義父の様子を、
付かず離れず見守る日々。
義父は、90歳を超えてもなお、元気で、
老人の買い物送迎のバスの添乗をしていたりして、
自分よりも下の方たちの世話をしているのが、
自慢でもあったのだけど…。
末期の痛みに苦しんでいる。
日曜日の朝、
夫の従姉から、急な電話があり、
『今から行く』と、言う。
義父が、
名古屋で、大きな病院の看護師をしている、
その姪のことを思い出し、電話をしたのだと。
主治医が出す薬では、痛みがなくならないので、
他に良いものがないか、と考えたらしい。
別に順番があると決まっている訳ではないけど、
思いついたら即行動、の義父らしい。
その次の日曜日にも、
従姉から電話があり、
『今から、掃除に行く。』
と、言ってくれる。
確かに、義両親の身の回りは、
すっきりとは、かけ離れている。
夫から、
『掃除しに来るって。』
と聞いて、
『何だそれ?』
と、思った。
はいはい、と応える夫にもあ然としたが、
掃除しに来ると言う従姉にも、あ然とした。
夫に、電話をかけ直してもらうも、ラチがあかず、
私が、話すことにした。
従姉の両親、義父の弟夫婦が、
病気になり、亡くなるまで、
義父は、何度も足を運んだらしい。
親戚の中で、一番よくしてくれた、
と、従姉は、恩義を感じているらしかった。
『おじさんを、見習おうと思っていた。』
と、話してくれた。
従姉の気持ちもありがたいし、
義父のこれまでの徳が、返ってきている、
とは、思ったが、
従姉の言葉が、気になった。
『私は、家政婦でいいから。』
義父は、ハッキリ言ってしまうと、クレクレ星人だ。
私の見方も捻くれているかもだが、
自分をよく見せるために、外ではがんばれる人。
外で使ってエネルギー不足だから、
家族内では、我関せずか、
利害が絡むと、口うるさい人。
今回、病気になり、はっきり見えてきた。
要望をきちんと言えず、
相手が察してくれるように言う。
親子の関係、弱者の立場を、
それとなく、匂わせながら…。
こちらが、線引きしていないと、
ずるずると引き込まれて疲弊してしまう。
または、罪悪感を持たされることになる。
私は、今はもう、
そういうことがわかるようになってきたから、
自分の領分を意識して、はっきり言うことにしている。
自分が、できることをやるだけ、
それ以上は、がんばらない。
無理すると、『こんなにやっているのに…。』
と、反動がくるだけだから。
義父は、無意識でやっているだろうから、
今では、そこも、やんわり指摘する。
だから、
従姉の言動が、気になる。
家政婦でいい、なんて言葉が出てくるのは、
伯父への恩返し以上に、
従姉自身の心の問題が見える気がして。
後日、従姉の話をしていたら、
『職場が大変って、言っとったわ。
いじめられてるって。』
と、夫が話した。
私は、従姉に、
『遊びに来たってください。
顔見て、話すと、元気が出る人だから。』
と、お願いした。
義父の介護を通して、
いろんな人間模様を見せてもらっている。
お読みいただき、ありがとうございます😊