世界株安で金2カ月ぶり高値、原油は1年ぶり安値
世界的に株価が下落するなか、金価格が2カ月ぶりの高値をつけている。一方、世界的な景気後退懸念が高まったことで原油価格が1年ぶりの安値まで下落、原油市場からの資金の逆流が顕著になっている。
フィリップ・フューチャーズ(シンガポール)のアナリスト、エイドリアン・コー氏は「株式市場が急落するなか、金が勝者として勝ち残るのだろう。金価格が再度1オンス=1000ドルを突破するとの見方は強い。個人的には近い将来に1000ドルを突破するとみている」と述べた。 世界的な株安が進行し、世界レベルの景気後退懸念が高まるにつれ、安全資産への資金逃避の動きが強まり、金価格は週初から11%以上上昇している。 10日のニューヨーク市場で金価格は一時7月31日以来の高値となる1オンス=925.05ドルまで上昇した。今年3月につけた最高値の1オンス=1030.80ドルから11%低い水準まで戻した計算だ。0401GMTでは前営業日比0.27%高の1オンス=913.95ドル。5営業日連続で上昇した。 一方、原油価格は世界的な景気低迷で需要が減少するとの見通しから、1バレルあたり4ドル下落。これまではインフレ高進とドル安へのヘッジとして資金が大量に商品市場に流れ込み、原油価格は7月に1バレル=147ドルの最高値を更新した。しかし最近は安全な資産への資金逃避が加速し、価格は下落。現在は最高値から60ドル以上安い水準に戻っている。 原油価格の急落を受け、石油輸出国機構(OPEC)は今回の金融危機が原油価格に及ぼす影響を検証するため、11月18日に緊急会合を開くことを決定した。 米オプション取引業者ハドソン・キャピタル・エナジーのアジア・ディレクター、ジョナサン・コーナフェル氏は「OPECは1バレル=80ドル近辺で価格を支えたいと考えているのかもしれない。しかしOPECが何をしようと、商品市場から資金の逃避が続いているため、原油価格は下落を続ける」と述べた。 株安の影響は銅などの工業用金属の取引にも波及。ロンドン金属取引所では銅価格が一時1トン=4830ドルまで下落。2006年3月以来の安値を更新した。 MFグローバルのアナリスト、エドワード・メアー氏は「株式市場のパニック的な状況は他のマーケットに広がっている。当社のロンドンのディーラーは銅価格は1トン=3000ドルまで下落すると予測している。チャート分析的には3500─4000ドルが妥当だが、市場参加者はもはやチャートなど眼中にない。通常なら強い支持要因になるものが、現在のような環境下ではもろくも崩れ去ってしまう」と述べた。 銅価格が1トン=4000ドルを下回れば、2005年末以来となる。 他のベースメタルでは、ニッケル価格が10%、鉛価格と亜鉛価格がそれぞれ6%、アルミニウム価格は5%、下落している。 |