知りたい方だけお進みください。
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第8話 昔の友人2
……。
千「あの……
えりさん?」
……………。
じとーっと千歳お兄ちゃんを
睨むように見つめる。
それは、さっきの質問の答えを
ちゃんとしてくれないから。
なんど聞いても
『つまらないこと』や
『恥ずかしいので』と
ひとことも言ってくれない。
話したくない、
というのはわかるけど。
少しくらい話してくれたって
と思うわけで。
エ「……」
だからこうして、
黙って見つめるという
作戦に出た私。
千「……わかりました、
わかりましたから
そんなに見つめないでください」
……よし!
やった!!
千「あのですね。
えっと、笑わないでくださいね」
エ「うん、うん!」
千「えっと……
あ」
エ「?」
やっとなにか聞ける!
と思った矢先。
急にお兄ちゃんの動きが止まる。
目を見開き、
驚いている。
そして--
千「嬉しい、ですけど。
なんでこうも、
続くのでしょうか」
そう呟いた。
……後ろに誰かまた
知り合いでもいるのかな?
そう思って振り向くと。
???「南じゃん!
久しぶり」
千「ええ、久しぶりですね。
渡辺くん」
今度は誰?
渡辺さん??
千「あ、えりさん。
彼は高2の時のクラスメイトです
なぜか高3の時も一緒で……
腐れ縁というやつです」
エ「あ、そうなんだ?」
なんかすごい言い方だけど、
まあいいか。
渡辺「初めまして。
渡辺春也
(わたなべはるや)です」
エ「初めまして!
えりっていいますっ」
渡辺さんって……。
お兄ちゃんと並んでも
身長差がない。
ってことは
すごい背が高いんじゃ……。
それに細いし、
黒髪で髪サラサラで、
着てる服もシンプルだけど
カッコイイ感じで。
あきらかにイケメン。
渡辺「ふーん」
エ「?」
渡辺さんはじっと私を見て、
渡「なんだよ、南、お前……
こんどはこんな純情そうな
女の子を騙してんのか?」
千「!!」
エ「……!」
ズイっと私に顔を
近づけてくる渡辺さん。
なに?騙す?
女の子を騙すっていった?
……。
ゆっくりと視線を
お兄ちゃんに向けると、
さっと目を逸らされる。
そして渡辺さんと私の間に
立つお兄ちゃん。
千「この子は幼なじみです!
大切な……女の子なんです」
そういうお兄ちゃんを
「ふーん」と
目を細めて見る渡辺さん。
千「だから、
あんまり余計なことを……」
渡「はいはい。
あ……そうだ。
えりちゃん」
千「あ、ちょっと!」
何かを思い出したらしい
渡辺さんはお兄ちゃんを
手で押し避け、顔を出してくる。
渡「コイツさ、一時期
『優しい孤高の悪魔』って
千「っな……!
なにをいきなり!」
そう言ったあと、
大爆笑する渡辺さん。
お兄ちゃんは私と渡辺さんの
間で焦って……
あきらかに動揺してる。
渡「孤高の悪魔って
なんだよって話だよなー!」
……確かに。
千「なに言ってるんですか!
俺はそんなもん
渡「まあ確かに、まわりが
つけたもんだけど……
あれはないよなー」
渡辺さんはまた思い出したらしく、
笑い始めた。
お兄ちゃん、友達の前では
『俺』って言うんだ……。
話し方も少しいつもと
違うし。
……あれ?
なんで私、今……ちょっと
嬉しいって思ったんだろう。
……?
渡「えりちゃん」
エ「あ、はい!」
渡「アンタも気をつけなよ?」
エ「え?」
渡「コイツ、本命いるくせに
告白されても断らねーんだよ」
……本命?
渡「傷つけるのが怖いとか
言って」
千「ちょ……っ」
本命がいるの?
本命って、好きな人だよね?
お兄ちゃんは焦って
渡辺さんを止めようとするけど、
渡辺さんはお兄ちゃんから
離れて私のそばに来る。
渡「ったく、
早く本命とくっつけばいいのにな。
まあ、だから最終的に
傷つくのは君だから
気をつけて……」
エ「!!」
千「彼女に余計なこと言うなって
渡「……」
お兄ちゃんの急な怒鳴り声に、
私は驚き、放心状態。
渡辺さんは半口開いたまま、
呆然とお兄ちゃんを
見ている。
千「……」
そして少しふたり、
黙ったまま
見つめ合っていて……。
渡「……お前」
呆れたような困ったような
顔をする渡辺さん。
千「……!」
その彼の雰囲気になにか
気づいたお兄ちゃんは、
今度は急に私を方を向く。
千「ごめんなさいです、
えりちゃん!」
エ「え? なにが?」
千「急に大声出したりして……
あと、あの……
今日は渡辺くんと約束が
あったので、ここで
失礼します!」
エ「……!!」
渡「あー、そういえば
そうだった」
エ「……」
渡辺さん、驚いてる。
これって
嘘、だよね?
それに最後、小さく「かも?」
と呟いてたし、渡辺さん。
でも……。
エ「うん。
わかった」
嘘だってわかったけど。
でも、ここで嘘でしょ!と
言ってもきっとなにも
変わらない。
また違う理由を言われるだけだと
思ったから。
頷いた。
千「では、また学校で」
エ「うん!」
渡「またね、えりちゃん」
エ「はい、また……」
お兄ちゃんが渡辺さんの背を
押すような感じで、
ふたりは公園を出て行った。
エ「なんか入り込めなかった」
会話というか、
……ふたりの雰囲気に。
ふぅっと長めに息をはいて、
帰ろうと足を動かすけど、
すぐに足は止まって、
その場で固まる私。
嘘をつかれてここで
バイバイしたことよりも。
過去に秘密があるって
わかったことよりも。
なによりも今……
ショックなことがある。
『コイツ、本命いるくせに……』
渡辺さんの言葉が、
ずっと頭の中で
リピートされる。
エ「本命……
いるんだ…・・・」
しかも渡辺さんが知ってるって
いうことは高2から、
なんだよね?
それならひとつだけ
わかったことがある。
絶対、私じゃないってこと。
だって、その時……。
私とは一度も会ってないから。
エ「好きな人なら、
会いたい……って思うよね」
会いたいって思わない、
会わなくても大丈夫だった
私は違う。
そう考えると、
すごく悲しくて……
でも同時にイライラして。
どうしたらいいのかわからず、
気持ちが落ち着くまでひとり、
公園で過ごした。
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【By千歳
今日のことは忘れて下さい。
まさかの偶然が重なって
こうなりましたが、
もう二度とないですから!】
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南くんが怒ってるあたりは
ボイスもありました。
すごい早口で怒りまくりで
ドキっとしたー。
渡辺さんは何となく
ミサキさん(彩人兄)的な
イメージ。




