国が創設した耐震診断・改修の補助制度をめぐり、昨年10月現在、診断は6県、改修については16道県で市町村が全く制度を導入していないことが分かった。一部経費が地元自治体の負担となるため財政難が背景にある。国は来年度からマンションの改修費用の補助率を引き上げるが地域格差の解消が求められる事態となっている。
05年4月に設けられた現行の補助制度では、耐震診断は、国と自治体(原則として市区町村)が費用全額か3分の2を負担し、改修は条件付きながら15.2%を負担する。制度導入は基本的に市区町村が判断する。推計値(03年)によると、耐震性不足の住宅は全戸の25%、約1150万戸に上り、国は15年までに耐震化率を9割に引き上げる目標を掲げている。
しかし、国土交通省のまとめによると昨年10月現在、耐震診断の補助制度を導入した市区町村は戸建てで全体の52%、マンションは10%にとどまった。また改修補助は、戸建てで27%、マンションはわずか4%だった。
耐震診断の補助制度導入の市町村がまったくないのは青森、秋田、香川、佐賀、鹿児島、沖縄の6県。改修補助がないのは、北海道、青森、秋田、山形、福島、福井、鳥取、島根、山口、香川、愛媛、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄の16道県だった。一方、阪神大震災を経験した兵庫県は、耐震診断、改修とも全市町村で制度を設けていた。
05年11月に耐震データ偽造事件が発覚。国は翌年、過去5年間に建築された全国の10階建て程度のマンションから無作為抽出して調査を実施。調査を終えた221棟のうち15棟(約7%)で、基準の5~9割程度の強度しかない疑いが判明している。
マンションの改修費用は億単位にもなり、同省は07年度から、マンション改修での国と地方の負担割合を3分の1に引き上げる。建築指導課は「財政負担が生じるので自治体によって差が生まれているが、好ましくないと認識している。積極的に導入を働きかけたい」としている
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