民主化で先進国も続々進出中。タイ株市場の隠れミャンマー株とは?- WEBネットマネー(2013年3月4日15時00分)
ASEANの中で今、先進国の投資家の関心が高まっているミャンマー。だが証券取引所がまだ開設されていないので、ミャンマー株の直接売買はできない。そこで注目したいのが、タイに上場する「ミャンマー関連」株だ。
ミャンマーは民主化への歩みとともに東南アジアの最貧国からの脱却を目指す
先進国が欧州債務危機問題で苦しみ、中国の経済成長もスローダウンする中、昨年も好調を持続した東南アジア経済。ASEAN(東南アジア諸国連合)の主要株式市場では、昨年1年間でインデックスが40%近くも上昇した。
「今年に入ってからもASEAN株の値動きは好調です。特に注目しているのはフィリピンとタイですね」と語るのは、フィリップ証券リサーチ部長の庵原浩樹さん。
「経済成長率だけなら2012年第3四半期まで8四半期連続で6%を超えているインドネシアが最も有望ですが、フィリピンとタイは成長率やインフレ率が安定していて波乱要因が少ないのが魅力です。もちろん、労働人口や個人消費は伸び続けているので、長期的には力強い成長が期待できます」(庵原さん)
もっとも、フィリピン株を取り扱う日本の証券会社は少なく、フィリップ証券も「近いうちに始める予定」(庵原さん)とのこと。
そこで今回は、タイ株の中から注目の銘柄を庵原さんにピックアップしてもらった。キーワードは、「ミャンマー関連」。
ご存じのように、ミャンマーでは軍事政権主導の政治体制から民主化への移行が進み、欧米や日本など先進国との経済交流が活発化しつつある。ASEANの最貧国のひとつであったが、世界経済の枠組みに組み込まれることによって、今後、最も飛躍が期待できる国だ。
「そのため、当社のお客さまからもミャンマー株投資に関するお問い合わせが増えています。しかし、ミャンマーの証券取引所は未だ開設のメドが立たず、今のところ外国の個人投資家が直接ミャンマー株を買うことはできません。その代わりにタイ株式市場に上場する〝ミャンマー関連〞株に投資すれば、ミャンマーの成長の恩恵を受けながら資産を増やすことができるはずです」(庵原さん)
ミャンマー関連株の代表のひとつが、道路建設会社のバンコク・エキスプレスウェイ。同社は主にバンコク市内の高速道路を建設・運営しているが、現在計画中のミャンマーへ向かう高速道路の先には、建設中のミャンマーの港湾がある。「タイは2015年末のASEAN経済共同体構築に向け、周辺国のミャンマー、ラオス、カンボジアなどと一体となって経済発展を遂げることを目指しています。そのため、タイ政府は周辺国と結ぶ高速道路など物流ルートの整備に力を入れており、バンコク・エキスプレスウェイにとって追い風が吹いているといえるでしょう」(庵原さん)
ミャンマーは民主化への歩みとともに東南アジアの最貧国からの脱却を目指す
また、大手発電会社のラチャブリ・エレクトリシティ・ジェネレーティングは、水資源の豊富なラオスに水力発電所を建設し、その電力をバンコクなどの大消費地に供給しているが、首都バンコクの急速な人口増に対応するため、発電所の拡充を図っている。
「その一環として、今後はラオスだけでなくミャンマーにも水力発電所の建設を視野に入れています。タイは失業率がわずか0.7%とほぼ完全雇用の状況で、バンコクへの人口流入も増加の一途と、電力需要は拡大すると思われます。ミャンマーに発電所を建設すれば、増え続ける需要をカバーできるだけでなく、ミャンマー経済の発展にも大きく貢献することになるでしょう」(庵原さん)
ちょっと変わったところでは、民間病院運営会社のバンコク・ドゥシット・メディカル・サービスも注目株だ。
「同社が運営する病院は、医療技術や専門性が高いだけでなく、施設やサービスも一流ホテル並みで、外国人利用者から非常に好評です。バンコクを中心に病院を展開していますが、2015年までにはミャンマーにも進出する計画。民主化が進むミャンマーでは、欧米からの観光客が増えているので、収益の柱として成長するかもしれません」と庵原さんは分析する。
ちなみにタイ株式市場に上場する銘柄は配当性向が非常に高く、50%以上は当たり前。キャピタルゲインだけでなく、安定的なインカムゲインも期待できるのが大きな魅力だ。「タイの通貨バーツは購買力平価で見ると割安水準なので、経済成長とともに為替メリットの恩恵も期待できます。円安も追い風になりそうですね」と庵原さんはみる。
ラチャブリ・エレクトリシティ(電力)
タイの大手発電会社。熱発電設備および複合サイクル発電設備からなる発電所を運営する。豪州では、タイの電力会社初の投資開発を行なっている。ラオスでの発電所開発投資は世界最大規模を誇る。
2018年までに総電力設備6336メガワットの発電所を子会社も含めて運営する予定。現在ラオスにて1基の発電所を建設(出資比率40%)、1基を開発(同25%)。タイ国内の電力需要は年々拡大しており、今後はラオスだけでなく、ミャンマーでの発電所建設を視野に入れている。
バンコク・エキスプレスウェイ(道路)
タイの道路建設会社。高速道路を建設するほか、道路通行料収入も得ている。
タイ政府系の高速道路交通公社(EXAT)との契約のもと、2020年まで高速道路の建設および関連プロジェクトの管理を行なっている。特にバンコクから北に向かう第2高速道路(全長38.5キロ)は、バンコクにおける自動車登録の増加とともに通行量の拡大が期待されている。
新規プロジェクトとしてバンコク初の環状道路建設に着手しており、ミャンマーに続く高速道路の建設を予定している。
バンコク・ドゥシット・メディカル・サービス(病院)
売上高、時価総額でタイ最大の民間病院運営会社で、世界では第4位。タイではバンコクを中心に29カ所、カンボジアでは2カ所において病院を運営。総ベッド数は5300床を超えている。
同社が運営する病院は、専門性が高く、欧米などへの留学経験のある質の高い医師をそろえているのが特徴。看護師にも高いレベルの教育を施し、英語の話せる人材を整えている。
欧米をはじめ外国人利用者が多く、診療収入の約27%を占める。2015年までにミャンマー進出を計画。
※株価、指標は2013年2月7日現在。1バーツ=3.15円換算。
ミャンマーは民主化への歩みとともに東南アジアの最貧国からの脱却を目指す
先進国が欧州債務危機問題で苦しみ、中国の経済成長もスローダウンする中、昨年も好調を持続した東南アジア経済。ASEAN(東南アジア諸国連合)の主要株式市場では、昨年1年間でインデックスが40%近くも上昇した。
「今年に入ってからもASEAN株の値動きは好調です。特に注目しているのはフィリピンとタイですね」と語るのは、フィリップ証券リサーチ部長の庵原浩樹さん。
「経済成長率だけなら2012年第3四半期まで8四半期連続で6%を超えているインドネシアが最も有望ですが、フィリピンとタイは成長率やインフレ率が安定していて波乱要因が少ないのが魅力です。もちろん、労働人口や個人消費は伸び続けているので、長期的には力強い成長が期待できます」(庵原さん)
もっとも、フィリピン株を取り扱う日本の証券会社は少なく、フィリップ証券も「近いうちに始める予定」(庵原さん)とのこと。
そこで今回は、タイ株の中から注目の銘柄を庵原さんにピックアップしてもらった。キーワードは、「ミャンマー関連」。
ご存じのように、ミャンマーでは軍事政権主導の政治体制から民主化への移行が進み、欧米や日本など先進国との経済交流が活発化しつつある。ASEANの最貧国のひとつであったが、世界経済の枠組みに組み込まれることによって、今後、最も飛躍が期待できる国だ。
「そのため、当社のお客さまからもミャンマー株投資に関するお問い合わせが増えています。しかし、ミャンマーの証券取引所は未だ開設のメドが立たず、今のところ外国の個人投資家が直接ミャンマー株を買うことはできません。その代わりにタイ株式市場に上場する〝ミャンマー関連〞株に投資すれば、ミャンマーの成長の恩恵を受けながら資産を増やすことができるはずです」(庵原さん)
ミャンマー関連株の代表のひとつが、道路建設会社のバンコク・エキスプレスウェイ。同社は主にバンコク市内の高速道路を建設・運営しているが、現在計画中のミャンマーへ向かう高速道路の先には、建設中のミャンマーの港湾がある。「タイは2015年末のASEAN経済共同体構築に向け、周辺国のミャンマー、ラオス、カンボジアなどと一体となって経済発展を遂げることを目指しています。そのため、タイ政府は周辺国と結ぶ高速道路など物流ルートの整備に力を入れており、バンコク・エキスプレスウェイにとって追い風が吹いているといえるでしょう」(庵原さん)
ミャンマーは民主化への歩みとともに東南アジアの最貧国からの脱却を目指す
また、大手発電会社のラチャブリ・エレクトリシティ・ジェネレーティングは、水資源の豊富なラオスに水力発電所を建設し、その電力をバンコクなどの大消費地に供給しているが、首都バンコクの急速な人口増に対応するため、発電所の拡充を図っている。
「その一環として、今後はラオスだけでなくミャンマーにも水力発電所の建設を視野に入れています。タイは失業率がわずか0.7%とほぼ完全雇用の状況で、バンコクへの人口流入も増加の一途と、電力需要は拡大すると思われます。ミャンマーに発電所を建設すれば、増え続ける需要をカバーできるだけでなく、ミャンマー経済の発展にも大きく貢献することになるでしょう」(庵原さん)
ちょっと変わったところでは、民間病院運営会社のバンコク・ドゥシット・メディカル・サービスも注目株だ。
「同社が運営する病院は、医療技術や専門性が高いだけでなく、施設やサービスも一流ホテル並みで、外国人利用者から非常に好評です。バンコクを中心に病院を展開していますが、2015年までにはミャンマーにも進出する計画。民主化が進むミャンマーでは、欧米からの観光客が増えているので、収益の柱として成長するかもしれません」と庵原さんは分析する。
ちなみにタイ株式市場に上場する銘柄は配当性向が非常に高く、50%以上は当たり前。キャピタルゲインだけでなく、安定的なインカムゲインも期待できるのが大きな魅力だ。「タイの通貨バーツは購買力平価で見ると割安水準なので、経済成長とともに為替メリットの恩恵も期待できます。円安も追い風になりそうですね」と庵原さんはみる。
ラチャブリ・エレクトリシティ(電力)
タイの大手発電会社。熱発電設備および複合サイクル発電設備からなる発電所を運営する。豪州では、タイの電力会社初の投資開発を行なっている。ラオスでの発電所開発投資は世界最大規模を誇る。
2018年までに総電力設備6336メガワットの発電所を子会社も含めて運営する予定。現在ラオスにて1基の発電所を建設(出資比率40%)、1基を開発(同25%)。タイ国内の電力需要は年々拡大しており、今後はラオスだけでなく、ミャンマーでの発電所建設を視野に入れている。
バンコク・エキスプレスウェイ(道路)
タイの道路建設会社。高速道路を建設するほか、道路通行料収入も得ている。
タイ政府系の高速道路交通公社(EXAT)との契約のもと、2020年まで高速道路の建設および関連プロジェクトの管理を行なっている。特にバンコクから北に向かう第2高速道路(全長38.5キロ)は、バンコクにおける自動車登録の増加とともに通行量の拡大が期待されている。
新規プロジェクトとしてバンコク初の環状道路建設に着手しており、ミャンマーに続く高速道路の建設を予定している。
バンコク・ドゥシット・メディカル・サービス(病院)
売上高、時価総額でタイ最大の民間病院運営会社で、世界では第4位。タイではバンコクを中心に29カ所、カンボジアでは2カ所において病院を運営。総ベッド数は5300床を超えている。
同社が運営する病院は、専門性が高く、欧米などへの留学経験のある質の高い医師をそろえているのが特徴。看護師にも高いレベルの教育を施し、英語の話せる人材を整えている。
欧米をはじめ外国人利用者が多く、診療収入の約27%を占める。2015年までにミャンマー進出を計画。
※株価、指標は2013年2月7日現在。1バーツ=3.15円換算。