PART2 さそり座の仲間達-アクラブ星のシャーマン
最新版 天の川銀河の物語1 白鳥の六芒星物語
第5章 さそり座の仲間達


TAKESHIです。
最新版の「白鳥の六芒星物語」には、今まで入れていなかった内容、私達がどうして宇宙を旅することになったのか、天使の星に行ったことや、ガイアの神殿の話などが詳しく書き加えられています。
お分かりになると思いますが「龍治」は私の事です。

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第5章 さそり座の仲間達 PART2 さそり座の仲間達-アクラブ星のシャーマン

私達はここで少し休憩をして周りの山々を見渡しています。
そこにアトラス様がやってきて私に言いました。
「ガイア様は、私達騎士団だけでなく他の者の事は何もおっしゃってはいませんでしたか。」
「いいえ、特には。」と私は答えました。
「そうでしたか、おそらくガイア様がおよびになりたいのは私達だけでなく他の仲間達も一緒に連れてくるように考えられているはずです。
私達は、共にガイア様のために働いてきた仲間ですので・・」

私はアトラス様が何を言おうとしているのかわかりませんでしたが、「それはアトラス様にお任せします。」と私は答えました。
アトラス様は、山の頂に立つとテレパシーで仲間達に連絡を取っているようです。
私達はその姿を見ながら、私達もやがてこのような能力を授かるのだろうかと、漠然と考えています。

アトラス様が、私達のもとに戻ると言いました。
「さあ、仲間達を迎えに来きましょう。
彼らも、私達と一緒に行くようです。」

私達は神龍(シェンロン)の意識と一つになってアトラス様の赤い龍の後を追って宇宙に出ました。
女性達はこれからどのような場所に行くのだろうと興奮しています。

最初に降り立った星は、さそり座の頭部にあるアクラブ星です。
この星は地球に似た自然豊かな星の様です。
私達は、ヤシの木によく似た木々が生い茂る中を歩いていくと、美しい海が広がる場所にたどり着きました。

そしてそこにはヤシの葉で編んだ屋根を持つ素朴の家が数件立っています。
どこからか太鼓の音と祈りをささげる声が聞こえてきます。
私達が家の間を抜けていくと広場のような場所で20人ほどの男性達が太鼓を叩き歌っています。
そしてその音に合わせて女性達がゆったりと踊っています。
男性達は上半身は裸で首飾りを身に着けています。
女性達は、白やベージュのゆったりとした服を着て踊っています。
まるでフラダンスを見ているようです。

美緒さんが、「私こんな世界大好きと言いました。」
今度は遥さんが美緒さんに「美緒さんは、この世界がお似合いだからずっといたら、」と言って笑っています。

私達は、彼らが歌い終わるまでずっとその光景を見ていました。
太陽が優しく降り注ぎ、波が浜辺に押し寄せるリズムに、私達は心を奪われていました。
しばらくして歌と踊りがやむと、アトラス様が最も年老いていると思われる方のもとに近づき、片膝をついてお辞儀をしています。

その方は、私達のほうを見ると頷いてアトラス様に答えました。
「ようやくその時が来たようですね。
これも天の定めです。
私達も喜んでご同行いたしましょう。
私はこの年なので十分に働けませんので私の息子達があなたと共にいく事にしましょう。
すぐに準備をさせますので、しばらくお待ちください。」

2人の会話を見守っていた男性達が数名、自分の家に戻り準備を始めました。
その間に私達はこの星の事について先ほどの長老のような方から話しを聞きました。
「私達は、常にこの星の意識と一つになって祈りをささげています。
それは私達の星だけでなく、さそり座の仲間の星達やその星に生きる人々が安らかに生活できるように祈っています。

私達の体に様々な刺青のような絵が描かれています。
これは、私達が自然の力と同調することで、ある程度自然の力をコントロールすることができるように描かれているのです。」

美緒さんが長老様に言いました。
「地球にも、皆さんと同じように自然の力と一つになって祈りをささげる人達がいます。
私達は、その方たちをシャーマンと呼んでいます。」

「そうですか、シャーマンと呼ばれているのですね。」と長老はにっこりと笑いました。
「私達は、はるか以前、ガイア様と共に多くの者達が地球にわたったのです。
私達やアトラス様達のグループだけでなく魔法使いやホビット達も地球を素晴らしい星にする事を願い、ガイア様のお手伝いをするために地球へ行きました。
それは、私達の遥か昔の先祖です。
その様な方たちが、子孫から子孫へと私達の思いをつないでくださり、今でも地球で活躍してくださっている事はとても嬉しい事です。」

「地球にいるシャーマン達は、もともと地球にやってきた皆さんの先祖から生まれたという事ですか。」美緒さんが驚いたような顔をして言いました。
「すべてのシャーマンがそうではないかもしれませんが、少なからず私達と同じ血をひくもの達がいるはずです。」

確かにこの村で行っている事を見れば、地球のシャーマンたちも同じ子孫だと思わずにはいられません。
地球のいくつかの地域では一昔前まではここと同じような光景を持つ場所がいくつもあったことでしょう。

「私達だけでなく、共に地球に行った魔法使いやホビット達もたくさんいました。
彼らの子孫はまだ生きているのでしょうか。」と長老は私達に尋ねました。
遥さんが長老を慰めるようにいました。
「長老さん、ホビットの皆さんもたくさん地球に残っていますよ。
地球にすむ人間達の分からない所で活躍していますし、魔法使いの人達が持っていた知恵や能力を多くの人達が伝承しています。」

長老は安心したような表情を見せました。
葵さんが長老に尋ねました。
「長老様、ガイア様と一緒に地球に行かれた仲間達は、さそり座に戻ってくることは出来なかったのですか。」

長老は悲しげにうなずきました。
「はるか以前は、私達の星と地球は自由に行き来ができたと聞いています。
いえ、地球だけでなく多くの星々が交流し合っていて、それぞれの星の人達がお互いの星を尋ねることもできていたと聞いています。
しかし、ある時を境にしてそれができなくなり、地球に行った仲間達も、そしてガイア様もさそり座に戻ってくる事ができなくなったのです。」

私達は、そのような事を全く知りませんでしたので長老様の言葉に驚きました。
「その時に何が起きたのですか。」私は尋ねました。
「それは、私が生まれるはるか以前の事ですので、私も詳しくは知りませんが、天の川銀河の多くの星が闇にのまれて次元が落ちてしまったので、お互いが交流できないようにされてしまったと聞いております。
そして、いつの日か、そのことを解決し、再び天の川銀河の星々が自由に交流する事ができるように勇者の方が現れると聞いております。
それが、皆さんの事かどうか、私には分りませんが、女神ガイア様が私達を迎えにきたという事は、その時のために私達も動き始めなければならない時が来たという事なのです。」

その時、長老の息子たちが、準備ができた事を伝えに来ました。
おそらく彼らの中では、自分達がここを離れたら、もう戻ってこれないかもしれない、という不安があるかもしれません。
愛する妻や子供達に別れを告げてきた者もいるかもしれません。
私達は自分達が行おうとしている事の責任の重さに沈みそうになりました。

アトラス様は、そのような事を理解したうえで、彼らと共に地球に行こうとしているようです。
私達と共に旅をするシャーマン達は鷹のような姿にその身を変えたようです。
私達は、アトラス様の赤い龍と共にアクラブ星を飛び立ちました。