偽装が明らかになったホテルの飲食店にはこの日、「お詫(わ)び」の看板が一斉に掲げられた。
ホテル阪急インターナショナル(大阪市北区)の直営中華料理店は2012年から今年9月まで、九州南部の「霧島ポーク」としていたコース料理の一品で、産地の違う豚肉を使用。仕入れ先が「霧島ポーク」と説明したといい、幹部は「しっかりと産地の証明書を見せてもらうべきだった。ホテルは信頼が第一なのに……」と肩を落とした。
昨年7月から1年間、有機野菜でない食材を「有機野菜」としたホテル阪神(大阪市福島区)の中華料理店は、幹部が取材に「本社でなければ対応できない」と困惑した表情。また、直営レストランなどの21メニューで偽装があった六甲山ホテル(神戸市灘区)は、連絡先の分かる団体客に電話で連絡を始めた「2年ほど前に利用したが大丈夫か」などと一般客から問い合わせがあったという。
「ホテルだから安心と思っていたのに……。もう信頼できない」。オムライスで虚偽表示をした大阪新阪急ホテルの喫茶店を利用していた70代女性が憤った。牛脂注入肉と明記せずに柔らか牛肉と表示していた「宝塚ホテル」(兵庫県宝塚市)では、金沢市から妻と旅行に来た宿泊客の男性(66)が「一流ホテルで、リッチな気分を味わいたかったのにがっかり。次も来たいという気持ちが失せます」と話した。
信用をなくすことって取り戻すのがたいへんでしょう。
私たちの人間関係も同じですね。