キミカレ桜庭くんのネタバレです。

知りたい方だけお進みください。





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第2話 取り引き









転校生の桜庭くんが来てから、

少し学校に行くのが

ユウウツだった。


だけど昨日、

お兄ちゃんに話を

聞いてもらって、

少し楽になって登校。



エ「また話聞いてもらおうっと」



???「おはよ」

エ「あ、おは……

 ……!」



桜庭くん!?



秋「なに?」
split second


エ「え……あ、いや」

秋「……っていうか、

 どいてよ

 俺、座れないんだけど」


エ「あ、ごめん」

秋「……」



いま……挨拶された?

しかも桜庭くんから。


……。


信じられない。

これまで無言だったり、

鼻で笑われたりしたのに。


急になんで……?



エ「……よくわかんないや」



とまどいつつ、自分の席へ。

すると、私のつぶやきが

聞こえたのかこちらを見る彼。


無言のまま、

じとーっと見つめたあと、



秋「昨日、教育実習生と

 デートしてたでしょ?」

エ「!!」


秋「しかも一緒の家に入って、

 なにしてたんだか」



淡々と顔色を変えずに、

告げる彼。


ニヤニヤしたり、なにかを

企んでいる様子もなく、

ただ見たことを報告している感じ。


それが逆に怖い。


なに考えてるのか

わからない。


っていうか、

そんなことこんなとこで

言わないでっ。




エ「ちょ、ちょっと来て」

秋「……は?」


エ「ちょっとこっち!」



ヤダという彼をひっぱり、

廊下に連れ出す。

そしてあまり人が通らない、

使ってない教室がある方の

階段へ。



秋「なに?」



すっごい不機嫌そう。

そりゃムリヤリ連れてきたのは

悪かったけど、

そんな顔しなくても。




エ「あのね、南先生とは私、

 幼なじみなの

 だから親同士も仲がよくって、

 よく家も行き来するし

 昨日もみんなで

 夕食食べただけで……

 だから別に、なにしたとか

 そういう変なことないから!」

秋「……

 なにそれイイワケ?

 俺にしてどーすんの?」


エ「そ、そんなんじゃないけどっ」

秋「っていうかさ、別に事情なんて

 どーでもいいんだけど

 聞いてないし知りたくないし

 ……っていうかさ

 実習期間中にそんなことしなくても

 いいんじゃない?

 幼なじみならなおさらわかって

 あげなきゃいけないんじゃないの?」
split second


エ「……なっ」



なに……!?

急に!



秋「まあでもホント、

 俺には関係ないから。

 じゃあね」

エ「ちょ、ちょっと待って!」




教室に戻ろうとする

桜庭くんの腕をひっぱる。



秋「……もう、

 ホントいい加減にしてよ」



うんざりしたようなため息。

なんなの!?

ため息ならこっちだって

つきたいよ。


でも……。

彼の言うとおり。


幼なじみならお兄ちゃんのことも

考えるべきだったかも。


私、お兄ちゃんとまた

話せるのが嬉しくて、

話とか聞いてほしくて、

なにも考えてなかった。


悔しいけど、彼の言うとおり。



エ「あのさ。昨日見たこと、

 誰にも言わないで

 ほしいんだけど」

秋「……なんで?」


エ「なんでって……それは」

秋「幼なじみだから別に

 変なことしてないんでしょ?」


エ「そうだけど」



でも、知られたらお兄ちゃんに

迷惑がかかっちゃうかもしれないし。



エ「……」



冷めた目つきで私を見て、



秋「……どーしよ」



そうつぶやいて誰もいない

廊下の先に視線を移す。



秋「あ」

エ「?」


秋「じゃあさ、こうしようよ」

エ「なに?」



あ……なんかイヤな予感が。



秋「黙っててあげるからさ。

 代わりにアンタ、俺の女よけに

 なってよ」
split second


……。




エ「……お、女よけぇ!?」



なにそれ!!

意味がわからず、

目を見開き彼を見る。


彼は手で耳をふさぎ、



秋「……うるさい」



とだけつぶやいて、

私に背を向けて

教室に戻っていった。



……ど、どういうこと!?






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【By秋夜

黙っててあげるんだから

俺にも協力してほしいだけ。

別にアンタのことはなんとも

思ってないし。】