教育方法いろいろありますが、
「褒めて育てる」ことを絶対的に信奉している人は多いです。
でも、褒めて育てることには、
落とし穴があります。
それも、大きな大きな落とし穴。
人間性を変えてしまうくらいの落とし穴です。
褒められると、嬉しいですよね。
大人でも嬉しいです。
褒められることがうれしくて、
もっとやろうと思うし、
頑張ろうと思う。
成果を出そうと思う。
それで、
成功しているのは、誰ですか?
やった本人ではなくて、
「褒めて勉強させよう」
「褒めていい成績とらせよう」
「褒めて言うことをきかせよう」
と思って「褒めた人」が成功者です。
だって、相手をコントロールできて、
実際に勉強やらせていい成績がとれたんだもの。
しかも、やった本人は満足してるし。
やった本人は、「できた」と思っているけれど、
大きな盲点は、
「動機が自分から出ていない」
ということです。
人間が力を出せる時って、どういうときですか?
人間が本当に成長するときって、どういうときですか?
それは、
自分が心底「やりたい」と思うとき。
まわりの誰かに言われたこととか、
先生や上司に褒められるためとか、
そんなのは、動機は、自分の外にあります。
自分の中からふつふつと湧き上がってくる、
やりたい!
知りたい!
達成したい!
そんな気持ちではなくて、
自分以外の誰か、
まわりの誰かや環境の「ものさし」で、
自分を動かしているということ。
ときには、
それも役立ちます。
それをうまく利用して、自分を鼓舞することも、
自分の意思で活用しているうちはいいです。
でも、ほんとうに自分らしく成長し、
自分らしく生きる・・・
自分のほんとうに願っていること、
理想としていること、
やりたいと思うこと、
正しいと思うこと、
それを、実現していきたい!
強い力を発揮したり、
継続する力になったりするのは、
動機が自分の中にあるときです。
やりたい、
たのしい、
しりたい、
もっとできるようになりたい。
「褒める」という行為を繰り返していると、
まわりのものさしで行動する・・・だけの人間を、
着々と育てていることになります。
自分の考えをもち、
自由で、
強い、
人間らしい人間を育てたたいと思ったら、
褒めてコントロールするのではなく、
内側にある動機を刺激してあげてください。
とくに、子どもには。
子どもを育てる大人は、
子どもの生き方に影響を与える存在ですから。