「雑草なぜ生えない」 解体1年半の紀南病院跡地(和歌山)
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田辺市湊の旧紀南病院が解体して1年半になるが、跡地に雑草が生えないことから周辺住民は「何か有害な物質があるからではないか」などと不思議がっている。跡地を管理する和歌山市の和歌山社会保険事務局や田辺市は、砕石を敷き詰めて固めているためと説明している。
旧紀南病院は、老朽化による新築・移転のため、2006年7月までに解体された。建物にアスベスト(石綿)が使われていたため、石綿を含む建材は県外の最終処分場で処理した。工事は大気中の石綿濃度を測定し、飛散がないことを確認して行った。 敷地面積は9490平方メートル。時折、住民や下校中の子どもが横切る姿があるだけで、砕石だけの広大な敷地が広がる。よく見ると、隅の方に地面をはうように生えた小さな雑草が数株ある程度だ。 近くに住む男性(55)は「雑草はかなり生命力が強いはずだが生えてこない。原因が分からないので不安」、女性(74)は「最初は、これだけ広いと草抜きも大変になるだろうと予想していたが、そんな心配はいらなかった。全然雑草がない。種も飛んでくると思うのだが」と首をかしげる。 市にも、同様の不安の声が寄せられるという。和歌山社会保険事務局によると、砕石は病院解体時のコンクリートがらを細かく砕いたものを再利用しているといい「和歌山市から遠隔地にあるため、管理上、草が生えたり、ホコリや土が飛んだりしないようにしっかり固めている」と説明する。 解体工事に伴う土壌調査では、一部の区画(約123平方メートル)で環境基準を少し上回る水銀や鉛が検出されたが、汚染区画の土を入れ替えており、有害物質の影響についても否定する。除草剤をまくこともしていないという。 地元の東本町町内会の小椋市也会長は「近くの宅地では3カ月もすると雑草が茂ったのになぜここでは生えないのか。地域住民にも不安の声は多い。詳しい説明が欲しい」と話している。 跡地には、市が図書館を中心とした複合文化施設を建設する計画で、市は土地を所有する厚生労働省に対し、跡地払い下げの要望を出している。和歌山社会保険事務局によると、現在、市と交渉中でおおむね市に売却する方向で進んでいるという。 |
