雷鳴が轟いている。

 ここ一週間、雷鳴が止むことはない。

 そして、たまに雷が落ちる。

 不思議な雷で、たとえ建物の中にいても、人間を直撃する。

 そして、雷に打たれた人間は、一度死ぬが、復活する。

 元の姿ではなく、黒焦げのゾンビとしてだ。

 ゾンビになった者は、もう雷に打たれることはない。

 ただ、町を彷徨うだけだ。

 人間を襲うこともない。

 襲われることはなくても、黒焦げの死体が数多く彷徨い歩いていたら、気味が悪いなんてもんじゃない。

 ここは地獄かと思ってしまう。

 いったい、これはなんなのだ。

 一週間で、この町の住民の半分が、ゾンビになってしまった。

 ニュースを観ていると、全世界でこの現象は起こっているみたいだ。

 世界中の学者が知恵を絞って原因を解明しようといているが、誰一人答えを出した者はいない。

 あと一週間も続けば、人間はすべてゾンビになってしまうのではないか。

 しかし、考えてみれば、ゾンビは死なないし、食べる必要もないので、ゾンビになったほうが幸せかもしれない。