キミカレ南くんのネタバレです。

知りたい方だけお進みください。







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第15話 本音







昼間、資料室でのことがあって、

午後の授業は思い出し笑いと

戦っていた私。


午後、お兄ちゃんが

参加する授業がなくて

ホント良かった。


そんなことを考えながら、




エ「ただいまー」



家のドアを開けると、



???「おかえりなさい」

エ「!!」



家の中から、

聞こえるはずがない声が

聞こえ、目を見開く。



エ「……え!?」



そしてチラっと顔を出して

「どーもです」と

言う声の主。



エ「……お兄ちゃん!?」




……ウソ、なんで?

どーしているの!?



千「あの、おばさんに

 帰り道で会って……

 前に君がうちで夕飯を

 食べたから今度は僕が

 食べに来る番だと言われまして

 すみません。

 来てしまいました」
split second



どうして謝るんだろう。

きっとお母さんに強引に

連れて来られて、断れなかった

ことくらいわかるのに。


やっぱり昼のこと、

気にしてるのかな?



千「それにしても、

 部屋、変わりましたね

 ちょっと来ないうちに、

 大人っぽい部屋になりました」



……。


気にしないかも。

昼のこと。


いつものように笑顔だし、

私のこと意識してるようには

見えないし。


あの話、私のこと

じゃないのかな?


私、ひとりで

盛り上がってただけ?



エ「……ねえ、お兄ちゃん」

千「はい


 ……っ

 あ、あの……。

 えりちゃん、あのっ」
split second



エ「聞きたいことが

 あるんだけど」

千「あ、はい!

 なんでしょう」


エ「お兄ちゃん、

 私のこと好き?」

千「……っ!?」
split second


エ「ちゃんと答えてくれるまで

 離れないからね?」




意地悪を言ってみる。

こういう風にお兄ちゃんに

抱きついたのなんんて、

何年ぶりだろ。


小さい頃はなにも考えずに

ギューって、ホント軽い感じで

首や腕や、胸に顔をくっつけて

抱きついてたのに。


今は、これが精一杯。




エ「お兄ちゃん……

 答えて?」



お兄ちゃんの服を

つかんでいる手にギュっと

力をこめる。



エ「……!」



その手にお兄ちゃんの手が

重なる。



千「好きですよ」

split second



……?


……あれ?



千「君のことは好きです。

 昔からとても可愛い子だと

 思ってますよ」



なんか違う。

これ、私が聞きたい『好き』の

言葉じゃない。

顔は見てないから、

どんな表情で言ってるのかとか

わからないけど。


でも絶対、お兄ちゃんはいつも

みたいに笑顔で言ってた!


そして今のは笑顔で軽い感じで、

大人が子どもに言う

『好き』の言葉……。


きっと幼なじみとして、

『好き』 『可愛い』って

言ったんだ……。



エ「……っ」




それが声だけでわかるなんて

私はすごいなと、

ちょっと自分を自分で褒め、

苦笑する。


すると、じわりとまぶたに

あふれ出る涙。


それを目を閉じることで

なんとかおさえる。




母「千歳くーん、

 えりー!

 ご飯出来たわよー」


千「……あ、

 ご飯出来たみたいですね」

エ「……!」




そう言ってお兄ちゃんは

私の手をゆっくりとほどいて、

うつむいている私の頭を

なでると「先に行きますから」

と言って部屋を出る。


私は、ひとり。

部屋の真ん中で声を殺し、

涙が止まるのを待った。




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【By千歳

君の家に来るのも

君の家で食事をいただくのも

久しぶりです。

そして君に

抱きつかれるのも……。

やっぱり僕は今日、

行かない方が良かったのかも

しれません。】