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<虫歯診査>新基準導入 進行度、7段階に分け早期発見

毎日新聞

 穴の開いていない「初期虫歯」を分類して治療に役立てる--。海外で考案された「ICDAS」(アイシーダス)という新たな虫歯の基準を取り入れた歯科診療が、日本でも始まっている。日本ヘルスケア歯科学会代表の杉山精一(せいいち)さんに、新基準導入のメリットを聞いた。【立上修】

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 ◇「20歳まで詰め物なしで」

 杉山さんに、11歳の女性の上前歯の写真を見せてもらった。一見したところでは、黒ずみや穴は見当たらなかったが、注意して見ると、歯茎(はぐき)に沿ってわずかに表面の一部が変色し、他の部分よりも不透明な白さが目立つことに気付いた。

 「歯の表面についたプラーク(汚れ)から酸が出て、エナメル質のミネラルが出ていくのです。進行すると、空気を当てれば歯面が白く見える変化が起きます」と、杉山さんは説明した。

 ICDASはInternational Caries Detection and Assessment Systemの頭文字。直訳すれば「国際的な虫歯探知評価方法」となる。健全な「コード0」から象牙質(ぞうげしつ)が見える「コード6」まで、虫歯の進行度を7段階に分けているのが特徴だ。

 これまで日本で使われてきた虫歯の基準は「C(シー)1」から「C4」まで4段階のもの。歯科などで目にしたこともあるだろう。これと照らし合わせると、C1はコード3、C3がコード6に相当する。「CO(シーオー)」と聞いたことがある人もいるだろうが、こちらは学校歯科健診の用語で「要観察歯」で、精密検査を必要とすることもある。

 さて。冒頭の女性は、歯の表面のエナメル質に変化があるコード1、コード2に当てはまる。つまり新基準でいう「虫歯」だ。しかし、虫歯の進行を止めて再石灰化させれば、コード0に戻せる段階にあるという。

 ただ、見た目はコード0でも、X線では黒く写る虫歯があったり、歯の間が黒ずみコード4でも、X線では問題ないケースもある。ICDASはあくまで「見た目」の診査基準だ。

    ◇

 「初期段階で虫歯を見つけられれば、少しでも歯を削らずに済む。うちで定期的に見ているお子さんの6割は、20歳で歯に詰め物がありません」

 千葉県八千代市にある杉山さんの歯科医院は、09年にICDASを導入した。年に1回撮影するX線の診査と併用し、生活習慣によるリスクなども合わせて総合的に虫歯を診断し、治療方針を決めている。

 歯の見た目の変化は、過去の診察で撮影した歯の写真と比較する。虫歯のリスクが高い子どもは、3カ月ごとに歯科衛生士が歯磨きチェックをして、汚れを取った後にICDASで診断する。

 「ICDASという『共通言語』を使うことで、歯科医師と歯科衛生士、患者や保護者の間で(歯の状況の)共通理解が得られます」。杉山さんは新基準を評価している。

 ところで、家庭でも親などが子どもにICDASのチェックをすることはできないのだろうか。

 答えは「できない」。杉山さんは「表面のプラークをきれいに取らないと判定できず、取り去るのも大変。歯の表面を乾かし、明るいライトで見る必要があり、自宅でも、学校の歯科健診でもできません」と語る。やはり歯科に行かなければ、診断は難しい。

    ◇

 杉山さんによると、新しく生えた歯は、エナメル質が唾液(だえき)で硬くなるまでに3~5年かかる。最後の「12歳臼歯(きゅうし)」が生えて5年ほどたつと歯は安定し、20歳を超えると、簡単に虫歯はできなくなる。だが、歯に詰め物などの修復をすると、再治療を繰り返すことになる。だから杉山さんは「20歳まで詰め物のない歯を」と呼び掛けている。

 「日本では定期的に歯科で見てもらうのではなく、悪くなってから受診する。結果として、詰め物が非常に多くなっているのです」

 「詰め物のない歯」に向けた虫歯予防法の第一は、よく言われることだが、やはり食後の歯磨きだ。「市販の歯磨き剤にはフッ素が入っている。毎日使えば、最も虫歯の予防効果が高い」と杉山さんは訴える。

 歯磨きは朝夕2回、歯磨き剤はたっぷりの量をつける。うがいは2回までと少なめにする。就寝前は必須だ。「やらない時と比べて虫歯は半分になる」(杉山さん)。口に残る少量のフッ素が虫歯予防になるという。

 また、歯の再石灰化に有効な牛乳由来成分の「CPP-ACP」を含むシュガーレスのガムも、かむだけで唾液が出て虫歯を防ぐ効果がある。歯磨きとともに試してみたい。

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 ■ICDASによる虫歯の診査■

コード0 健全

コード1 エナメル質に目で見える初期変化

コード2 エナメル質の著しく明らかな変化

コード3 エナメル質の崩壊

コード4 象牙質への陰影がある

コード5 歯面の半分以下で象牙質が目で見える

コード6 歯面の半分以上に象牙質が目で見える