■電話口から心の叫び
いじめ自殺などが相次ぐなか、子供の電話相談「チャイルドライン」が11月6日から1カ月間行った集中相談で27都府県から9万件を超えるアクセスがあったことが分かった。NPO法人「チャイルドライン支援センター」(東京都港区)によると、相談内容を十分に把握できた約4000件のうち、いじめやいじめにつながる人間関係についての相談は1200件超。「死にたい」という言葉をすぐに使う子供も目立った。同センターでは「電話をしてくる子供は周りに相談する相手がいない」と分析、子供の話に耳を傾ける重要性を訴えている。
同センターによると、無言電話などを除き、実際に相談を受けたのは1万1203件。このうち相談内容が把握できた4068件を分析すると、「いじめ」についての相談は、小学校高学年から中学生にかけて多く、男女別では女子からの相談は44%が「いじめ」や「人間関係」についてだった。「いじめ」関係以外では「性」(678件)や「恋愛・異性関係」(333件)、「心の不安」(193件)など。
今回の電話相談で多かったのが「死にたい」という言葉をすぐ使う子供だった。自殺や自傷の相談は47件あった。小学校からいじめられていたという女子中学生は「『死ね』といわれるから死んでもいいかと思う。心で受ける傷よりリストカットは痛くない」と電話をしてきた。
これまでには「給食をこぼしたら『死ね』といわれた。クラスのみんなが『死ね』と言い出した」(中学生)という相談もあった。「死ね」「ばい菌」「くさい」などの中傷に対する悩みが最近の典型という。
同センターでは、相次ぐ自殺報道などの影響もあり、語彙(ごい)が少ない子供らは「つらさや苦しさを『死にたい』という言葉でしか表現できない傾向にある」と分析。「言葉に振り回されず、言葉の裏にある“思い”に寄り添うことが大切」と訴える。
また、最近のいじめの傾向として、(1)集団で1人をいじめる(2)無視をするなど陰湿(3)いじめを受ける期間が長い-ことを上げる。携帯電話のメールで誹謗(ひぼう)中傷や無視を呼び掛けるなど陰湿ないじめも多い。
同センターでは「電話をかけるだけでも勇気がいる。最初は何も話さくても10分くらい待つと声が聞こえてくることもある」と“無言のメッセージ”にも気を配っている。
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