私は、昔、高校教師をしながら学習塾を経営していました。
学習塾では小学校2年生〜高校3年生までいました。
こんな問題がありました。
「1辺2cmの正三角形の周の長さはどれだけでしょう?」
正三角形の形をちょっと思い描いてみれば、
公式もなにもいらない。
すぐわかることですよね。
(しかも、その問題には、正三角形の図まで書いてあった!)
その問題を、
ある小六男子が、できなかった。
手も足も出ない状態。
どれだけヒントを出しても、わからなかった。
そんな、
ちょっと頭を使えばできることが、
まったくできなかったのです。
彼は、
公式つかって面積などの計算も普通にできる子でした。
計算の仕方も知ってる。
でも、
公式がなかったり、
やりかたが手取り足とり教えられていなかったら、
まったくお手上げ。
それって、どういうことかわかりますか?
完全思考停止状態です。
頭が使えない。
考えられない。
与えられたことしかできない。
「うちの子はそんなことないわ」
って、たぶん、思ってますよね。
でも、
東大に何人も合格してるような進学高校の子でさえ、
この「思考停止状態」の生徒を、
たくさん見てきました。
そういう子たちを見るたびに、
悔しくて悔しくて仕方なかった。
しかも、本人も親も、
その問題に気づいてさえいない!!!
どうして、
こんなふうに育ってしまったんだろう?
どうやったら、
この子達の「考える」力を蘇らせることができるんだろう?
その答えのひとつが「シュタイナー教育」でした。
こんな背景があるので、
わたしは、シュタイナー学校の生徒だけでなく、
他のメインストリームの学校に行っている生徒にこそ、
シュタイナー教育の算数・数学の学びを届けたいと、
切実に、願いました。
それがe-waldorfの活動です。
今月やっと、
小学校1年生から6年生までの
全学年をカバーする
講座開講までこぎつけました。
新学期を前にして、
気持ちを新たに取り組んでほしい。
自分の頭で考えていける人に育ってほしい。
そう強く願って、
そのための講座つくりに力を注いでいます。
今日、夕方18時に発表します。