■国交省に危機感…「不適切例」作成し自治体に配布
魚巣を作っても砂で埋まり、無理に蛇行させた川があふれる…。国土交通省が進める自然を生かした川づくりをめぐり、国交省の専門家委員会が調査した河川の9割で趣旨に反した工事が行われていることが分かった。年に数千億円も費やす工事の大部分が不適切な工事だったことで、国交省は、異例の「不適切な工事例」をつくり、指針を全国の自治体などに配布、無駄な河川工事をなくすよう求めている。(三枝玄太郎)
国交省の多自然型川づくりは、河川が本来持つ生物の生育環境を生かし、美しい自然景観をつくりだす事業。平成2年から進められ、これまでに直轄、補助事業合わせて3万件近くが行われてきた。
平成14年度の場合、河川工事全体約5500カ所のうち約7割が多自然型川づくり事業として実施されている。国直轄、補助事業だけで河川事業費は平成14年度当初予算で約9800億円。約7000億円が多自然型川づくり事業と推測される。
本来、多自然型川づくり事業が想定していたのは、河原に草花が生い茂り、ビオトープ(生物の生息場所となるよう環境を整備した場所)がある川づくり。川が自然のまま流れ、コンクリート製の護岸は必要最小限にするはずだった。
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