早く元気になれよ。 | カリフォルニアの建築家日記

早く元気になれよ。

LAX(ロサンジェルス空港)に戻るとハービーが入院した病院に直行した。

彼は子供のころから腸が弱く、食べるものに気をつけないと詰まってしまうらしい。

若いからといって安心してはいけないと話していた矢先だった。

病室へいってみると、ノウィーン(ハービーの彼女)がそばにいた。

ハービーは5歳年下だが ビジネスのパートナーでありブラザー(弟)みたいな関係だ。

そんな彼が病室で横たわり、IV-Intravenous therapy (静脈注射療法)や胃の中にあるサブスタンスを吸い取るために鼻からチューブが入っている姿をみると、言葉にあらわせない感覚を覚える。

子供のころ、弟がケガをして、膿んだガーゼーを母親が取り替える時、弟と一緒に自分も涙が出てきた体験と全く同じだった。 

かなり痛いらしく、モルヒネも3時間おきに注入している。

そんなとき、自分は何をいっていいのだろうか?  
横に座るとハーヴ(ハービー)が自分の存在に気づきゆっくりと微笑む。

「ヘーイ」
話すと痛いらしく小さな声でささやく。

「How u feeling..」 (How are you feeling?)
それぐらいしか いってあげられない。 

命には別状がないので安心するけど。 

病室にあるテレビ番組を3人で観る。 ジョーク番組やコメディーのトークショーが多い。

ハーブも少しづつ話しはじめる。
「How's cisco.. can you pull it out?」
サンフランシスコはどうだった?  出来そう?


こんな時でもプロジェクトの話しをしている。

「Don't worry about anything for now. You just need to focus on what you have on your plate.」

今は何も考えなくていいよ。  まず自分の目の前にあることに集中するだけでいいよ。


「Yeah。。 I knew what you're gonna say... well, All I got is 'IV' and 'Morphine'」
あぁ。 わかってるよ。。。  今、自分にあるものって'IV'と'モルヒネ'だけさ。 笑


結局ジョークで盛り上がってしまった。 モルヒネをもっと注入すれば凄いデザインができるかもしれないとか。。。 周りにある装置や、病室の良し悪しなど、改良する部分も沢山ある。 

好きなことや興味があることに考えを集中すると、どんな状況でもエネルギーが上がるものだ。

病人が今の病室にいたら、もっと病気になりそう。勇気がわいてこない部屋だ。俺達だったら、こうしてああするねぇ。。と言う具合。


時間が流れるは早く、訪問者受付時間が過ぎようとしていた。  



「Harv, you can't change what happened already, man. But let's think about what it means to you :)」
ハーヴ、起きたことはもう変えられない。 だったら起きたことが自分にとってどのような意味があるのか?を考えてみようよ。


「What you have right now is Time, don't you..
Time to recover, Time to relax, Time to sharpen your mind, Time to spend time with your family and friends」

今、ハーブが持っているものは 時間じゃないかな。
リカバーする時間、リラックスする時間、心をシャープにする時間、家族は友達と過ごせる時間。

「Oh,yeah..I have a lot of time to play with my iphone!」
そうだ!。 iphoneと遊ぶ時間も沢山ってわけだ! 笑



「。。。。。」







早く元気になれよ。


カリフォルニアの建築家日記
IV-Intravenous therapy (静脈注射療法
難しいく聞こえるけど、ゲータレードみたいなもの?





D.