抜け参り薬草旅

出久根達郎
抜け参り薬草旅

天保元年、江戸・日本橋の瀬戸物問屋の小僧・洋吉は、伊勢神宮への抜け参り(お蔭参り)の一人旅に出た。

途中、薬草採りの庄兵衛と道連れになったところから、次々と怪しい事件に遭遇することになる。

東海道の由比では由井正雪の残党の騒ぎに巻き込まれ、二人の行方に危機が……。

夜叉桜

あさのあつこ
夜叉桜

前作『弥勒の月』の続編。

江戸の町で3人の娼婦が次々と喉を掻き切られて殺された。被害者の一人が挿していたかんざしから、もと武士で小間物問屋「遠野屋」の主人・清之介に目をつけた同心の木暮信次郎は、「下手人は女の喉をさばくことを楽しんでいるとしか思えねえ」と探索を進めていく。

そのなかで、遠野屋の手代や、武家の出の娼婦・菊乃など、市井の人々が隠し抱えていた過去が明らかになっていく……。

弥勒の月

あさのあつこ
弥勒の月

小間物問屋「遠野屋」の若おかみ・おりんの水死体が発見された。

同心・木暮信次郎は、検分に立ち会った「遠野屋」の主人・清之介の眼差しに違和感を覚える。

ただの飛び込み、と思われた事件だったが、清之介に関心を覚えた信次郎は岡っ引・伊佐治とともに、事件を追い始める……。

女衒の供養

25年前、生まれたばかりの息子と妻を残して姿を消した又七が、鬱の病を患って、家族のもとに戻ってきた。だが、誰への供養か、墓参りのままごとをする。そんな又七と出会った菊太郎が、彼の奇妙な行動の謎を探る表題作。

ほかに、殺人罪で25年間、島送りになっていた身の上を吹聴する居酒屋の老婆の目論見を菊太郎が解き明かす「奇妙な婆さま」等、時代小説6編を収録。

侍の翼

好村兼一
侍の翼

江戸の裏長屋で暮らす宍倉六左衛門。かつて関ケ原で祖父を、大坂の陣では父を失った。

また島原の乱で息子を失う。日雇い仕事で養う病身の妻も、看病の甲斐なく他界。

希望を失い、祖父、父、息子のように侍らしく死にたいと願う。

そんな折、由比正雪らの幕府転覆の企てを知り、絶好の死に場所を得る思いがしたのだが……。