7月に入り、東京オリンピック開幕まで秒読みになって来ました。やはりやるんですね、オリンピック。
いつの間にか開催不開催の議論はどこかに行ってしまい、メディアでは出場選手を応援する論調に転じる節操の無さには恐れ入るばかりです。

 


また、度重なる緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の発出など、ONとOFF、陽と陰をどう使い分ければいいのか不明瞭な毎日が続くのはどうにもこうにも息苦しく…。
外食も両手放しで楽しめないので、相変わらずジブンは家でTLV&プラモ三昧しています。
ということでTLVニューモデルのレビューです。


今回紹介するのは
LV86f ポルシェ911 1966年式 (黄)
LV86g ポルシェ911S 1967年式 (マルーン)
LV-173c,d スバル360 1961年式 (ベージュ)(薄緑色)
LV-N236a 日産フェアレディZ-T ターボ2by2 1982年式 (銀/黒)
LV-N236b 日産フェアレディZ-T 2by2 1981年式 (赤)
LV-N フェラーリ 328GTB (後期型) (赤)
LV-N フェラーリ 328GTS (前期型) (赤)
の8品です。

 

 



丸2灯ヘッドライト、2ドア、ファーストバックスタイル。偶然にも共通する3車、プラスフェラーリという7月のラインナップです。

 

 


まずはポルシェです。
1976年頃のスーパーカーブームをリアルタイムで過ごした世代にとって「ザ・ポルシェ」と言っても過言ではないのがこの911。
TLVでは2010年の911と912パトロールカーを皮切りに、多数のバリエーションが展開されています。

今回は911と911Sのバリエーションモデルが追加になりました。

 

 

 


長くて平べったい。そう見えるTLVの911ですが、実は流麗なスタイリングが増幅して文句なくカッコよく映る気がします。

 

 


過去品との違いはナンバープレートのサイズを含めて、奥行きの浅いヘッドライトベゼルなどヨーロッパ仕様になっている点で、これは911Sでは初登場になります。
もうひとつの変更点は運転席側ドアミラーが付属するようになったことが挙げられます。
ボディカラーは山吹色に近い黄色と落ち着いた雰囲気のマルーンの2種類です。


スーパーカーブームの頃、ランボルギーニやフェラーリと並んでジブンたち小学生に人気だったポルシェですが、914や924、928といった車種への注目度はそれほど高くありませんでした。
また定番の911シリーズでも人気があったのは、ホイールベースが延長され衝撃吸収バンパーが装着されたタイプで、それ以前の年式はランクが下に見られていたものです。
なけなしの小遣いで買ったスーパーカーカードでポルシェが出ても、それがフロントフラッシャーがバンパー内ではなくフェンダーに付いていたりすると「カッチョワリ~」などと総スカンを喰らったり…。


次もリアエンジンの人気車、スバル360です。
出目金ヘッドライトの初期型で、TLVでは過去に標準ルーフのセダンと巻き上げ式のキャンバストップを備えるコンバーチブルが年式違いで出ています。
今回は1961年式のセダンがリリースされました。

 

 



車名ばかりか社名にまでSUBARUの名を昇華させた、その起源がこのスバル360。450やコマーシャルもTLVで欲しいですね。

 

 


一本型フロントバンパー、リアリフレクター、左側マフラーのディテールは、コンバーチブル(幌開き)および「#スバコミ」のセダンと同仕様になっています。
ボディカラーは薄めのベージュに茶色のルーフ、明るい緑色にアイボリーのルーフの2種類。
どちらもメーカー標準色ですが、ベージュのモデルは新車の純正色、緑色のモデルは後年にオーナーの好みで全塗装された姿と考えると楽しみが広がるかも知れません。


続いてフェアレディZ。
2代目ZのS130型のうち、4人乗り仕様の2by2です。このモデルも過去品の仕様替え品で、前回2.8リッターのZ-Tだったものを2リッターのZ-Tに改めました。
しかもターボとNAの2タイプ展開です。

 

 



21世紀の現在では考えられないロングノーズ。当時はセダンも含めてロングノーズへの憧れと、取り回せることの優越感があったものです。

 

 


2.8リッター車との違いは、ボディサイドのプロテクトモールがないこと。これは金型を変更して再現するという念の入れようです。またターボについては十字スポークタイプの15インチ純正アルミホイールとデュアルマフラーが新規に作られています。
ボディカラーもターボには専用色の逆マンハッタンカラー、NAにはソリッドの赤と派手めな選択です。


実車のフェアレディZターボは国内より海外で先行デビューしていて、ダットサン280ZXターボの名が示す通り2.8リッター車でした。
一方、国内ではスカイラインやローレル、セドリック/グロリアに倣った2リッターモデルでしたが、国内デビュー前には「もしや輸出仕様と同じ2.8リッターで出るのではないか」と騒がれたものです。
そんなフェアレディZターボは1982年10月に登場した後、翌年9月にはZ31型にフルモデルチェンジされたため、1年に満たない短命なグレードでもあります。
特にTLVと同じノーマルルーフで2by2のターボは、当時も今も遭遇率が極めて低いのではないでしょうか。


最後はフェラーリです。
微速でありながら着実にラインナップを増やしているTLVのフェラーリ車ですが、今回は新規モデルでノーマルルーフの328GTBと脱着式ルーフのGTSがリリースされました。
328GTB/GTSは、それまでの308GTB/GTSの進化版として1985年にデビューした車種で、外観デザインも308を踏襲しています。

 

 

 


今も昔もランボルギーニと人気を二分するフェラーリ。近年はランボと呼ばれることが多いが、フェラーリを短縮しないのは余所余所しい…(追求無用)。

 

 


TLVではシンプルでクリーンなボディラインが的確に再現され、フロントとリアバンパー周辺のディテールも308との混同は見られません。
GTBは1988年以降、GTSはそれ以前のタイプと微妙に変えられていて、そのためホイールのデザインが違っている点も「わかってる感」が伝わるポイントです。
ボディカラーはGTB、GTSともにフェラーリのイメージカラーとも言える赤。内装についてはGTBが黒、GTSはタンにするといういつものコンビネーションになっています。

 


また過去品のフェラーリ各車に見られたエンジンフード開閉アクションも採り入れられ、内蔵されたエンジンを見る楽しみも健在です。
レギュラートミカではF35番で308GTBがあり、このモデルもエンジンフードの開閉ができました。
今回328を手に取り、ルーフから続くリアエンドと一体のエンジンフードを開いてシルバーにペイントされたエンジンを見ると、レギュラートミカで同じことをやった小学生の頃がよみがえります。
さすがにTLVでは、内装がエンジンと一体パーツでクロームメッキ、ということはありませんが…。


最後に。去る7月8日、東京の日暮里で長年営業していたミニカーショップイケダが突然廃業しました。
前日の7月7日にはいたって普通に公式サイトを閲覧できたのですが、ジブンが9日に新製品コーナーを開いたところいきなり「営業停止のお知らせ」の文字が飛び込んで来ました。

 

ジブン的にはイケダの店主である池田直治氏にいい印象がなく、店を訪れるのはコレクター仲間に付き合って数年に一回くらいの頻度でしたね。

と言うのも、コレクション初心者の頃に何度もイヤな思いをしたからなのですが、もう過去の店なので暴露しましょうか。

 

ある時は初めて見たカラーのトミカについて新色なのか特注なのかか聞いた際に突っけんどんに「わかんない」と一蹴され、またある時はプライスの付いていない絶版モデルの価格を尋ねたところ「売らないよ」と吐き捨てられ、極め付けは明らかに営業時間内にもかかわらず常連客と食事に行くからと店を追い出され、浴びせられたのは「すみません」ではなく「はいはい、また来年ね~」と人を舐めた暴言。

 

 

いやいや、信じられないでしょうけど実話なんです。
接客とか言葉遣いを知らないという次元ではなく、明らかに「うちはテメェみたいなガキのおもちゃ屋じゃねぇんだ」という傲りが見え隠れしていましたね。

そして後年。女子高校生にお金を渡して※$@¥&#とかで池田氏が逮捕されたと聞き、自店の客には冷たくあしらうのに女の子には優しいんだと思うと怒り再燃でした。



廃業の理由は店主の体調不良のためということですが、ニュースなどでは億単位の負債があると報じられています。
理由はともあれ、イケダがミニカーを子供のおもちゃから大人のホビーに昇華させた第一人者であることは確かです。
その視点に限るならば、廃業は実に残念だと言わざるを得ません。


では今回はこの辺で…。