キミカレ南くんのネタバレです。

知りたい方だけお進みください。






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第26話 勘違い……。








休日の遊園地は

人が多い。

だからふたりでも

大丈夫だって……。


そう思って『デート』に

誘った……

つもりだった今日。



千「いいお天気になって

 よかったです」
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隆「ホントホントー!」

エ「……」



お兄ちゃんはみんなに

笑いかける。


だけど、私をはじめ全員、

なんか微妙な雰囲気。

それはきっと私が、

ひとり黙ってしかめっ面を

してるから。


私が雰囲気を壊してる。


それはわかってるけど。



椿「大丈夫ですか?」

皐「……」


エ「え……あ、うん」



椿さんが気遣ってくれるけど。

いまは……

黙ってここにいるのが

せいいっぱいだったりする。



椿「……」

皐「……」



椿さんと咲坂くんが

顔を見合わせてる。


……ホントにごめん。

でも……。



千「さて、じゃあなにから

 乗りましょうか!」

隆「ちーちゃん、そういえば

 まだ綾瀬川先輩が

 来てないよ?」


千「彩人くんは遅刻です。

 あとから合流するらしいので

 大丈夫ですよ」

隆「なーんだ、遅刻かー!」


須「また遅刻か」
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皐「須賀。

 学校じゃないんだから、

 そんなに怒るなよ」


須「学校でなくてもなんでも

 遅刻はダメだろ?」
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椿「その通りです。

 遅刻は良くないことです」

皐「……あっそ」


エ「はあ……」



みんなが楽しそうに

話してる。

みんなと一緒は楽しいし、

嬉しいけど。


なんでこうなったのか話を

聞くまではやっぱり、

素直に楽しめない。



椿「……あの、みなさん、

 観覧車に乗りませんか?」

隆「わーい!乗る乗るぅ~」


須「まあ、いいけど」

皐「なんで一番最初に

 観覧車なんだよ」


千「じゃあ、行きましょうか」

椿「……え?

 えりさんは乗らないのですか?」


エ「…………え?」



ずっとうつむいていた

私の肩に手を置いて、

椿さんが声を上げた。



椿「でもひとりで待ってるのは

 つまらないですよね」

エ「え?あの、椿さ……」


椿「南先生、一緒に待って

 あげてくださいますか?」

千「え……あ、はい

 じゃあ一緒に……

 待ってましょう」



いつもの優しい笑顔が

私に向けられる。

だけど私はその笑顔を

真っ直ぐ見られずに、

顔を背けてしまう。


そんな私を見て椿さんが、



椿「ちゃんと話したほうが

 いいと思います」



そう言って、いろいろ納得して

なさそうな他の3人を連れて

観覧車乗り場へ歩いて行く。


そしてふたりきり。


椿さんが作ってくれた、

お兄ちゃんとの時間。


聞かなきゃ……!


深呼吸をして、顔を上げて、

お兄ちゃんを見る。



千「……?」

エ「どうしてみんなを

 誘ったの?」


千「あ、いけませんでしたか?」

エ「!?」


千「楽しいと思ったのですが」



そりゃ楽しいとは思うけど!

そういう問題じゃなくて。



千「あの、えりちゃん?」

エ「ダメに決まってるよ」


千「え……」

エ「だって、私はデー……」


千「でも、ふたりだと

 デートになってしまいますから」
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……え。

いま、なんて言った?


私いま、デートのつもりで

誘ったって言おうと

思ってて……。


でも、お兄ちゃんはいま……。



エ「……え?」



よくわからず、

呆然とお兄ちゃんを

見て瞬きだけを繰り返す。



千「え?あの……

 どうかしましたか?」


どうかもなにも……!



エ「デートのつもりで

 誘ったんだよ?

 つきあってるんだから、

 それが普通でしょ?」



少し強く言ってみる。

だって、このくらい言わなきゃ

わかってくれなさそうだし。


やっと想いがつうじて、

カレカノになれたっていうのに。



千「……つきあってる?」
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エ「……?」

千「つきあってませんよ、

 僕たちは」
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エ「……………」



つきあって、ない?



エ「……え?」

千「あの……

 ちゃんと言えば

 良かったですね

 ごめんなさい」


エ「……っ!?」



お兄ちゃんに謝られて、

ハっとする。

そして、私を見て困ったように

微笑んでるお兄ちゃん。


そんなお兄ちゃんを見て、

私の頭の中は真っ白。



千「えりちゃん?」



お兄ちゃんが心配そうに

顔をのぞかせ、

私へと手をのばすけど。



エ「……イヤ!」



その手を払ってしまう。

払った瞬間、「あっ」と

お兄ちゃんの顔を

うかがってしまう。


お兄ちゃんは少し哀しそうな

目をして、私を見ていて……。


いますごく悲しくて、

傷ついたのは

私なのに!



エ「私、帰る!」

千「え……!?

 えりちゃん!?」



この場にいたくない。

帰りたい。


もうそれしか頭になくて、

お兄ちゃんに背を向けると

私は必死に走っていた。





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【By千歳

また傷つけてしまいました。

気づいたら君は走っていて

……僕は……

追いかけもしなかった。】