仕様替えモデルであっても、パッケージを開封する瞬間のワクワク感は変わらない。TLVの魔力。
さて、12月のTLVニューモデルレビューの後編です。前編の文末では最近のTLVについて思うところを書かせていただきましたが、なんだかんだ言っても毎月手元に届くモデル群を「まだかな、まだかな~」と心待ちにしていることには違いありません(←学研の学習/科学誌みたいだな)。ではでは参りましょう。後編で紹介するのはLV-N245f いすゞエルガ (名鉄バス)LV-N254d,e 日産GT-R NISMOスペシャルエディション 2022モデル (銀)(赤)LV-N304a,b トヨタカローラレビン 2ドア GT-APEX 1985年式 (赤/黒)(黒/グレー)の5品です。エルガとGT-Rは多大なバリエーションが展開されているせいか、かえってカローラレビンの新バリエーションが際立って感じてしまうのは皮肉です。ではエルガから。TLVでナンバーワンのバリエーション数のいすゞエルガ/日野ブルーリボン。その勢いは衰えることなく、数ヵ月ごとに新作が生まれ続けています。そして今月も…。今回は愛知県を走る名鉄バスのTLV化です。最近主流になりつつある、新しい方(LEDヘッドライトを持つタイプ、LV-N245番)の仕様替えモデルです。変更された内装にも注目です。外装のディテールは、前後丸形ベンチレーター、左側給油口、リアナンバープレート中央の標準タイプ。内装については、左側タイヤハウス上にラックが付かないのは過去品でお馴染みといったところですが、今回は最低床部右側のシート4脚が1人掛けから2人掛けに変更されています。このように事業者固有のシート配置を再現したのは広電バスや三重交通バスの時にも見られ、これは地味ながら凄いことです。カラーリングは白と赤の名鉄バスカラーのボディに、シートを青緑色に彩色した内装を備えています。バリアフリー法が定められていなかった頃の路線バスは、シート配置のバリエーションがかなり多くありました。現在では諸々の規定をクリアするために、カタログそのままの標準仕様を導入する事業者が大多数です。ミニカーでも内装に変化を付けることはいたって稀であり、ここにこだわるTLVには頭が下がります。次はGT-R。エルガ/ブルーリボンと並んで圧倒的な数のバリエーションが展開されているTLVのGT-Rに、新しい仕様が加わりました。NISMOスペシャルエディション 2022モデルのニューカラーです。実車を見かける機会が少ないGT-R。漠然と気になるのですが、実車とミニカーのどちらが生産台数が多いのでしょうか。ディテール変更はなくカラーバリエーションのみですが、実車に存在するすべてのタイプを網羅するのではないかと思わせる勢いのバリエーション展開にはいい意味の脅威を感じます。今回のボディカラーはシルバーと赤の2種類。内装はシートサイドに赤のストライプが入った黒です。日本のフラッグシップカーといえるGT-Rとあってか、国内外のミニカーブランドから実に多くのモデルが出ています。ノーマル車の他にタイムアタック仕様やパトロールカー仕様、イタルデザインと多彩なTLVに加え、変わったところではUCCコーヒーの景品で2005年の東京モーターショーに出品されたGT-Rプロトなるタイプがモデル化済みです。TLVのレビューから逸れてしまいますが、このUCCのGT-Rプロトは1/64スケールである上に、プロポーションもディテールも缶コーヒーのおまけとは信じ難い出来に仕上がっています。TLVのGT-Rと並べているジブンが見ても、ホビーミニカーと遜色のないモデルというのが正直な感想です。最後はカローラです。セダン系はFF、クーペ系はFRという特異な車種構成を持つ#E8#系カローラ/スプリンター。3月にレビン2ドアが出ており、定番のGT-APEXだけでなく女性仕様車のライムを取り上げてくれたのがびっくりポイントです。そんなTLVのレビンに新仕様がリリースされました。今回はグレード違いか、それとも単純なカラーバリエーションかと思いきや、なんとマイナーチェンジ後の1985年式です。グレードはGT-APEXのみとなりますが、後期型のモデルということ自体が珍しく存在意義を感じます。ありそうでなかった後期型レビンの2ドア。王道と言われるところからわずかに外した車種選定が、コレクターにとってはたまらなかったりするのです。過去品との相違点は、言うまでもなく実車のマイナーチェンジに関わる点が主体です。フロントグリルとテールランプ、バンパー、アルミホイールの意匠、細かいところではスポイラー類のセットオプションであるスポーツパッケージ装着車としたのも挙げられます。ボディカラーは、前期型から引き続き設定された赤/黒のハイフラッシュツートンと後期型で新たに追加された黒/グレーのハイソニックトーニングの2種類。内装はどちらのモデルにも、シートのセンター部がグレーの黒内装が組み合わせられています。これまでTLV以外で1/64スケールの#E8#系カローラレビン/スプリンタートレノの後期型は、京商CVSミニカーコレクションシリーズのレビン3ドアしかありませんでした。またコナミのCar of the 80’sシリーズの第3弾、EDITION GREENにスプリンタートレノ2ドアの後期型がラインナップされていました。こちらは2006年の東京おもちゃショーに見本品が出品されたものの、市販されることなく終わってしまった幻のモデルです。もしこのモデルが出ていれば、今日現在においても唯一無二の存在だったのですがね。市販されなかったコナミのトレノ。同シリーズで予定品だったBe-1、セルシオ、シルビア、スカイラインRS、CR-Xは、現在では他社製品で揃えられます。最後に。メーカー公式サイトにて、先月リリースされたR31型スカイラインに彩色ミスがあった旨の告知がありました。黒/グレーツートーンのモデルに付属するユーザー取り付けパーツのリアスポイラーが、本来黒であるはずがグレーになっているとのことです。ジブンはモデル本体のディテールや仕上げにはじっくり目を向けていたものの、付属品のカラーリングはすっかり見落としていました。ユーザーへの対応は、専用フォームで請求すれば正規パーツを送付してくれるそうです。しかもミスパーツの返送は不要な上、既にスポイラーをボディに装着してしまったユーザーに対してはモデルまるごと交換をしてくれるとか。メーカーが能動的にミスを告知し事後対応の体制を整える、その手厚い対応には驚きました。そして同時に、ホビーミニカーの立ち位置とTLVを愛好するコレクターを蔑ろにしない姿勢を垣間見た気がします。これがトイミニカーであれば彩色ミスを告知することなく、次回生産分で改善する方法をとるのかも知れません。これはこれでコレクターにとっては、バリエーションのひとつと捉えられるワケですが…。それでは今回はこの辺で…。