49歳で人生初の結婚をし、農家の嫁となった私。


それまであった自分の時間というものが、必死に作ろうとしない限りなくなってしまった。
農家の嫁ということも、義父母と同居ということも、初めてありありと実感する。

そりゃそうだよね、これまで自分なりの時間の使い方をして、ある意味自分勝手に生きてきたのだから。。

そんな中で、仕事と家事の狭間でもがく私。

農業の仕事をしていると、あっと言う間に「お昼」の時間や「夕食」の時間がやってくる。
あ~~もう少ししたんだけど、、あそこまで終わらせたいんだけど、、という気持ちを抱えつつ、妻であり嫁の私は、先に仕事をあがり台所へ向かう。なんだかジレンマ…。

仕事が忙しくなると、ついついそちらを主体に考えてしまう。
今までがそうだったんだから仕方がないんだけど…

ある時ふと、農家の嫁の先輩である実母はどうしていたのかな?と聞きたくなった。

「お母さんと婆ちゃん、(家事の分担)どうしてた?」の問いに
「そらの~。忘れたが。」
と、母。

絶対に忘れることはないことを、忘れたという母。


だから、その言葉を聞いて分かったんだ。

鈴木シズと和子の間には、シズから和子へ受け継がれたものが確かにあって。
ある時、母は「なんでオレ(私)ばっか…」と泣いていたけど、きっとそれを超えたから今の母がある訳で。
シズと和子の間でしっかり育まれたものがある訳で。
和子の中で息づいているものがある訳で。

そして、義母と私の間にも二人の間での育み合いがあって、

それは喜久枝と恵美子の間で紡がれるもので、二人の間だけのもので。
嫁と姑とは、その二人だけのトクベツな関係なんだなぁ、と。

そんなこんな考えていたら、初めて義母から
「恵美ちゃんに教えておくぞ」
と言葉を貰った。

それは…

「もし(夫が)浮気をしたら、家と財産と子供(まだいないけど)をもらうんだぞ。本妻なんだからな。
家を出たら女は実家には帰れないんだから。そうすれば、生きていけるから。」

さすが義母である。

まだ始まったばかりの、喜久枝と恵美子の物語。
どんな関係を築いて、どんなものを引き継ぐのか

どんなものが新たに私の中に息づくのか…。

 

嫁と姑の間で育まれるトクベツな関係は、

きっと二人だけの宝物なんだな。