キミカレ南くんのネタバレです。

知りたい方だけお進みください。







**************************************************



第18話 あきらかに。







やっぱり避けられてる。

そう感じたのは、

告白して数日目の朝。


学校内で目が合ったら、

挨拶はしてくれる。


だけど、目が合わなかったら

そのまま素通り。


しかも今まで頻繁に

会っていた家の周辺でも

会わなくなった。



エ「これは完全に

 避けられてるっ」




昼休み、食後のジュースを

買った帰り。

考えごとしながら

校庭を歩いていたら……。



エ「っ!?」



背の高い、

誰かにぶつかり、

あろうことか、そのまま

後ろに倒れてしまう。



エ「……痛ッ」


ヤバイ、

足……ひねった?



エ「ごめんなさい!!」



とりあえず立ち上がれないけれど、

その背中の人物に謝る。



???「……?」




その人物はなになに?と

よくわからず首をかしげつつ、

振り向く。



エ「……あ、結城くん!」

隆「えり先輩!

 わわっ。

 ダイジョーブ!?」



結城くんが、あわてて

私のそばに座り込む。



エ「ん……えと。

 ちょっと足ひねっちゃったかも」

隆「……ウソ。

 ごめんなさい……」



正座してしゅんと肩を

落としている結城くん。



エ「ううん!

 私が悪いんだよ!

 ちゃんと前みて歩いて

 なかったから!」




そう、お兄ちゃんのこと

ばかり考えてたから。


本当にこれは私が悪い。

だけどそんなこと耳に

入ってないようで、

結城くんはどんどん

青ざめていて。


少し胸のあたりを

手でおさえていた。




エ「……?

 結城くんこそ大丈夫?」




私より顔色が悪い?




隆「……!

 だ、大丈夫だよ!

 平気!」

split second


そうパっと顔を上げて、

笑顔になる。

そして深呼吸して、

結城くんは私の足を見て、



隆「先輩をお姫様抱っこして

 連れて行きたいけど……」

エ「!」



それは遠慮したいなぁ。




隆「オレ、無理だし……」




ん?無理?

まあでも……結城くん、

力なさそうっていったら

失礼だけど、

かよわいって感じするし。



隆「どうしよう。

 先輩、支えたらどうにか

 歩ける?」

エ「ん……やってみる」




ひねった時はちょっと

痛かったけど、

そんないうほど今は……。




隆「あ、ちーちゃんだ!」




ちーちゃん?




隆「南せんせーい!!」

エ「……え!?」




見上げるとちょうど渡り廊下、

校舎の入り口付近に、

千歳お兄ちゃんの姿。


こちらを向いて、

ひとり、立っている。



千「……」
split second


結城くんが手をふり、

お兄ちゃんを呼んでいるけど

一向に動こうとしない。



隆「ぶー……」



そんなお兄ちゃんに

しびれをきらし、




隆「えり先輩が足ひねっちゃった

 んだって!

 先生、保健室まで

 連れて行ってあげてーー!」



結城くんが、お兄ちゃんに叫ぶ。

だけどお兄ちゃんはじーっと

こっちを見たまま動かず。



隆「……むぅ?

 どーしたのかな?

 いつもなら『はいはい』とか

 言って来てくれるのに」

エ「……」




それは多分、

私、だからだよね?

お兄ちゃんは、少し

うつむいて何かを

考えたあと、



千「すみません!

 急いでいるので……

 隆くんお願いします!」

split second


エ「!?」

隆「ええー!?」


その場でそう言って、

そのまま校舎へと入った。




隆「……えー?

 どうしたんだろう、

 ちーちゃん」

エ「……っ」



拒絶された……!?


ううん、もしかしたら本当に

急いでたかもしれない!


でも……避けられてることは

ハッキリした。

いくら時間がなくても

お兄ちゃんの性格なら

途中まででも連れて

行ってくれるはずだもん。


顔見知りや仲の良い相手なら、

絶対に放っておかない。



隆「え?

 先輩、大丈夫?」



グッと痛みがないほうの足に

力を入れて、立ち上がる。



隆「オレ、肩か手かすよ?」

split second

エ「ううん、大丈夫。

 ひとりで行けるよ……」


隆「でも……」

エ「ごめん。

 ひとりで行きたいから」


隆「あ、先輩!!」



心配してくれる結城くんに

背を向け、動かすと少し

痛む足をひきずって

私は保健室へ向かった。






**************************************************



【By千歳

隆くんがついているんだから、

大丈夫ですよね?

僕が君についていかなくても。

君はみんなから好かれて

いるから大丈夫。

僕が離れても……。】