『お姉ちゃん、自分の子どもが焼かれるの、想像したことある?』

「え、ないよ、気持ち悪い」

『そうだよね、ごめん』

「いや、こっちこそ、ごめん、何か」

『謝んないで、それが普通だから』

「…あたしは、子ども二人とも何も問題なく生まれてくれたから」

『そうだよね、私も流産なんてしなければ、こんなこと、絶対に考えなかったと思うよ』

「つらいね…」

『…うん、無理やり手術でお腹のなかから取り出されて、誰にも見送られることなく、捨てて、焼かれちゃったんだろうなって考えちゃうの、赤ちゃん』

「…つらいね」

『…うん、まだ人間のかたちしてなくても、我が子だからね』

「…そうだね」

『あと、たった8ヶ月お腹にいてくれれば、生んであげられたのになぁ』

「…そうだね」

『悲しい話して、ごめんね、もうくよくよしないって頑張ろうって思えるときもあれば、すごく悲しくなって涙が勝手に出てくるときもある』

「…うん」

『妊婦と赤ちゃん見るの、つらい』

「…うん」

『勝手だけど、わたしの視界から消えてって、思う』

「…うん」

『毎月、命日にお花屋さんに行ってね、かわいいお花を選ぶんだよ、ほんとうは、ベビー服とかおむつとかミルクとか、買いたかったな』

「……」

『泣いて、お花屋さんに心配されたこともあるの、もう笑い話だよね』

「…ごめんね、なにも、できなくて」

『ううん、話聞いてもらうだけでもいいの、お姉ちゃんありがとう』