キミカレ南くんのネタバレです。

知りたい方だけお進みください。







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第10話 意識しちゃダメなのに。







やっぱり、気になる。

そう思って、昼休み、

お弁当をいつもより早く

食べて、お兄ちゃん探しを

している。




エ「絶対、あの変な名前の

 ことだけでも聞きだす!」




……そう。

本命のことは、

怖くて聞けないから。


いま聞いてしまったら、

私の中でいろいろ

終わってしまいそうだから。



エ「それにしても、

 資料室にもいないなんて

 ……どこに……

 あっ」



いた!

チラっと見た階段付近。


そこにお兄ちゃんが見えた。


だけど--


声がかけられなかった。



エ「……っ」



間近まで行って、

やっと気づいた。

ひとりじゃない。

女の子がいる。


でも誰かといても、

知ってる顔が見えれば……。



千「……おや、

 こんにちは」

エ「こんにちはー……」



挨拶しちゃうよね、

お兄ちゃんは。


絶対無視できない。



女生徒1「……」



でも、目の前の……

女の子は私が邪魔みたいで、

とても嫌なものを見るような

目で私を見てる。


だけどお兄ちゃんは、

なんだか嬉しそうに私を見て、



千「えりさん、

 僕に用事ですか?」

split second


今、話してた女の子から

少し離れて、私の方へ

近づいて来ていた。



そのことに気づいた女の子が

お兄ちゃんの腕をつかむ。




千「……どうしました?」




そう優しく彼女に微笑み、

そっと彼女の手に手を重ねる。



エ「っ!?」



思わず目を逸らし、

身体を反転させる。



千「……?

 えりさん?」




お兄ちゃんのその行動は、

いつものことだった。


だけど、それは……。

私だけにいつもしてくれてると

思っていた。


そんなはずないのに。

わかってたのに。


自分は幼なじみで特別だから、

こう優しくされてるんだって。


わかってても、

どこかで思ってて。


でもいま、

本当に誰にでも優しい。

同じように接してるんだって、

現実をつきつけられた。




千「あの、えりさん」




お兄ちゃんの声が、

すぐ近くで聞こえた。


きっと心配して後ろにいる。

だけど振り向けない。


そしてお兄ちゃんが

私の視界に入るように

顔をのぞかせてきた。


私はお兄ちゃんと目を

合わせたくなくて、

うつむいて……


ふと階段の下を見ると、

須賀くんがいた。




千「どうかしましたか?

 気分が悪いとか?

 それとも僕がなにか……」

エ「別になにも!

 じゃあ私、須賀くんに

 用事があるので!」


千「え……?

 ちょ、ちょっと待ってっ」




お兄ちゃんの手が私を

引き止めようとしたのが見えて、

私はそれを払おうと

身体を揺らした。


その瞬間っ。




変な風に体重をかけて

しまったのか、

体勢が崩れ--



落ちる!!



そう思って目をつぶった。



だけど。



痛い、のはひねった足首だけで、

目を開けても

景色は変わっていない。


まだ階段の上……。




エ「……なんで」



そう呟いてから気づく。

自分の身体に伝わる熱と、

違和感。



エ「!!


 お兄ちゃん!?」


千「……」

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お兄ちゃんが私を片手で支え、

もう片方の手で手すりをつかみ、

自分を支えていた。



エ「ど、どうして……っ

 あのっ……」



どうしたらいいかわからず、

とりあえず何か

しゃべってしまう私。


そして、お兄ちゃんと

密着してる部分が気になって

もぞもぞと動いていると、




千「動くな、危ない」

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エ「!?」




なに、いまの……。


低くて、口調が違う。

いまの……お兄ちゃん?


耳元でまるで別人の声が

聞こえて、身体が強張る。


そのあと、ギュっと私を

抱きしめるようにさらに

自分に引き寄せ、




千「心配させんなよ」

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そうささやいたあと、

ゆっくりと私を離して……。




千「大丈夫ですか?」




いつもの笑顔を見せる、

お兄ちゃん。




千「君らしくないですよ。

 落ち着いてください」

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ね?と微笑んで

私の頭にポンっと手を置く。


そんなお兄ちゃんに、

私は頷くことしかできず、

うつむいてしまう。



すると階段の下から、

須賀くんの声が聞こえた。




須「ここにいたんですね、

 南先生」

千「おや」


須「探しました、

 ちょっといいですか?」

千「すみません。

 今、行きますね」



須「えり。

 お前も、早く教室戻れよ」
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エ「……ん」


千「足、大丈夫ですか?」

エ「……あ、うん」



やっぱりちゃんと

目を見られない!




千「……それなら良かった。

 じゃあ、また」




お兄ちゃんが横を通り過ぎ、

ゆっくりと顔を上げる。


須賀くんと並んで話して歩く

お兄ちゃん。




エ「男の人……

 なんだよね」




階段から落ちそうになったことも

そうだけど。


それ以上に、お兄ちゃんの、

あの声と力強い腕に、

心臓がドキドキして、

想いが気持ちが止まらない。


私、まだお兄ちゃんのこと、

幼なじみ以上に

思ってるんだ……。






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【By千歳

階段は危ないので、

気をつけて下さい。

いつでも僕が助けられる

わけじゃないので。

でも……君に怪我がなくて

良かったです。】




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はぁ~、、、カッコイイ!

ボイスがまたいい!



須賀くんに呼び捨てに

されるのがなんか違和感。

キミカレって名字の登録ないから

仕方ないのだけど…。


南くんと並ぶと須賀くんが

小さく見える。