みなさん、こんばんは(^^)
さて、先日の各論7の英文は、1通りご覧頂けましたか??
まだの方は、上記↑のリンクからジャンプして頂き、先にそちらをチェックされてから今回の記事をご覧くださいまでm(_ _)m


【1】文の要素?or修飾語?
a1) She looks sad.

(→「彼女は、悲しそうに見える。」)《第文型》
サーチ “She sad”という関係が成立し、sadは形容詞ですので、補語になれますね。

a2) She talks sadly.
(→「彼女は、悲しそうに話す。」)《第文型》
サーチ 例文a1)とよく比較してみましょう。
一見“She = sadly”という関係が成り立ちそうに見えますが…
sadlyって…「副詞」ですよね!? つまり、補語にはなれないのです!!
したがって、sheが主語、talksが動詞、そしてsadlyは修飾語となります。
日本語に直した意味だけで考えてしまうと、このようなワナにはまってしまいます^^;


b1) I found the book easy.
(→「私は、その本が簡単であることがわかった。」)《第文型》
サーチ “the book easy”という関係が成立し、easyは形容詞補語になれますね!

b2) I found the book easily.
(→「私は、その本を簡単に発見した。」)《第文型》
サーチ 先ほどの例文a)におけるポイントを復習してみましょう。
easilyは副詞なので、補語にはなれず修飾語でしたよね!?
例文b1)との構造の違い、さらにはそこから生じる意味の違いを考察してみましょう。


【2】動詞の用法による文型展開の相違
c1) She made me a cake.
(→「彼女は、私にお菓子を作ってくれた。」)《第文型》
サーチ S Vの右側に名詞が2つ並んで、“me a cake”ですので、どちらも目的語です!
第3文型に直すと、“She made a cake for me.”となります。(前置詞forに注意!)

c2) She made me a doctor.
(→「彼女は、私を医者にした。」)《第文型》
サーチ S Vの右側に名詞が2つ並んで、“me a doctor”ですので…第5文型ですね。

c3) She made me happy.
(→「彼女は、私を幸せにした。」)《第文型》
サーチ “me happy”という関係が成立し、happyは形容詞なので、補語になれますね。


d1) He left me alone.
(→「彼は、私を1人にしたままにした。」)《第文型》
サーチ “me alone”という関係が成立し、aloneは形容詞なので、補語になれますね。

d2) He left me some messages.
(→「彼は、私に何らかの伝言を残した。」)《第文型》
サーチ 動詞の右側に2つの名詞があり、“me some message”ですので、どちらも目的語です!


e1) You must keep it in mind.
(→「あなたは、それを心に留めておかなければならない。」)《第文型》
サーチ itは目的語であり、“in mind”は“前置詞+名詞”セットの修飾語になります。
ひらめき電球 keep O in mindで「Oを心の中にキープしておく」→「Oを心に留めておく
という有名な熟語ですので、ぜひ覚えておきましょう(^^)

e2) You must keep it secret.
(→「あなたは、それを秘密にしておかなければならない。」)《第文型》
サーチ “it secret”という関係が成立し、secretは形容詞ですので、第5文型です。
つまり、直訳すると「“it = secretである状態”を保つ」という意味になります!


f1) The weather has kept fine for a week.
(→「天気は、一週間ずっと晴れている。」)《第文型》
サーチ “the weather fine”の関係が成立し、fineは形容詞なので、補語になれます。
for a week”は、“前置詞+名詞”セットの修飾語になります。

f2) This meat won’t keep in hot weather.
(→「この肉は、暑い日ではもたないだろう。」)《第文型》
サーチ 「何をキープするのかな~」と思って動詞の右側を見てみると…
いきなり“in hot weather”という修飾語のカタマリが来ていますよね!?
動詞keepには、「(主語の状態が)良いままである」という、第1文型をとる用法もあるのです!


【3】有名な動詞のもつ意外な意味が展開する文型
g1) I did a lot of work yesterday.
(→「私は昨日、たくさん仕事をした。」)《第文型》
サーチ a lot of workが動詞doの目的語で、yesterday副詞修飾語)になります。

g2) Too much drinking will do you harm.
(→「お酒の飲み過ぎは、身体によくない。」)《第文型》
サーチ さて、例文g1)では、「~をする」というよくご存知の用法でしたが…
「えっ、“あなたをする”って…わけわかめ叫びと困惑されたかもしれません^^;
動詞doには、第4文型をとって「人に影響を及ぼすという用法があるのです!
つまり、直訳すると「過剰な飲酒は、あなたに害をもたらすだろう。」となります。


h1) She became a teacher.
(→「彼女は、先生になった。」)《第文型》
サーチ a teacherは名詞で、“she a teacher”の関係が成立しています。

h2) Her new dress becomes her very well.
(→「彼女の新しいドレスは、彼女によく似合う。」)《第文型》
サーチ さて、こちらも有名な例文h1)と同様の用法で和訳すると…
「彼女の新しいドレスが、彼女になる!?」という、奇想天外な話になりますよね叫び
つまり、まずは“her new dress her”ということで、herは目的語になります。
動詞becomeには、目的語をとって「Sは、Oに似合うという意味があるのです!


i1) You may go home.
(→「帰宅して良いですよ。」)《第文型》
サーチ 「えっ、“家に”帰る、だから…homeは目的語では!?」という質問がよくあります。
本来homeは「家」という名詞ですので、目的語を考えるのも無理はありません。
しかし、「行く」という意味の動詞goは自動詞であり、目的語を取らないのです!
“go home”や“go there”など、動詞goの後ろに直接場所を示す語が来る形では、
home”も“there”も、いずれも副詞修飾語と考えるべきなのです!

i2) She may go mad.
(→「彼女は、発狂しているかもしれない。」)《第文型》
サーチ こちらは、「madという場所に行く」という意味ではありません^^;
madは形容詞で、「狂った」などという意味なります。つまり、
“she mad”という関係が成立し、madは形容詞なので、補語になれるのです!
また、動詞goには直後に補語を伴い、(悪い)状態になるという用法があります。


j1) He runs fast.
(→「彼は、速く走る。」)《第文型》
サーチ fastは、動詞runを修飾する副詞ですので、文の要素にはなりませんね!?

j2) He runs a café in Okinawa.
(→「彼は、沖縄でカフェを経営している。」)《第文型》
サーチ こちらも、「run=走る」という意味で考えてしまうと、厳しいです走る人
動詞runには、直後に目的語をとって、「~を経営するという用法あるのです!
このように、同じ動詞で自動詞と他動詞と両方の用法をもち、さらにそれぞれの場合で意味が異なるという、非常に面倒なヤツもいるのですあせる


k1) I paid her 20 dollars for the books.
(→「私はその本の代金として、彼女に20ドル払った。」)《第文型》
サーチ 動詞payの有名な意味として、「(人に)代金を支払う」という用法があります!
今回はもちろん、“her $20”ですので、どちらも目的語となります。

k2) Kindness sometimes does not pay.
(→「親切は、時として割に合わない。」)《第文型》
サーチ 今回は、動詞payの後ろに目的語らしき名詞が見当たりませんよね~^^;
「えっ、誰に払うの?? 何円払うの!?」などと困惑されたかもしれませんシラー
動詞payには、自動詞として「(主語の内容が)割に合うという用法があります。

このように、『有名な動詞の意外な意味』というのは盲点になりやすく、特に大学入試のような意地悪な試験(!)では狙われやすいので、知識として整理しておきましょう。


【4】日本語の意味に惑わされやすいもの
l1) He arrived at the station.
(→「彼は、駅に到着した。」)《第文型》
サーチ 場所を表す部分が、“at the station”と“前置詞+名詞”セットになっています。
このようなカタマリは、修飾語とみなすんでしたよね!

l2) He reached the station.
(→「彼は、駅に到着した。」)《第文型》
サーチ 例文l2)と同様の意味ですが、the stationの前に前置詞がありませんよね!?
同じ「到着する」という意味でも、動詞reachは他動詞なのです!
つまり、動詞の右側に直接場所を表す名詞を、目的語として置くことができるのです。

l3) He reached for the sky.
(→「彼は、空に向かって手を伸ばした。」)《第文型》
サーチ 「おや?reachは場所を示す名詞を直接置けたのに…何で前置詞があるの??」
そんな疑問を抱かれたかもしれません。
動詞reachには、自動詞として前置詞forを伴い、「~に向かって手を伸ばすという用法もあるのです!
(もっとも、「空に到着する」という意味だとしても、我々は鳥じゃありませんヒヨコ笑)


【5】文脈により文型が異なる場合
さて最後に、ちょっとした頭の体操だと思って考えてみましょう。
以下の2文は、2語目の副詞以外は全て同じ形をしています。

m1) She kindly found him a good doctor.
(→「彼女は、親切にも彼に名医を見つけてあげた。」)《第文型》
サーチ 文脈からわかる通り、あくまでも“him a good doctor”ですよね!?
つまり、S Vの後ろに名詞が2個並んでいて、どちらも目的語というワケです。
第3文型に書き換えると、“She kindly found a good doctor for him.”となります。

m2) She gradually found him a good doctor.
(→「彼女は徐々に、彼が名医であるとわかった。」)《第文型》
サーチ 今度は、文脈から“him a good doctor”であると判断できます。
例文b1)と同様の用法で、第5文型を構成しているのです!

このように、見た目だけでは判断できず、文脈を吟味した上で文型の鑑別ができる場合もあるのです。
したがって、「イミ」と「カタチ」の双方から、英文を解釈できる能力を養っていくことが大切なのです!


■ 次回配信予定
【総論3】「時制概論」

さて、月も変わり、今週から「時制」に突入します。
初回はまず概論として、時制全体についての考え方をまとめます。