謎の多い「ゆっくり地震」の発生から収束までの全体像を、立命館大などが南アフリカの金鉱で初めて観測した。断層面が一気にずれ動く通常の地震と違い、ゆっくり地震では断層面の場所によって速度が異なる複雑な動きをしている可能性が判明した。ゆっくり地震は南海地震など巨大地震の想定震源域周辺でも発生しており、巨大地震発生の仕組み解明につながるとして注目される。
ゆっくり地震は、断層面が時間をかけてずれ動き、小さな揺れが0.1秒~1年間続く。発生メカニズムなど未解明の点が多い。
立命館大、京都大、東京大などは92年から、震源の近くで直接揺れを観測するため南アフリカの鉱山8カ所で観測を続けている。立命館大の小笠原宏教授(固体地球物理学)によると、04年6月14日、ムポネン鉱山の地下約3キロに設置した2基のひずみ計が、約500秒間にわたり小さな岩盤の変化をとらえた。
解析の結果、ひずみ計設置場所からわずか3~4メートルの地点を震源とするマグニチュード(M)マイナス1程度のゆっくり地震が起きていた。データでは、岩盤の動きを示す曲線の中に細かい階段状の変化がみられ、ずれの速度や大きさが部分的に異なる複雑な動きをしている可能性もある。日本などで観測されているゆっくり地震の記録は不鮮明なうえ、広範囲が一体となってずれ動くように思われており、それとは明らかに違うという。
小笠原教授は「ゆっくり地震が通常の地震と違う動きをするという、地震のイメージを変えることにつながる成果」と話している。
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