世界に誇る高級車、風土に根差した国産車、伝説の映像劇中車。1000万台の足跡に触れる。
2月です。バレンタインデーです。中学高校生時代は期待と不安が交錯する日でしたが、今はすっかりその特別感は薄れてしまっています。そうは言うものの、妻から洋酒入りのチョコをもらって喜んでいるワケですが…。嬉しさのあまりチョコよりもっとスイートなひとときを望んだところ、妻に「もうそんな歳じゃないでしょ」と一蹴された、永遠に10代男子のハートを持つジブンなのです。さあ、おバカなことは置いといてTLVニューモデルのレビューです。今回紹介するのはLV-N356a,b トヨタセルシオ C仕様Fパッケージ 1997年式 (パールホワイト/銀) (緑/グレー)LV-N357a,b 日産スカイライン ハードトップ 2000GT 1971年式 (銀) (ラベンダーメタリック)LV-N358a 日産セドリック 2ドアハードトップ 2800SGL 1975年式 (緑)LV-N359a 日産グロリア 2ドアハードトップ 2800SGL 1975年式 (紺)LV-N 日産GT-R プレミアムエディションTスペック 2024モデル (TLV出荷累計1000万台記念品)LV-N ムービースターズ01 西部警察 スーパーZ 大門圭介フィギュア付の8品です。今月のニューモデルは1970~2000年代に登場した知名度の高い車種たち。(狭義での)乗用車ばかりのラインナップというのが実にTLVらしいと言えます。ではセルシオから。トヨタのプレミアムブランド、レクサスの旗艦車種として、世界で通用するサルーンを目指して開発されたハイオーナーカー。V型8気筒の4リッターエンジンが生み出す上質な走りは無類の静粛性と相まって、メルセデスベンツさえも震撼したと言う逸話があるほどです。その初代UCF1#型のデビューから5年後、フルモデルチェンジを受けて2代目UCF2#型が登場しました。今回TLV化されたのはこの2代目で、後期型1997年式のC仕様Fパッケージです。海外名と同じレクサスLSに移行される前のセルシオ。やはり日本車は無機質な記号より愛称があった方が親しみを感じますよね。TLVとしては初めてのセルシオであり、完全新規に作られました。全体のプロポーションはTLVならではの冴えが見られ、UCF1#型のイメージを残しつつ各部のエッジを立てて一新したボディラインが見事です。ソフトな丸味を持つUCF1#型に対して、パキッとしたボディラインこそがUCF2#型の特徴ですからね。また、マイコン制御チルト&スライド電動ムーンルーフ(ドアキー連動機能付)、レーダークルーズコントロール、クロームメッキアルミホイールといった高価なオプションが装着された姿なのも、1990年代の高級車を象徴しているようで興味深いです。カラーリングは、ホワイトパールマイカトーニングGのボディにアイボリーの内装のものと、ダークグリーンマイカP.I.OトーニングGのボディにエージットというライトグレーの内装のものの2種類。セルシオというと、生い立ちや知名度から初代UCF1#型を思い浮かべる人が多いようで、1/64スケールホビーミニカーでもターマックやデアゴスティーニの日本の名車コレクションなどでUCF1#型がモデル化されています。いっぽうTLVがUCF2#型を選んだのはそれら既存のモデルと差別化を図るためであり、かつUCF1#型と見間違われないよう念には念を入れて顔つきが似た前期型には敢えてしなかった、なんて根拠のない妄想をしているジブンです。次はスカイラインです。元はプリンスの車種だったスカイラインは、日産と合併した後も消えることなく存続しました。日産製になって初めてフルモデルチェンジを受け誕生したのが3代目C10型。箱スカの愛称で今も人気があるタイプです。ショートノーズの4気筒エンジン車のモデルが際立つTLVのC10型スカイラインの仲間に、ありそうでなかった2ドアハードトップが満を持して追加されました。しかもGT-R一辺倒のミニカーの中で1971年式の2000GTという心憎い車種選定です。サーフィンラインが分断されない姿こそ美しいとの声もある2000GT。ミニカーでは意外と数少ないタイプだけにリリースしてくれたTLVに感謝です。過去にバンやセダンを作っているTLVだけあって、プロポーションはすこぶる良好。フロントフェンダー前端を肉薄に仕上げヘッドライトが寄り目にならずに収まると話題になった、TLVが誇る技術の高さが遺憾なく注ぎ込まれています。また今回はボンネットの開閉ができ、何の変哲もない日産伝統の名機L20型エンジンが拝めるアクションが盛り込まれました。ボディカラーは実車で言うところのスカイラインシルバーメタリックとスカイラインラベンダーメタリックの2種類で、両車ブラックの内装です。ジブンとしては最終型のブルーメタリックの色調が好きなので、今後この年式が出ることを期待します。数あるC10型スカイラインのミニカーの中でも、2ドアハードトップの2000GTは極めて少数派です。パッと思い付くのはモデルペットとレギュラートミカのふたつで、前者はメーカーが消滅、後者は前後にオーバーフェンダーが付くレーシングタイプに金型を改修してしまい復刻不可能になっています。羨望のタイプをモデル化するか、身近なタイプをモデル化するか。ミニカーの企画としてはどちらもアリだと思いますが、猫も杓子もGT-Rというのはちょっと…。企業として営業上の数字を考えると仕方ないと半ば諦めていたので、今回リリースされたTLVには失神寸前です。続いてセドリック/グロリア。おそらく日本の乗用車で最も知られた双子車ではないかと思われる車種です。今でもそれぞれの型式、それぞれのボディタイプにコアなファンがいて、TLVのラインナップにも多種多様なセドリック/グロリアがあります。その中でも変わり種なのが330型の2ドアハードトップで、後期型2000SGL-Eが既出です。今回は前期型の最上級グレード、2800SGLがリリースされました。グラマラスでデコラティブなボディに大きな2枚のドアを持つ、アメ車感覚の330型セドリック/グロリアの2ドアハードトップ。カッコいいと思います。ディテール的には、フロントグリルと前後バンパーを前期型4ドアハードトップFタイプ2800SGLと同じ角形2灯ヘッドライトにし、新しく作ったリアフィニッシャーとホイールカバーを装着したものです。言うまでもなくセドリックとグロリアの意匠違いも正確に再現されています。カラーリングはセドリックがグリーンメタリックのボディにブラウンの内装、グロリアがグロリアダークターコイズメタリックのボディにブラックの内装です。ディープブルーとかダークグリーンといった系統の、一見しただけではブラックに見えるボディカラー全盛の現在に対し、高級車でありながら彩度の高いカラーを纏っているのは昭和時代の象徴に感じます。330型は2ドアハードトップをラインナップに加えた最後のセドリック/グロリアでした。営業車や役員車用途を見据えたフォーマルさと2ドアハードトップの快活なイメージが共存するスタイリングがアンバランスだったのか、ユーザーの注目は今ひとつだったのは残念です。ジブンとしては、スーツにスニーカー履きで学校最寄り駅至近の繁華街に立って目を光らせていた、母校の生活指導の先生みたいな不自然なオーラが嫌いではなかったのですがね。まだまだ続きます。GT-Rです。2004年に誕生したTLVは先月で丸22年。なんと出荷累計が1000万台に達したそうで、その記念モデルがリリースされました。といっても特別な流通方法によるものではなく、通常品と同様に入手することができるモデルです。通常の塗装よりデリケートなメッキ膜を保護するため、左側面とルーフにセロハンが付くパッケージング。こんなところにも気配りを忘れないTLVです。タイプはプレミアムエディションTスペック2024モデルを起用しており、最新の2025モデルではないのがミソと言えます。過去品の同タイプとの違いはボディカラーのみで、ディテール変更はありません。ボディカラーは実車のミレニアムジェイドをモチーフにした薄めのグリーンメッキ仕上げ。これにブラックの内装が付きます。過去に出た100品番達成記念および生産300万台記念のモデルはダイキャストの地肌にクリアコートを施したものであり、カラーメッキ品のTLVは懸賞の賞品で見られたのみでした。実車に忠実なTLVというコンセプトを踏まえると毛色の変わった存在ですが、メッキボディに精密なディテールが映えて決して悪くないと思うのですがいかがでしょう。最後はスーパーZ。スーパーZとは、刑事ドラマ「西部警察」に登場したS130型フェアレディZベースの覆面パトロールカー、などと改めて説明は不要なほど有名な劇中車です。これまでに番組の放送回や時期で異なる仕様を細かく作り分けて、複数のバリエーションモデルがTLV化されています。そして今回新たにムービースターズなるシリーズが発足し、その第1弾に抜擢されたのがスーパーZです。ムービースターズと銘打つも映画ではなくテレビドラマの劇中車。制作元の石原プロではテレビ映画と称していましたし、堅いことはナシにしましょう。何しろ劇中では世界に1台の特注車という設定でしたし、実際に製作されたのも2台と言われています。そのためバリエーション展開は限られますが、ナンバープレートの分類番号が3ナンバー、フロントフェンダーにエンブレムあり、赤色灯が起立状態と、細かいディテールが変更されているのはTLV持ち前のこだわりです。ゴールドとブラックのツートーンボディにブラウンの内装も、過去品のスーパーZと変わりなし。このあたりも特定の個体を題材にしている都合上やむを得ないところです。レミントンを構える大門団長のフィギュアが付属して楽しいモデルであることに異論はないものの、車両専門のコレクターにとってはプライスを含め痛し痒しの製品かも知れません。軽微なディテール違いを購入対象として捉えるかどうか、判断が悩ましいムービースターズシリーズです。先般出荷累計100万台を突破したというTLVは、名実ともに1/64スケールホビーミニカーのトップに君臨していると思います。レギュラートミカが誕生から6年で生産1億台に達したのに比べると数こそ少ないものの、同コンセプトの後発ブランドが多数生まれたりとその影響力は絶大であることは明らかです。本家のタカラトミーにおいてもトミカプレミアムに続いてトミカリボーンという新シリーズが出るなど、トイではなくホビー需要に照準をあてたミニカーが脚光を浴びています。かつてあったトミカリミテッドが惜しくも終了した過去を思うと、それらのシリーズは途中でフェイドアウトをすることなく成熟して行って欲しいものです。そして何よりも、22年もの間コレクターに愛され続けているTLVも、さらに成長することを切に願っているジブンなのです。では今回はこの辺で…。