【夢だったピアノ】
えーと。
何から書けばいいかなぁ。。。
頭に浮かび上がってくることを自然に書いてみることにしよう。。
今ね、
ロサンジェルス郊外にある心耕プロジェクト・「E8」にいるんだぁ。
Mr.Liと僕二人で作ってるから まだ工事中だけどねぇ。
でもねぇ、ここにいると心が落ち着くんだぁ。
以前日本で出会ったマイちゃんの言葉を借りると、
この場所は僕にとって「隠家」でもある。
別に誰から隠れているわけじゃないけど、
周りから影響を受けることがない自分だけの時間が
ここにはある。
今ね、
土曜日の早朝、ここに来てこの手紙書こうって思った。
この手紙が発行される時は日本は日曜日の朝。
お父さんが息を引きとり他界してちょうど今日で一年目。
お母さんは昨夜十分睡眠とれたかなぁ?
「お母さんは大丈夫から安心してね」っと言うけど
お母さんが安心してねって言う時は安心じゃない時が多い。
でも、お母さんは自分で大丈夫って言うことで
不安定な時でも大丈夫にしてしまう不思議な力を昔から持ってる。
だからこれからも彼女を信じようって思う。
一年間、いろいろなことがあった。
みんな自分なりに辛抱して、
心の中で泣いて,
大丈夫ってふりをして頑張ってきたんだよねぇ。
一人一人、
違った悲しみかたがあり、
表現のしかたも違ったねぇ。
一年通して、
一番辛かったのはお母さんだろうなぁ。
一年通して、
一番頑張ったのもお母さんだろうなぁって思う。
お母さんを見ていると、本当にすごいなぁって思う。
お母さんからいろいろなことを学ぶことができたよ。
大人になってから見るお母さんは
母という肩書きから、
谷垣紀子という人としての人間性を讃えることができる。
当然、落ち込み誰とも会いたくない時もあった。
変えることができない昔の出来事に愚痴を言い続けることもあった。
ずっと一人で泣いている日々もあったと思う。
一人にしてしまって、本当にごめんね。お母さん。
でも、やっぱり、お母さんは大丈夫なように振る舞い、
毎日練習してるんだよねぇ。
最近は朝早起きして、
近くのクラブにエクササイズに行くんだってね。
以前は外にでるは絶対に嫌って言ってたのに。
その帰り際にオシャレなカフェに行き、
時間を気にすることなくコーヒーを飲むんだって。
それから景色を眺めながらランチを食べるんだって。
すごいねぇ。お母さん。
その調子だよ! もっと毎日を楽しんでいこうね。。
お父さんのためにも。。。
「お母さんが行くところはねぇ、
昔お父さんに連れて行ったもらった場所なの。」
彼女はそう言って嬉しく悲しい表情をする。
お母さんなりに、
亡きお父さんとの思い出を楽しんでいるだなぁって思うと、
遠く離れた場所にいても、涙が沢山流れてくる。
今ね、
昔から夢だったピアノが8ヶ月の時間を経て、
隠れ家「E8」のロビーに届いたよ。
ピアノのそばにはねぇ、
お父さんが昔からずっと夢で欲しがってた
建築家フランク・ロイド・ライトがデザインした
オリジナル・ライトスタンドを置くことにしたよ。
このスタンドもTaliesin Westにお願いして特注 笑。
無理なお願いなのに頑張って作っていただきました。
みんな、本当にありがとう。
このロビーはお父さん、お母さん、
そして頑張ってきたみんなへプレゼントするねぇ。
じゃぁ。 また書くね。
See ya,
: D
Pasadena, California
08.15.21