計画停電と非正規と原発ジプシー. | 【未来予測・世界情勢・政治・経済・金融・有事・戦争・災害・スポーツ・芸能・サイエンス等の時事情報ブログ】 http://ameblo.jp/e269/

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計画停電と非正規と原発ジプシー
今更の感はぬぐえませんが、厚生労働省が3月15日出した計画停電に伴う労基法第26条に関する通知文について少し。

 労基法第26条には、「使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければならない。」と規定されています。つまり使用者は自分の都合で会社を休業させて、労働者を働かせなかったとしても、最低6割の給与を支払わなくてはならないということです。これは以前、使用者が気にくわない労働者に対し、仕事を与えず、仕事がないのだから、給与も支払わないということがあり、あまりに労働者の権利が侵害されたことがあったが故の規定と聞いたことがあります。

 労基法の最大の特徴として、使用者と労働者という相反する利害を調整するためにつくられた法律であるため、どちら側に立って見るかによって全く異なった解釈がされ、人によって全く違う意味にとられます。

 この26条の解釈としても、6割払えば仕事をさせなくてもいいのだろうという話ではなく、本来給与の額は決まっているのだから、全額払うのが筋で、10割払わなくてはならないという解釈をする人もいます。つまり、原則全額だが、仕事もしていないのだから、一応最低基準を6割と規定し、これを下回れば罰則規定のある労基法で取り締まるということだけにすぎず、給与の額は民法の契約なのだから、裁判にもちこめば10割とれるという解釈になります。

 両者の立場に配慮して労基法は制定されているため、結果として両方から責められることがあります。今回の厚労省の通知に関する記事などをみるとかなり批判的なものが多いように思えますが、これは労働者が多いが故に、そちら側の視点に立って書いている人が多いだけにすぎないのではないでしょうか。

 実際、使用者側の立場に立てばわかることですが、勝手に停電にされ、仕事もできず、売り上げもないのに、労働者に給与を支払わなくてはならないとなると、これはこれでかなりつらいものがあるのがわかるかと思います。

 それに実際問題として、固定給の者の給与を停電時間分減額できるかとなると、これはこれで計算が難しかったり、今後の関係などもなり、使用者もあまりやりたがらないのではないでしょうか。

 そうなると悲惨なのは、時間給で働いている者で、時間で給与が決まっているわけですし、使用者との関係も薄いわけですから、こうした方々はしっかり給与が減額されることとなります。弱いところにしわ寄せがいくのが世の常とはいえ、何とも割り切れません。

 今回、計画停電の原因となった福島原発の事故をみても、実際に現場で作業にあたっているのは、高い給料をもらっている東電の正社員ではなく、関係会社の社員という名前の下請け企業の非正規労働者だったりするわけですから、ますますもって割り切れません。

 今から30年以上も前に、フリーライターの堀江邦夫は『原発ジプシー』という本を書き、下請け企業の非正規労働者が安い賃金で、こうした原発の管理にあたり「被曝」している可能性のあること等、様々な問題点を指摘しておりました。私も読んだのはかなり前ですので、大分内容は忘れてしまっております。今回の事件を踏まえ再度読んでみたいと思う本です。


 そういう意味でやはりもう一度読んでみたいと思うのが、広瀬隆氏の『東京に原発を!』です。こうなってみて何故東京の電気を福島で発電しなくてはならないのか、安全だというのなら、何故東京に造らないのか、彼の主張が実に的を得たものであったと今更ながら思います。