーバン。忘れかけていたモデルが新しい装いで再登場してくれるのは嬉しいことです。

 

 

 

今回のモデルはブリヂストンのコーポレートカラーと、ホットドッグの移動販売車仕様の2種類。
このうちブリヂストンカラーのものは過去品のカラーバリエーションに留まりますが、ホットドッグ屋仕様はルーフ上に大きな看板が設置されたり、他にも車内に物品販売に関する機材を搭載するなど、変化に富んだバリエーションです。


このTLVのサンバーが初めて登場したのは、今から約17年前でした。改めてモデルを見ると正直なところ、2022年的TLV目線では何だか遠い昔の製品に映ってしまいます。
フロントドアに付く三角窓のサッシの表現やボディとサイドウィンドウの段差といった細部の仕上げが近年のモデルとは異なっていて、TLVのクオリティの進歩を実感せずにはいられません。
当時はこれでも出色の出来に思えたものですが、知らぬ間にクオリティアップしたTLVに慣れてしまっているのですね。


ふたつめはNSX。
こちらも過去品のバリエーションモデルで、1997年式のタイプSと1995年式のタイプRの2種類です。
細部のディテールは、前者が既出のタイプS-Zeroと、後者がタイプRと同様なのでボディカラーのみの変更となります。

 

 



鮮やかなボディカラーが映えるNSX。1990年代には高価格車にもこのようなカラーが用意されることが珍しくはありませんでした。懐かしいです。

 

 

 

今回のボディカラーは、タイプSが実車のポールリカールブルー(フェニックスブルーとも呼称されるようです)を模した明るいソリッドの青。
この色は、過去品のタイプS-Zeroで再現されたライムグリーンメタリックおよびニューエモラオレンジともどもカスタムオーダー色で、同時にホビーミニカーではなかなか取り上げられないカラーです。
そのため実車に設定があったことを知らなければ、ミニカーらしいおもちゃっぽい色を塗ったのだろう、と思ったりして…。


またタイプRの白はモデルとしての色味のさじ加減を考えると、専用色のチャンピオンシップホワイトなのか標準色のグランプリホワイトなのか微妙なところです。
もっとも純白に近い色味なことと、1995年式ではチャンピオンシップホワイトの設定はなかった(と記憶している)ことから、グランプリホワイトと解釈するのが妥当と思われます。


みっつめは180SXです。
S13型シルビアを3ドアハッチバックにし、輸出仕様のフロントマスクを装着した180SX。TLVで既出の前期型と中期型のうち、今回リリースされたのは中期型です。過去品と同じタイプⅡスペシャルセレクション装着車なので、純粋なカラーバリエーションということになります。

 

 


それほど特別感のある塗色ではなかったものの、不思議なくらいに今でも記憶にしっかりと残っているボディカラーの180SX。

 

 

 

今回のボディカラーは、シャンパンゴールドのようなイエロイッシュシルバーメタリックと、ベルベットブルーパールという落ち着きのある紺色の2種類。
多くの車種で見られたカラーで、1990年代の日産車を象徴する2色です。


そう言えばジブンが20代の頃に勤めていた会社の同僚が、イエロイッシュシルバーの中期型180SXに乗っていましたっけ。
他にも、クランベリーレッドパールの前期型180SX、パンプキンイエローのBe-1、赤のFC3S型RX-7、白い#S12#系クラウンハードトップ、紺色のメルセデスベンツ190Eに乗っていた同僚も。


いずれも今ではTLVでそのものズバリのモデルが出ていますが、当時プライベートが波乱続きでハチャメチャだったジブンとしては、それらのモデルを見るのは古傷が痛むような心境です。


よっつめはテーマ。
ランチアの2000㏄クラスのFF4ドアセダンであるテーマ。そのテーマにフェラーリ製V8エンジンを搭載したのが8.32です。
TLVの通常品番モデルでは久しぶりの輸入車になります。

 

 

 


オーソドックスなデザインのセダンという存在ということもあり、あまり知られた存在ではなかったテーマ。TLV化されたことは実に貴重だといえます。

 

 

 

完全新規に作られたテーマはプロポーションも抜群。オーソドックスなセダンのスタイルが緻密に再現されています。
モデル名にフェーズⅡとある通り1991年のマイナーチェンジ後の姿になりますが、それまでのフェーズⅠと異なるディテールも混同することはありません。


8.32のトランク上にはこの車種の特徴ともいえる可動式のリアスポイラーが付いていますが、格納した状態の固定なのはスケール的に可動アクションを盛り込めなかったのでしょう。


その代わり(?)エンジンのプロフィールに因んでなのか、フェラーリ各車のTLV同様ボンネットが開閉でき、8.32の由来となったV型8気筒32バルブエンジンが拝めるのは大きな魅力です。


ボディカラーはグレーメタリックとブルーメタリックの2種類。ゴールドのサイドストライプとブラウンの内装は両モデルとも共通です。


テーマと同様に1980年代には、日本車もFFが主流になって来ました。
U11型マキシマの北米仕様やデボネアVに3リッターV6エンジンが搭載されるなど、従来のFFは大衆車だという風潮が薄れましたもんね。
その後、ウィンダムやブレイドが誕生したことからも、テーマ8.32には先見の明があったと思わざるを得ません。


ラストはスカイライン。
R30型スカイラインで断トツ人気のボディカラーといえば、赤と黒のツートーンでしょう。
その人気の根元は西部警察のRS軍団と、もうひとつがレースで熱戦を繰り広げたスカイラインシルエットだという意見に異論はないと思われます。

 

 



市販車のカタログやトミカ以外の玩具など、とにかく露出度が高かったスーパーシルエット。老いにも若きにも知られていましたっけ。

 

 

 

その影響もあり、現役当時も数多くのミニカーやプラモデルが売り出されました。
特にトミーはスポンサーだったこともあり縁が深く、当時のレギュラートミカから近年のトミカプレミアムまで実に多彩なモデルが出ています。


もちろんTLVも例外ではなく、84年仕様、83年前期仕様、83年後期仕様の3種類が既出です。
そして今回、真髄とも言える82年仕様がついにリリースされました。


82年仕様もモデルを一見した限りは、例の「同じの持ってるでしょ」な装いです。
ところがさすがTLV、ホイールのデザインやボンネットのエアスクープなどが作り分けられています。


中でも過去品でオミットされていたルーフ前端のアンテナまで、ユーザー取り付けパーツとして含まれる徹底振りは見事です。
ラジオを聴きながらサーキットを走っていたはずはありませんが、やはりR30型スカイラインの特徴的なアイテムであり、トミカとスカイラインシルエットの蜜月さを象徴する意味からも特記すべきポイントなのでしょう。


一方、パッケージがかぶせタイプからブックタイプに大型化されながらも、長谷見昌弘氏のフィギュアが付属しないのは「なぜ?の嵐」(←わかる人にはわかる)だったりしますが…。
まさか価格が3800円から7000円に大幅上昇したのは、パッケージが倍寸になった分…、ではないですよね。


2022年のTLVニューモデルレビューは以上です。最後にこの1年を通して感じた点を記しておきましょう。
全体的にモデルのクオリティは高水準で安定しており、数あるホビーミニカーの中でも間違いなく第一級品だと思います。
ですが、モデル化される車種が定番ド直球なものが増えたこと、他社製ホビーミニカーで既にリリースされているものが多く二番煎じ感が拭えないことに、かつてのTLVの感度が鈍ったようにも映ってしまうのです。


モデル開発担当者の方針が変わったのか、香港を筆頭とするホビーミニカー激戦区での好みを反映したのか、理由は定かではありません。
ただTLVのラインナップが、ヒストリックスポーツカー、スカイライン、フェラーリといった毎度お馴染みの顔ぶればかりになることに、危惧の念を抱いてしまうのが正直な気持ちなのです。
それでは今回はこの辺で…。