キミカレ南くんのネタバレです。

知りたい方だけお進みください。





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第5話シークレット 助言






千「ふぅ……」




なぜか気まずくて、

あの場から逃げてしまった。


思えば別に気まずく

なることなんてない。

ただの幼なじみだし。



千「……ちょっと

 悪いことしました」



あとで謝っておこうとため息を

つき、屋上の柵に腕をおく。



千「そういえば、彩人くんは

 えりちゃんに告白してたんですよね。
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 忘れてました」



だから彼と知り合ったんだった。



それは、教育実習が始まる

1週間前。


助教授の母校ということもあり、

一緒に挨拶に来ていた

日のこと。



ちょうと昼休みで

校内を見て回って良いといわれて、

屋上へと来た時。




彩「ちょっといいかな?

 えりちゃん」

エ「え?」


千「!!」



屋上に入ってすぐに聞こえた

名前にビックリして

固まった。


そしてそっと声のした方を

見てみると。




千「……ウソですよね?」




見てすぐにふたりからは

見えない場所へと

身を隠した。


そこに居たのは、

幼なじみの

えりちゃんだった。


しかも。



エ「あの、それで話って」

彩「好きだよ、えりちゃん」


エ「…………え」




告白の場面に

居合わせてしまった。


これは、まずいです。

すぐにここから消えたいです。


そう思っても、

ここで出ていけばバレてしまうし。
じっとふたりがいなくなるのを

待つしかなかった。



それはこの告白を全て

聞いてしまうということで……。




千「拷問ですか?」



ぽつりと呟く。

そんなことを思っていると、



彩「君は自分が思っている以上に

 可愛くて守ってあげたくなるような

 女の子だよ」

エ「そ、んな……ことないです」


彩「……ま、嘘だけど」

エ「え?」


彩「とりあえず、考えといてね、

 えりちゃん」



そう男の子の声がして、

ドアの音がひとつ聞こえた。


そのあと、しばらくすると

ドアの音がもうひとつして……。

やっと終わったとホッとして、

屋上のドアに向かった。



だけどそのあと、

さっきの男の子らしい子が

戻ってきてしまって……。



千「なんでか自己紹介とか

 しちゃったんですよね…・・・」



なんででしょうか。

あれはたぶん、

慌ててたんでしょうね、僕は。



千「それにしても彩人くんと

 付き合ってたなんて……

 まあ……彼はすごく

 カッコイイですし、納得ですね」


でも誰かと付き合ってるとか、

そういう感じがしなかったから

いつものように

接してしまっていました。



千「これからは

 気をつけないといけませんね」



前以上に。

はあっとまたため息が出る。


そのため息と同時に、

肩を誰かに叩かれる。



千「……?

 彩人くん!」

彩「どうも」


千「どうしてここに?」

彩「先生が泣いてるかと思って」
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千「泣いてなんていませんよ!」



ふふっと笑って、僕の隣に来ると、

柵に背をつける。


そして僕と反対を向いて、




彩「あれ、嘘ですよ」

千「……あれ? とは

 なんのことでしょうか?」


彩「つきあってるってこと」
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千「……

 ……へっ!?」


彩「なに本気に

 してるんですか?」



……と、そう言って

あやしく微笑む。


す、すごい高校生です。



千「どうしてそんな嘘を

 言ったんですか?」

彩「先生、彼女の前では

 少し違って見えたんで

 笑顔とか態度とか。

 もしかしてなにかありました?」


千「……!」



……なにかって。

もしかして資料室でのこと

でしょうか。


もしくは帰り道でのこと

でしょうか。


どちらにせよ、

否定しておいたほうが

いいですね。



千「ないですよ。なにも

 彼女とは幼なじみなんです」

彩「へぇ。それは初耳です。

 そうだったんですね……」
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千「はい。少し会わない時期が

 あったので、ぎくしゃく

 してたんですが……

 その誤解がとけて、

 また仲良くなったんですよ

 なにかあったとしたら

 それじゃないでしょうか」


われながら上手い逃げ方だと

思った。


だけど相手は一枚上手で。




彩「まあいまはそれでいいですよ。

 だけど、そうやって逃げていても

 解決しませんよ
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 では失礼します」

千「……はい」



千「……

 すごい、ですね

 ……カッコイイ」



って、感心してる

場合じゃないです。


僕の隠していることを、

彼に知られてしまった。


そう考えていいでしょうね。




千「やっぱり、彼女を前に

 すると隠し通せないんですね

 これは、ヤバイ、です」



もっと気を引き締めないと!


……っというか。



千「彩人くんは、実は僕より

 年上なのではないでしょうか」
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考え方といい、

勘の良さといい、

言動といい。



千「恐ろしい、高校生です」




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【By千歳

忘れていたことを思い出しました。

そういえば彼と会ったのは、

学校の屋上でした。

それにしても、彼は本当に

つかみどころのない高校生です。】