板東英二事務所、5千万円所得隠し 本人が主導か
12月27日 09:04
元プロ野球選手でタレントの板東英二さん(72)の個人事務所「オフィスメイ・ワーク」(名古屋市名東区)が、名古屋国税局の税務調査を受け、7年間で約8千万円の申告漏れを指摘されたことが分かった。国税局は、うち約5千万円は取引先への架空外注費などによる所得隠しと判断。重加算税を含め約3千万円を追徴課税したとみられる。
板東さんは事務所の実質経営者で、国税局は板東さんが主導し所得を隠したとみている模様だ。オフィス社は「当局の指導に従い、すでに修正申告し納税した」としている。
関係者によると、オフィス社は、大阪市のイベント企画会社にテレビ番組の企画制作や商品開発などを外注したように装い、企画会社が受け取った代金を還流させていた。また、倒産した名古屋市の自動車販売会社に金を貸したようにみせかけ、回収できなくなったとして費用に計上するなどしていた。
こうした操作で隠した所得は、2005年8月期から11年8月期までの7年間で約5千万円とされる。他に板東さんが個人的に使った約3千万円をオフィス社の経費に付け替えていたという。
大阪市の企画会社の関係者は、朝日新聞の取材に「板東さんの指示で架空の請求書を出した。請求通り入金された」と説明した。
板東さんは1959年、プロ野球中日ドラゴンズに入団。投手として通算77勝65敗の成績をあげた。69年の退団後、野球解説から司会レント活動が主な収入源。板東さんは取締役を今年7月に辞任したが、経理から管理・運営まで仕切る実質の経営者となっている。売上高は10年8月期で約5億4千万円。