月日の過ぎるのは早いもので、8月も末になりました。
慣例では中旬頃に発売されるTLVがお盆休みの関係で2週間後ろ倒しとなったこともあり、気付けばこの時期の風物詩と言える24時間テレビが放映される頃です。
40年前にはなけなしの小遣いから僅かばかりの募金をしたこともありましたが、近年は某局ネットの27時間テレビの影響を受けたのか、番組がバラエティ化して本来の主旨を見失っているように思え、募金する気持ちが湧かなくなってしまいました。
そんな思いがよぎる夏の終わり、TLVニューモデルレビュー後編に参りましょう。
後編で紹介するのは
LV-N267a マツダRX-7 タイプRS 1999年式 (青)
LV-N268a,b トヨタランドクルーザー60 北米仕様 1988年式 (水色/グレー) (ベージュメタリック)
LV-N フェラーリテスタロッサ (後期型) (黄)
LV-N 日本車の時代16 マツダRX-7 スピリットRタイプA 2002年式 (グレー)
の5品です。
モデルに対して大きい箱が賛否両論のTLV。個人的には他社製品のディスプレイベースの方が無用の長物に思います。収納場所に関しては同感ですが…。
ではRX-7から。
RX-7を名乗る車種としては最後の型となったFD3S型。TLVでは先代のFC3S型とともにいろいろなタイプが出ていますが、またしてもバリエーションが追加されました。
今回リリースされたのは1996年のマイナーチェンジを受けた後の型で、通常品が1999年式のタイプRS、日本車の時代では2002年にシリーズのファイナルを飾って登場した特別仕様車、スピリットRタイプAです。
細部を作り直し、ネチネチ(褒め言葉ですヨ)とバリエーションを充実させていくTLV。まさにホビーミニカーの鑑と言えるでしょう。
フロントバンパーやリアスポイラーといったマイナーチェンジに伴う変更箇所を作り直し、スピリットRタイプAにはBBS社製17インチアルミホイールが新調されたのが過去品との相違点です。
ボディカラーはタイプRSがイノセントブルーマイカ、スピリットRタイプAはスピリットRシリーズの専用色のチタニウムグレーメタリックという、落ち着いた渋めのボディカラーがチョイスされました。
特にスピリットRタイプAではホイールのガンメタリックとシートの赤が彩色された他、フロントフェンダーのエンブレムがタンポ印刷で入れられるなど、実車の特別装備が可能な限り再現されているのも魅力的です。
TLVご自慢の年式やグレード違いのバリエーション展開。
細かい仕様違いを歓迎するコレクターにとってはモデルを勢揃いさせて悦に入る楽しみがありますし、それほどのバリエーションを望まない者はマイベストの一台を選びハイディテールを堪能することが可能です。
こんな具合にコレクターのあらゆるニーズに対応できるのも、TLVの魅力のひとつだと思います。
続いてランドクルーザーです。
国内外の津々浦々、市街地から戦地に至るまで評価が高いランドクルーザー。TLVではFJ56V型に続く2作目となるのは1980年にデビューした#J6#系です。
ロクマルと呼ばれ、ランドクルーザーが持つそれまでの武骨で悪路用の車種というイメージを覆し、四輪駆動車を一般ユーザーに浸透させました。
TLV化されたのは1987年のマイナーチェンジ後のタイプで、北米輸出仕様の左ハンドル車です。
ディテールの秀逸さはもちろんのこと、手に取った時の重さが満足感を抱かせるTLVのランドクルーザー。これこそミニカーの味わいの基本のキです。
モデルは直線基調のボディラインが角過ぎず丸過ぎず、程よい感じに仕上がっています。
ミニカー化の際に実車が持つ角張った、または丸っこいという全体的なイメージを強調し過ぎると、出来上がったモデルは実車の雰囲気とかけ離れてしまうことにもなりかねません。
特にこれはスケールが小さければ小さいほど、デフォルメの微妙なさじ加減がモノを言いますからね。
各部のディテールは、日本仕様VXグレードと共通の角形4灯ヘッドライト、上下開きリアゲート、左ハンドル内装、そしてタンポ印刷で表現した北米基準の灯火類と、他国向け車との混同も見られません。
淡いブルーメタリックとグレーメタリックのツートーン、ベージュメタリックのボディカラーもアメリカンムード満点で、国内での地味な業務車とは趣を異にしています。
と、贔屓目全開でレビューしましたがこのTLVのランドクルーザー60、リリースのタイミングがうまくなかったように思います。
同車種の1/64スケールホビーミニカーは、ホビージャパン、イノモデル、ゲインコーププロダクツから既に出ていて出遅れ感が拭い切れません。
ホビージャパン製品は日本仕様のVXで観音開きリアゲート。イノモデル製品はおそらく一般地向け輸出仕様(具体的なグレード表記なし)の丸形2灯ヘッドライトで上下開きリアゲート。右/左ハンドルあり。
ゲインコーププロダクツ製品は観音開きリアゲートで、角形4灯/丸形2灯ヘッドライト、右/左ハンドル、さらにはルーフラック&スポットライト付き、フロントウインチ&スポットライト付きなどさまざまなバリエーションを展開しています。
TLVが初版で北米輸出仕様を持って来たのは、後発製品の強みを活かして既存のどの他社モデルともバッティングしないように、という思惑があったのかも知れません。
今後バリエーション展開があるでしょうけど、ぜひとも独自性の窺える仕様がリリースされることを期待します。
ラストはテスタロッサ。
TLVのテスタロッサは2019年に赤ボディ、2020年に黒ボディのモデルが出ていて、今回はそれらに続く3種類目のカラーバリエーション品になります。
カラーリング以外に変更点はなく、後期型である点も過去品と変わりはありません。
すっかりタカラトミーモールオリジナル品のイメージから脱却した感のある、イエローのテスタロッサ。ライトベージュの内装色とのマッチングもベスト。
今回のモデルは黄色のボディとライトベージュの内装という組み合わせ。他車を超越したスタイリングとエンジンスペックをかきたてる刺激的なカラーリングです。
個人的に馴染みと関心が薄い車種だからというのが理由ですが(フェラーリファンの方、ゴメンナサイ)、黒ボディモデルから2年のスパンを経た今回のリリースだったため、ジブンはすっかり新規モデルだと思い込んでいました。
1980年代の改造車プラモデルにあったケーニッヒスタイルのようなデザイン…、とレビューを書きかけてデジャヴを抱き、以前のレビューを確認して初めてバリエーション品であることを認識した次第です。
せっかく期間を空けてのリリースなのですから、ドアミラーの装着位置とホイールのデザインが異なる前期型で出すという手もあったのでは?などと浅い知識を記しておきますか。
最後にちょっと気になった件を。
先日ネットの広告で「日本の名車」という分冊百科が刊行されることを知りました。
デアゴスティーニ社が発行するミニカーとマガジンが合わさった毎度お馴染みの商品ですが、特筆すべき点は付属するミニカーが1/64スケールであることです。
これまでの分冊百科では1/43スケールが主流で後にさらに大きな1/24スケールが出ましたが、ついに1/64スケールに手が及んだのかと思うとどうしても気になってしまいます。
9月13日発売の創刊号で取り上げられるのはトヨタ2000GTで、後続の号もスカイラインやフェアレディなどお決まりの車種が多いようですが、刊行予定品には気になる車種も少なからずありました。
これまで1/64スケールホビーミニカーでモデル化されていないもの、TLVと重複する車種であってもボディタイプや年式が異なる可能性を秘めたものがリストアップされていて、ジブンの中では期待値が上昇中です。
食指が動きまくりな車種は来年以降の発売予定なので、以前お話しした「トミカ歴代名車コレクション」とともに、途中で休刊なんてことにならないよう祈るばかりです。
では今回はこの辺で…。