人生、長いようで短い。

 どれだけ長く生きようが、いつかは死ぬのだ。

 ただ死ぬのが怖くて息をしているだけより、どう生きたかが、俺にとっては重要だ。

 老後の心配、年金の心配、病気の心配。

 そんなものはクソ喰らえだ。

 明日がどうなるかわからないのに、何十年先のとこを心配してどうする。

 そんな心配を抱えながら、毎日を生きたって楽しくもなんともない。

 そんな心配をするくらいなら、そうならないように今を一生懸命生きるだけだ。

 老後のために毎日こつこつと慎ましやかな生活をして金を貯めて、老後を迎える前におっ死んじまったら、洒落にもならない。

 どれだけ長く生きるかより、どれだけ豊かな人生を送るかが大切なのだ。

 豊かとは、金のことじゃないぞ。

 心のことだ。

 心が豊かなら、なにがあっても楽しめる。

 そりゃ、生きてくのに金は必要さ。

 だがな、金だけが人生じゃない。

 俺の人生は、そんなちっぽけなものじゃない。

「おまえね、理屈はご立派だが、サラ金で金を借りてまでギャンブルにのめり込むのはどうかと思うぞ」

 友人の池田が、呆れたように言った。