キミカレ南くんのネタバレです。
知りたい方だけお進みください。
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第3話 宿題と2人きり。
『放課後、資料室においで』
そう書かれた手紙をポケットの
中で握りしめながら
資料室へ向かう。
エ「……はあ」
緊張する。
色々考えたけど、
きっとお兄ちゃんは
課題を手伝ってくれる
気なんだろうと思う。
だけど。
わかってはいるけど、
なにかを期待してしまう。
エ「まあ、フラれてるんだけど」
期待して気持ちが浮上しては、
自分でそれを否定して
落ち込む。
それを繰り返していたら、
もう資料室。
エ「よし!
と、とりあえず……
ノック、だよね?」
コンコン、と軽めにノック。
千「はーい、開いてますよー」
……。
千「まさか、こんなにたくさん
出すとは思いませんでした」
和歌が載ってる本を広げ、
お兄ちゃんが笑う。
エ「そうだね、私も、だよ」
千「お手伝いしますから、
早く終わらせましょう」
エ「うんっ」
笑顔のお兄ちゃんは本を
ペラペラめくり、
これはどうかと和歌を
探してくれている。
だけど私は、
なぜか集中できずに
お兄ちゃんばかり見ていた。
課題のために呼ばれたんだって
わかってはいたけど。
やっぱりどこかで、
久しぶりだから……ってことで
なにか期待してた。
変な意味じゃなくて。
こう、お祝いみたいな、感じ?
そのくらいしても別に
いいんじゃないのかなぁって
考えてた。
けど、優しいお兄ちゃんは
私の予想を裏切らなかった。
エ「……はあ」
まだなにも書いていない
白いノートの上にため息を吐く。
千「……どうしたんですか?
大きなため息ですね。
心配ごととかあるんですか?」
エ「あ、ううん!
なんでもないっ。
大丈夫!」
千「……そうですか?」
エ「うん!」
千「では……」
エ「……?」
パタンと資料の本を閉じて、
お兄ちゃんは私に顔を
近づけた。
エ「え……」
千「なにか僕に話したいことでも
エ「……?
な、ないよ?」
っていうか、近い!
近いよ、お兄ちゃんっ。
千「ですが、教室でずっと
僕を見ていたようですし……」
エ「!!」
き、気づかれてた!?
恥ずかしいっ。
エ「なんでもないよ!
ただ、千歳お兄ちゃんと
一緒に学校の教室にいるって
なんか変な感じだなぁって
思ってただけ!」
千「そうですか。
それは、その通りですね」
そうそう、そうでしょ?
だから、もう離れてー。
千「おや?
顔が真っ赤です。
照れてますか?」
エ「照れてないよ!」
千「そうですか。
では、顔が赤いのは発熱に
よるものかもしれませんね」
……。
…………え?
なんでそうなるの?
……本気で言ってる?
千「ちょっと失礼しますね」
エ「!!」
エ「……」
千「おや?
もしかして寒いのですか?」
エ「な、なんで……」
千「身体が固まってます。
肩もあがってますし」
違う、それは驚いて……
緊張してるだけ!
どうして、なんでこんな、
心臓バクバクいってんの!?
緊張だよね?
緊張!!
千「おでこだけじゃなくて、
エ「っ!?」
そう言って、お兄ちゃんは
そっと私の頬に手を置く。
千「今日はもう帰りましょう。
送って行きますから」
エ「あ、……まだっ」
熱なんてないしっ。
もう少し、話していたい!
とっさにお兄ちゃんの
手を握る私。
千「……っ!!」
エ「え?」
今、一瞬……
照れて……。
エ「あ……」
離れちゃった……。
千「すみませんっ。
手、握ってしまってました!」
あ、いや。
それは私が……
握ったんだけど。
千「あ、じゃあ……
送って行きます。
帰りましょう!」
エ「え……」
立ち上がったお兄ちゃんは、
私のノートをカバンに
突っ込むと、私の背を押す。
千「帰る支度しますから
ちょっと外で待っていてください」
エ「ちょ……待って。
どうしちゃったの?
お兄……いや、南先生っ」
千「待っていてくださいね」
エ「あ……」
そう言って、資料室の
ドアを閉めた。
エ「……ウソ」
いきなり焦りだしたのも
気になるけど、
なにより気になったのは……。
エ「課題、どーしよー……」
自力でやれってことかな?
はあ……。
……。
千「はあ……
会えて嬉しくて、
ちょっと調子に乗りました……
……
忍ぶれど 色に出でにけり
わが恋は物や思ふと
……そうならないように
気をつけないといけませんね。
さあ、帰る支度しましょう」
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【By千歳
資料室での君はとても……。
いえ、なんでもないです。
というか、からかってごめんなさい。】




