キミカレ南くんのネタバレです。

知りたい方だけお進みください。






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第30話 白状します。






開けて下さいって

言われても……。


そんなすぐには

開けられないよ。



千「えりちゃん……」

エ「開けたく……ないよ」
split second


千「……」

エ「……っ」



私を真っ直ぐ見つめてる

お兄ちゃんの顔が

見られなくて、一歩下がって

うつむく。



エ「話ってなに?

 好きだからって言われても

 ……

 私は話したくないよ。

 話なんてない!

 つきあってないんだったら

 話すこともないでしょ?

 私の勘違いだったんだよ

 それでいいでしょ!?

 もう……それでいいよ

 だから……ごめんなさい。

 もう困らせるようなことしないから」



だから、昔みたいに

また……。



千「だから、話を聞けって!」
split second


エ「!!」



バンッとい窓を叩く音と、

お兄ちゃんの叫ぶ声が

同時に届く。



エ「……あ」



そして顔を上げる。



千「怖かったんです
split second

 好きだって言ったら

 どうなるんだろうって

 だけど君を傷つけ、

 泣かせるのはイヤで……


 それなら嫌いになってもらおうと

 避けた時もありました

 でも逆に君を傷つけてしまって……」

エ「……それって、

 この間のこと?」



私がそう聞くと、お兄ちゃんは

静かに頷いた。



千「初めに君から気持ちを

 打ち明けられたときは、

 本当に幼なじみとしか

 思ってなかったんです

 だから、そう返事をした。

 だけど、そのことで君を

 深く傷つけてしまって……


 そのあと、もう絶対に僕は

 君を傷つけないと

 決めたのに……

 あることから君のことが

 好きだと自覚してしまって、

 悩みました

 

 いまさら、なに気づいてるんだって

 でも気づいてしまったら、

 黙っていられなくなって、

 気持ちも抑えられなくなった

 

 だから僕は君から

 離れたんです

 徹底的に避けて、色んなことをして

 君を忘れようとしました」



……これって、

数年会わなかった時期のこと、

だよね?



千「だけど苛立ちだけが

 募るばかりで……

 意味ありませんでした

 そしてようやく少し

 落ち着いて来たとき、

 君と再会しました


 数年避けていたっていうのに

 君は前のように

 接してくれて……

 僕がどれだけ嬉しかったか、

 わかりますか?

 だから僕は……

 

 僕は、ただ、今の関係を

 壊したくなくて……

 幼なじみとしてでもいい。

 そばにいたかったんです


 実際、世間体も

 気にしていたんだと思います

 だけどもう気持ちを

 隠しきれないとこまで

 来ていて……」


エ「……」



お兄ちゃんはそこまで

一気に話すと、

いったん一呼吸置いて

私を見つめる。



千「気持ちを伝えてしまったら

 なにかが変わりそうで

 怖かった

 でももう、そんなことよりも……

 君が僕以外の誰かを

 好きになったり、触れ合ったり

 するのを見るのが嫌なんです」

エ「お兄ちゃん……」


千「だから……」

エ「……」



なにか言いたげに

見つめるお兄ちゃんを

じっと見つめて……。

私は窓の鍵に手を伸ばす。


そして--



千「……っ!」

エ「ひとつ聞きたいんだけど」


千「はい、はい!

 なんでしょう?」
split second


エ「お兄ちゃんの、

 本命って誰?」


千「……」

エ「好きな人。

 前からいるんだよね?

 ……誰?」



私の質問を聞いて、

今度は笑顔になるお兄ちゃん。



千「そんなこと聞いて

 どうするんですか?」

エ「どうするって……」



それは決まってる。

今度はちゃんと『つきあって』

って言うため。



エ「気になるんだよ。

 お兄ちゃんのこと

 好きだから」

千「えり……」



お兄ちゃんは私の名前を

呼んで、私の頬に

手を置いて、

指でそっと私の唇を

なぞる。


その手が長く雨に

打たれていたからか

少し冷たくて、体がビクっと

なってしまう。



千「冷たかったですか?

 ごめんなさいです」

エ「ううん、大丈夫

 それで?答えは?」


千「君です

 ずっと君のことだけが

 好きでした
split second

 それは今も変わっていません。

 だから……

 僕とつきあってください」
split second


エ「……はい」

千「ありがとう

 ……ありがとうございます」



少し照れて斜め下を向き、

お兄ちゃんは私の頬に

置いた手を私の後頭部に回し、

グッと自分の胸に引き寄せた。


そして--



千「……これでやっと、

 君をこの胸で

 抱きしめられます」



そう私の耳元で

ささやいた。






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【By千歳

今日話したことは

嘘偽りない僕の本当の

気持ちです。

僕は、君が……

ずっと前から……。】