BALI その22 守備と攻撃
ティム
「ダイス、頼みがある。 彼女から聞いたけど、武道をマスターしてるって聞いたんで、相談があるだ。 もしよければ僕のセキュリティーに教えていただけないか。」
そんなことから始まった。
武道とは攻撃ではなく、自分の知る宗教みたいなものだと思っている。
確かに、見かけはかっこいいし 腕を振るうのは訓練すれば誰でも簡単。 ただトレーニングすればよいから。
自分がならった武道は一般では剣道の素となるもだかそれに合気道や、ストリートファイトのノウハウが入っている。 子供に恵まれなかった故松井先生はやんちゃで手におえなかった僕を5歳から一緒に育ててくれた第二の親である。 その先生から武道を教えてもらう際、このような事を約束した。
「武道とは使わないために学ぶものだ」
動かなければ音たたず。 だが、動いてきたら音を消すといった哲学。
そんなことを思い出しながら、セキュリティーを勤める一番のボスと型を組む。
あら。 結構がっちりしてるねぇ。 内心思ったけど。笑
「あなたの仕事はここのビラに泊まるお客さを守るためにあります。 けして、相手を倒すためにあるのではありません。」
武道は今日・明日でマスターできることではないから 基本だけ教えます。
第一に観察力。
第二に重心の考え方そして間合いです。
第三に攻撃ではなく、防御です。
相手と戦う場合、90%は訓練されていない人と戦います。 また80%が右利きです。
これを理解しながら 回りにあるものを常に観察しておくべきです。
ほら、ここには灰皿、 ナイフ、 あちらには傘、 こっちには本、
また、あなたの上着ポケットにはボールペン。
このように相手が攻めてくる場合、凶器となるものはたくさんありますねぇ。
重心が崩れる時攻撃力が衰えます。 人の流れを崩すことで自分を防御する形にセットアプします。」
ナイフを持つ場合、胸からナイフの先までの距離を保てばどんなに大きな人と戦っても自分には影響がありません。 この間合いを取ることで防御する形をとります。
この間合いから中に入ってくる場合は攻撃に変わります。 まず相手に攻撃させることで「動き」を創ります。
相手が10のちからを持つ場合、自分は「1」のちからで大乗ぶです。
相手の「10」に自分の「1」を足せば、自分は「11」の力を持つということを覚えてください。
見かけではなくて、考え方です。
そんなことを話しながら、「防御術」のテーマで夜を過ごした。
DISINIのセキュリティーには要チェックです。