AKB48・向井地美音、『アンフェア』娘役と共に歩んだ10年…活動休止、子役のジレンマ、アイドル再デビューの軌跡語る
http://news.mynavi.jp/articles/2015/09/04/mukaichi-mion/
2006年から続く人気シリーズ『アンフェア』が、9月5日に公開される『劇場版 アンフェア the end』でフィナーレを迎える。今後、篠原涼子演じる雪平夏見に会えなくなると同時に、ひとりの少女の"成長記録"もこれで最後となる。向井地美音が雪平の娘・美央役に抜てきされた当時は7歳。一時は芸能界から退きながらも、2013年にはAKB48メンバーとして再び芸能界に返り咲いた。彼女にとっての『アンフェア』とは? そして、なぜアイドルとしての復帰を選んだのか? 篠原の素顔、共演者との思い出、子役デビューのきっかけと活動休止の真相、子役の記憶力とジレンマ、家族の支え……"成長記録"の締めくくりにその足跡をたどる。

――ついに『アンフェア』が終わってしまいますね。
そうですね。10年続くシリーズはなかなかないので、終わってしまうことは寂しくもありますが、そこまで続いたことは出演者の一人としてうれしいです。今までいろいろな作品に出させていただきましたが、やっぱり一番反響が大きいのは『アンフェア』でした。周りの人にも「アンフェアの子だよね」と話し掛けていただくことも多かったので、見てくださっていることを実感していました。
――ドラマから出演されていますが、最終章となる今回はAKB48のメンバーとしては初出演となります。これまでと心境は違いましたか。
はい。今までとは違いました。子役時代に出させていただいていた時は全く緊張しませんでした。なぜか分からないですけど(笑)。周りの大人の方々に支えられてやらせていただいていたと思います。AKB48ではいつもまわりにメンバーがいるので、今回は「一人の仕事」としてすごく緊張する現場でした。
――ドラマが放送されたのは2006年。向井地さんが7歳くらいの時ですが、当時の記憶は?
なんとなくです(笑)。トラウマで声が出なくなってしまう役でしたが、最終回で声を出した場面は今でも覚えています。あとは、木村多江さん(牧村紀世子役)と監禁されていたシーンも思い出です。特にビスケットを半分に分けるところ(笑)。木村さんは合間に一緒にお絵かきしてくださったり。でも、ビルの屋上から東京タワーを見るシーンは、私の人生でトップ5に入るくらいすっごく寒かった! 木村さんと一緒に凍えていました(笑)。
ドラマがクランクアップした時、父親役の香川(照之)さんがピンクのかわいい腕時計をプレゼントしてくださいました。当時の私には大人っぽいデザインだったので、もう少し大人になってからつけようと思って、今でも大切にとってあります。
篠原さんとは思い出がありすぎて、何から話せばいいのやら(笑)。初対面は……さすがに覚えていません。最初のシーンは幼稚園で篠原さんの手を振り払うシーンだったのかな。いつも優しく接してくださって、役柄はクールですけどカットがかかるとかわいらしい雰囲気になって、とてもギャップのある方なんです。お茶目でいつも笑わせてくださっていた思い出があります。
――久しぶりの共演でしたが、その篠原さんのイメージに変化はありましたか。
全然変わっていません! この10年の間、私の中での篠原さんのイメージは、雪平のようなクールでかっこいいイメージの方が強かったのですが、今回の撮影で「あの時と同じ篠原さんだ」と感動しました。スペシャルドラマや映画で数年ぶりに再会しても、「母と娘」を演じていた雰囲気に戻してくださいます。私のことを"みおんたん"って呼んでくださるんですよ(笑)。

――ほかの方も含めてですが、『アンフェア』以外の現場で再会することはないんですか。
そういえば、ありませんね(笑)。私にとっては、『アンフェア』で再会させていただく皆さん。いつも「大きくなったね」とか声を掛けてくださいます。10年という時間で一番変化や成長があるのは子どもだと思うし、しかも私は今AKB48のメンバー。そういう意味では皆さんにとっては衝撃的だったんじゃないかなと思います。
――向井地さんのクランクインの現場が、篠原さんのクランクアップだったそうですね。
そうなんですけど、直前まで篠原さんがクランクアップと知らなかったんです! 知らずに現場に入ったら、「このシーンで終わりなんだよね」と言われて。私とのシーンでいいのかなって申し訳ない気持ちでした(笑)。10年続くシリーズの最後のシーンですよ? 最初は緊張していましたが、篠原さんは変顔で和ませてくださいました。"雪平"の最後に立ち会うことができてうれしかったです。
――スタッフの方々は、たとえ向井地さんが芸能界を辞めていたとしても、出演してほしかったそうです。数々の裏切り者が出るシリーズで、向井地さんが演じた美央は誰よりも"フェア"でした。それほど重要な役だったのかもしれませんね。
スタッフさんにそう言っていただけるのは本当にうれしいです。『アンフェア』は観ている方が、登場人物の全員を疑いたくなるほど、裏切り者が出てくる作品です。そんな中でも唯一、みなさんが信じることができるのが美央なんじゃないのかなと。『アンフェア』の中の"救い"だったと思います。

――このシリーズ以外にも子役時代には様々な作品に出演されていました。子役になるきっかけは?
私が2歳くらいの時に両親が芸能事務所に応募したのがきっかけです。最初はCMや広告に出させていただくことが多かったのですが、成長するにつれてドラマの仕事もさせていただくようになりました。物心ついてないころからこの世界でお仕事をさせていただいていたので、私にとっての子役は……何だったんでしょうね(笑)。
――子役の中にはそのまま仕事を続けていく方もいますが、向井地さんは一時期芸能界を離れましたね。ご自身の選択だったのですか。
そうです。演技のお仕事も楽しいですが、中学受験をすることになって、普通の中学生としても人生を歩んでみたいなと思って、中学時代は芸能活動をお休みすることにしました。普通の女の子になって気づいたのは学校という空間が好きで、そこで過ごす時間が楽しかったということ。人生の中でそういう時間があったのは、今でも良かったと思っています。
――そこからの復帰がまさかのアイドルです(笑)。
そうなんですよ(笑)。芸能活動をお休みしている時も、具体的にいつから再開しようとかあまり考えていなくて…。どちらかというと私は今を楽しむタイプ。中学時代に仲良くなった子がAKB48ファンでその影響で私も好きになって、「今を楽しむ」ためにAKB48に挑戦しようと決意しました。普段は消極的なんですが、なぜかそういう時だけ急に大胆な行動に出てしまいます(笑)。受かるとは思ってなかったので、びっくりしました。
――ご両親はどのような反応でしたか?
ちゃんと相談していなかったんですけど、なんとなく気づいていたみたいで。私が毎日のようにAKB48のことを見たりしていたので、それで勘付いたのかもしれません。母が「受けてみたら?」と勧めてくれました。
――そして見事に合格。友だちも驚いたでしょうね。
受かった最初の頃は、本当に仲が良い1人、2人以外の友だちには何も伝えていなくて。なんとなく秘密にしたかったんです。デビューして顔が出た時にすっごく驚かれました(笑)。子役時代とは違った厳しさがありますが、AKB48のメンバーとして活動することはすごく楽しいです。やっぱり歌って踊っている時間が楽しいですが、何よりもいろいろなことに挑戦できるグループというのが私にとっては一番幸せなことです。

――AKB48として芸能界に復帰し、初めて出演したドラマが昨年の『セーラーゾンビ』(テレビ東京系)でした。ほかのメンバーとの共演でしたが、久しぶりの演技はいかがでしたか。
ゾンビ役のメイクをしてグリーンバックの撮影だったので、演技をしたという実感はあまりありませんでした(笑)。久しぶりの演技として緊張したのは『マジすか学園』。『アンフェア』をやっていた子役時代のことは覚えていますが、実際に演技を「どのようにやるのか」を全然覚えていなくて。だから、私にとっては「全く新しい人間」として演技のお仕事をやらせていただいている感じです。
――ご本人としてそう思っていても、周囲は経歴から判断して演技力に期待しそうですね。
そうなんです! 演技うまいよね、みたいな感じで見られることもあるんですけど、自分としては自信はありません。むしろハードルが高くなってしまう感じで、つらいです(笑)。演技に関しては現場の方々に指導していただきながら、必死に勉強しています。将来的には女優さんを目指して頑張りたいんですけど、私は「今を楽しむ」派なので(笑)。だからまずはAKB48一筋で頑張りたいなと思います。
――そこであらためて聞きたいのですが。先ほども申し上げましたが、制作サイドにとって向井地さんは『アンフェア』に欠かせない存在でした。向井地さんから見て、『アンフェア』はどのような存在ですか?
自分の人生に欠かせない存在です。この10年で一緒に成長させていただいたという思いがあります。私が演じた美央も物語の中で同じように成長して、まさか10年後に17歳で出させていただけるなんて、当時は思ってもみませんでした。
――子役に応募したご両親にとっても、今回の出演は感慨深いでしょうね。
そうですね! 今回のお話は、スタッフさんからさり気なく「出るらしいよ」みたいにサラッと言われて(笑)。確か紅白歌合戦の楽屋だったと思います。そんな状況で言われたので、私の方がビックリしていました(笑)。でも、出演が決まったことを両親に話したら、すごく喜んでくれましたので、うれしかったです。早速試写で観て、楽しんでくれたみたいです。「大きくなって成長を感じた」と言ってました。向井地家のみんなを成長させてくれた作品、それが私にとっての『アンフェア』です。

■プロフィール
向井地美音(むかいち・みおん)
1998年1月29日生まれ。埼玉県出身。子役として芸能界デビューし、2006年のフジテレビ系連続ドラマ『アンフェア』で雪平の娘・美央役に起用される。その後も、2007年の映画『アンフェア the movie』、スペシャルドラマの『コード・ブレーキング~暗号解読』(06年)と『ダブル・ミーニング ~二重定義』(11年)に出演。中学校入学を機に学業を優先するために芸能活動を一時休止。2013年にAKB48の15期生オーディションに合格して活動を再開した。
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両親も試写会にいらっしゃっていたんですね^^
>演技うまいよね、みたいな感じで見られることもあるんですけど、自分としては自信はありません。むしろハードルが高くなってしまう感じで、つらいです(笑)。
これはそうだろうなと思います
紅白の楽屋で知ったんですね
これまでの集大成的な内容の濃いインタビュー記事です^^