みなさん、こんばんは(^^)
W杯も終わりまして、このブログでも今週から新単元に入ります!
中学校でも習う『受動態』ですが、受動態への変換方法を覚えていますか!?
今回は、基本事項である受動態への変換の仕方および注意事項をまとめます。


【1】受動態とは?
日本語も英語も、動作を行う”を主語にする場合が多いですよね。
a) We love her.
(→「我々は、彼女を愛している。」)

しかし、あえて動作を受ける立場”(つまり、目的語)を主語にすると…
a’) She is loved (by us).
(→「彼女は、(我々によって)愛されている。」)

つまり、動作を受ける立場”に話題のスポットライトを当てたい場合に、
あえて目的語をトップバッターに持ってくる形が、受動態なのです!

はじめに、(当たり前の事ではありますが)確認しておきたい事があります。
《POINT1》受動態にできるのは、目的語を最低1つもつ文型のみである!
受動態に変換する際は、もとの文(=能動態)の目的語を主語にするので、
当然目的語をとらない第1文型(SV)や第2文型(SVC)は受動態にできません!!
動詞の後ろにあるモノが、何でもかんでも受動態の主語になるワケではありません。


【2】受動態への変換手順
① <能動態の文における“事業仕分け”

まず、能動態の形において、語順変化に関係する部分としない部分を仕分けます。
受動態と聞くと、“語順の入れ替え”というイメージが強いかと思いますが…
ゆめゆめ、文中のすべてのパーツが移動に参加するワケではありません!!
そこで、語順変化に関わる部分と、そのままにしておく部分を仕分けましょう。
☆ 語順変化に関係する部分:主語(S)、動詞(V)、(1つめの)目的語(O)
★ 語順変化に関係ない部分:(2つめの)目的語(O)、補語(C)、修飾語(M)

注意 以降、この「語順変化に関係ない部分」を(+α)と表記することとします。

② <主語の設置
もとの文(能動態)における、(1つめの) 目的語を主語に据えます。

③ <動詞の変換
もとの文(能動態)の動詞を、be動詞+過去分詞の形に変換します。
その際、be動詞の選択において、注意事項が2つあります。
時制:受動態の文ではbe動詞が時制を担当するので、文の時制を確認しておく。
人称・単複:be動詞は、主語の人称および単数・複数により形が変化しますが、
 受動態の文の主語(つまり、もとの文の目的語)に応じて選択しましょう!
例えば、例文a)ではもとの文の主語はweなので複数形ですが、
受動態の文の主語(=もとの文の目的語)はsheなので、単数形ですよね!?
したがって、時制は現在であることも踏まえて、are…ではなくisを選択します!

④ <語順変化に関係ない部分(+α)の処理
原則として、③の処理が済んだ動詞の後ろに、そのまま下ろします。
(例外については、【各論25】にて詳しく解説します。)

⑤ <もとの文の主語(=動作主)の処理
もとの文の主語は、byを伴って文末におく。
注意 中学校では、このby Sの部分を必ず書くよう指導されたかもしれませんが、
実際のところ、この“by S”が不要な場合も多々あります。
したがって、“by S”を書くのは、その必要性を感じた場合のみで良いでしょう(^^)


さて、このような文字の羅列では、なかなかイメージもしにくかと思いますが…
《今回のまとめ》には、図表も含めたものを掲載しておきます。
次回以降、この基本ルールをフル活用して、各文型における受動態を学習します。
まずはこのルールをしっかりと確認しておきましょう(^^)


さて最後に、やや発展的な話をします。余力のある方はご覧ください。
【3】受動態に馴染まない他動詞
《POINT2》
すべての他動詞が、受動態に馴染むワケではない!

【1】で、受動態に出来る文には目的語があり、動詞は他動詞であると説明しました。
しかし、第3~5文型のすべての文が、自動的に『能動態⇔受動態』と相互変換できるワケではありません。

先ほどの例文a)およびa’)では、どちらの文にも違和感はないと思います。
しかし、次の文ではいかがでしょう??
b) He resembles his father.
(→「彼は、父親に似ている。」)
サーチ この文のhis fatherは目的語であり、動詞resembleは他動詞です。
したがって、理論上は(!)この例文b)も受動態に変換できるのですが…

“His father is resembled by him.”
和訳すると「彼の父親は、彼に似られている。」となり、どこか不自然ですよね叫び

このように、他動詞の中にも「意味的に受動態には馴染まないもの」があります。
したがって、まずは【2】に示した変換ルールをマスターする為に、能動態から受動態に変換する練習を積む事が重要です。
しかし、何でもかんでも好き勝手に「能動態⇔受動態」とするのではなく、
あくまでも受動態にした方がベター」と思われる場合のみ変換するのです。
この辺の話は、受動態に慣れてきた頃に少しずつ感じとって頂ければ結構です(^^)

では、まとめに入ります。


【総論5】



■ 次回配信予定
【各論24】「受動態の基本Ⅰ ~SVOOの受動態~」

受動態の初回は、第4文型を扱います。
第4文型には目的語が2つありますが、ここで1つ問題が…
そうです、受動態変換した際の主語候補が2つあることになります!
目的語同士の“仁義なき闘い”に関する事情も含めて、丁寧に解説します。