【Dear my Engineer.】 | カリフォルニアの建築家日記

【Dear my Engineer.】


【Dear my engineer】


ハリウッドのプロジェクトを進行中、
構造上の問題点が起きたんだぁ。

ヘッド同士が話し合う内容となり、会議を要求したけど、
スケジュールがあわないとのこと。。
1週間前にアポをとり、5つのドアを通ってやっと15分のアポを取る。
ロスが一望できるペントハウスにある彼のオフィスは
“流石。世界一流クラス”という感じ。

話している間も、常に電話がなり、
肝心の内容もとぎれとぎれ。

2000人の部下をかかえる彼は、
毎日の時間は仕事を取るためにあったようなもの。

「なぜ僕はこの仕事をはじめたのだろうか?」

“こんな仕事に関わることができる”ではなく、
“この仕事をしなくっちゃいけない”というライフスタイルに
いつの間にかなってしまったのか。。

彼はそんなことを考え始めた瞬間から、
当時は夢だと思っていたポジションが
一番最悪なポジションだと考え始めた。



1年後、自己退職。
みんなからは世の中に対応できなかったと言われた。
でも、彼は
「自分が満足できる仕事をまた始めからしたいから。。」


4年前、ロサンジェルス・チャイナタウンのレストラン。
ふとしたきっかけで彼に会う。


相変わらず蝶ネクタイをしている珍しいキャラクターで有名な彼は、

「HI D! Haven't see you for years!!! Guess what??」
“D 本当、ひさしぶり! ちょっと聞いてくれよ!”


当時会った時とは全く違う。

まだ、20年以上かけて造った眉間のシワは消えないけれど、
目の奥から自由気ままな魂が溢れ出している。


彼との共同作業はそうやって始まった。
インド、クウェート、スイスにサウジ。

構造・配管・水・電気。
建築で一番重要な部分は彼の助け無しには
今日の僕は存在しないんだぁ。。

「始めは当然貧乏さ!」

「貧乏とはお金がたりないということだけ。。」

「貧乏は人の質を計るものじゃないからねぇ。。」

と笑って食事をしたことを覚えている。


「いつか僕が生まれた香港でDと一緒に建築をしたいなぁ。。」


そんな夢のような話をしてチャイナタウンでディナーをしたっけ。


こうやって小さな夢が生まれる。


5年後、もう一つの夢が現実になろうとしている。

全てはそんな創造から始まり、
計画を立て、実行する。



ドラえもんが言ってたっけなぁ。


“創造した時、未来の自分は既にその事柄を体験している”

カリフォルニアの建築家日記
Meeting with my life-long engineer, Jacob, Kong Kong, March 2010



See ya,


:D