キミカレ彩人先輩のネタバレです。
どうなるか知りたい!方だけ
お進みください。
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第18話 優しい声にご注意
エ「……どうして数学って
学ばなきゃいけないんだろう」
大嫌いというわけではないけれど、
苦手ではある。
自信がない。
先輩は進路指導で
遅くなるっていうし、
待ち時間で明日の小テスト
勉強中なんだけど。
エ「これ、ひとりではとても
進みそうにないなぁ」
教科書開いて、
シャーペン持った状態で
フリーズ中。
???「あっれ~、
えり先輩だー!
なにしてんの??」
エ「・・・・・結城くん!」
顔をあげると、可愛い笑顔を
ふりまいてくれる後輩が
こちらへ近づいてきていた。
隆「わあ、勉強してる!!」
エ「うん……
でも難しくて」
隆「……ふぅん。
でもこれオレわかるよ!」
エ「……え?」
でもこれ、2年生の
数学だよね?
思わず教科書の表紙を
確認してみる。
隆「数学は数式がちゃんと
入っていれば
大丈夫なんだよ」
エ「………へぇ」
隆「そだ、教えてあげよっか?
オレ、家庭教師の
バイトもしてたから
上手いかもだよ!」
どうしよう・・・・後輩から
教えてもらうっていうのも
どうかと思うけど。
でも背に腹は代えられないよね。
それに結城くんだったら
優しく教えてくれそうだし。
エ「じゃあお願いしていい?」
隆「ラジャーでっす!」
そう言ってぴょんっと
私の前の席へと座る。
エ「じゃあね、ここの……」
机に肘をついて
私の顔を見つめる結城くん。
エ「……?
結城くん??」
行動が音として口から
出てるんだけど……。
隆「えり先輩の髪!
やわらかそー!」
エ「髪?」
隆「特に前髪っ」
エ「あっ」
声を出した時にはもう遅かった。
彼の指が私の前髪をすくい、
質感を確かめるように触っている。
エ「あのっ結城くん……」
ときどき顔に触れる彼の指。
チラチラと視界に入ってくる
綺麗で大きめの手。
やっぱり男の子なんだな。
手が大きくて指も……。
ふと自分の手に視線を落として、
また戻す。
隆「先輩ってさ……」
そう結城くんが口にしたのと同時に
大きな何かを叩いた音がする。
エ「………!!」
音に驚いて教室の扉の方を見ると
彩人先輩が壁にもたれた状態で
その表情はどこか冷たく、
いつもの微笑みはなかった。
エ「彩人、先輩?」
怖くなって声をかけると、
先輩はすぐにいつもの
微笑みを浮かべた。
その微笑みにホッと
胸をなでおろす。
視線を戻すと結城くんが
笑顔で立ち上がって
先輩へと駆け寄っていく。
彩「君は……・」
隆「妖艶センパイ!
こんにちはーっ」
ようえん?
彩「いや、その呼び方はやめようよ。
元気くん」
隆「えーでも、合ってると思うけど」
彩「そう言う問題じゃないでしょ」
隆「そんなこと言うなら、
オレも元気じゃないよ、結城!」
彩「ああ、そうだったね。
ごめんね」
……顔見知り?
隆「綾瀬川先輩が来たなら
オレは必要ないかな……
じゃあえりセンパイ、またね!」
エ「あ、うん!
ありがとう……」
勉強教えて貰ってないような
気がするけど。
元気な後輩くんは
何をしにきたんだろうと
思いつつ、手を振る。
彩「ごめんね、待たせて」
ゆっくりと近づいてきて、
そっと手を伸ばすと
私の前髪に触れる。
そこは結城くんが
触れていた場所と同じところ。
エ「いえ、全然」
彩「……で?
エ「先輩……?」
今、呼び捨てにした?
私の名前。
いつもなら「ちゃん」をつけてもっと優しく、
柔らかく呼んでくれるのに。
それに今の言い方、
なんだかとても冷たかった。
彩「……ねえ、
聞いてるんだけど?」
前髪から指をすべらせ、
そのまま私の鼻……
唇へと触れる。
エ「結城くん、には……
勉強を教えてもらってて
あのっ……
先輩を待ってる間、
数学をやってたら彼が来て、
それでっ」
順番が逆だ、と
思っていても
緊張してうまく話せない。
先輩は笑ってるし、
口調もいつもと同じはずなのに
雰囲気が……違う。
名前を呼び捨てにしたり、
どことなく冷たい感じがする。
彩「………」
エ「あの、先輩?」
私に触れていた指は
おろされて、先輩は
「ふーん」と腕を組む。
彩「……そう、わかったよ。
ごめんね、変なこと聞いて。
行こうか?」
ゆっくりと体の向きを
かえると、私のカバンに
教科書を入れ始める先輩。
エ「あ、あのっ」
彩「ん?」
返事はするけれど、
こっちは向いてくれない。
エ「いま、私のこと……。
えりって」
彩「ああ、ごめん。
嫌だった?」
エ「いえっ、そんなこと」
彩「良かった。
よし、片付いた」
エ「あ、すみません!
ありがとうございます」
先輩は私を顔を見ずに「はい」と
カバンを渡すと、
彩「じゃあ帰ろうか、
えりちゃん」
と言ってひとり教室を
出て行ってしまった。
エ「先輩・・・・?」
やっぱりいつもと違う。
どうしちゃったの、先輩。
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【By彩人
--なんだろうね?
いつかの夜を、
全く逆の立場で追体験しただけ…
なはずなのにね。
そっか、君はこんな
感じだったんだ。ふーん。】





